さよなら、そしてはじめまして異世界さん




少年の姿になってから、神様が徐々に距離を縮めてる気がする。


「うへ、うへへ‥小刻みに震える姿がたまりませんねー。」


「ひいっ! こ、来ないでください」


「ぐへへ、冗談ですよーひひ」


神様の面を被った変態が怖い。


「もう変態とは失礼ですねー。そろそろお別れなんですから、少しぐらい良いじゃないですかー」


「ご、ごめんなさい…」


そうだ、もうお別れなんだ。ずっと謝ってばかりで失礼な態度ばかりだった。


「気にしてないですよ。貴方は、これからです。次に会う時、期待してまーす」


「次‥ですか?」


「ええ、教会でお祈りをして頂ければまたお会い出来ますよー。あ、もちろんお祈りに来てくれますよね?」


「は、はい!かか必ず行きます!」


「ふふ、ではしばしのお別れです」


そう告げると、僕の身体が不意に浮かび上がった。


「収納庫に、食料やお金などしばらくの間は大丈夫な様入れておきました。後で確認してくださいねー」


本当に何から何まで用意してくれている。感謝してもしきれない。


僕は、自分を奮い立たせ、神様を見た。

綺麗な女の子が優しく微笑んでいる。


「あ、ああの、ほ、本当にありがとうございます!僕、が‥頑張ります!」


「ふふ、やっと見てくれましたね。頑張らなくていいんですよ、疲れちゃいますからねー。たまに元気な姿を見せてくださいな。」


僕の身体を眩い光が包んでいく。


「では、よい人生を!」






目を開けると、もう白い世界ではなく、緑いっぱいの森林の中にいた。

見たことのない小動物が、木々の間からこちらを伺っている。


知らない世界、フィルロード。


今日からこの世界で生きる。


せめて、優しく微笑んでくれた神様のために精一杯生きよう!





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