第8話 何番目?

二番目の吾は迷う所もないほどのだだっ広い心の中に


アマリリスこよなく愛する三番目のボクは月夜に自画像を描く


四番目のあたしはずぅっと眠る日々甘いだけの夢もう見飽きたよ


五番目のあたしは夢さえ見られずに知らないあしたを過ごすでしょう


ブランコに透明な悪魔を見つけたよそういうワタシは六番目


吼えること疲れて止めた七番目の我底なしの海に沈んで


八番目の僕はお腹が空き過ぎて小鳥の唱(ウタ)さえ食べはじめてた


あふれ出る泪に浮かぶ九番目のわたしの瞳永遠(トワ)に漂い


「明日には明日の……」なんて思わないぼくは走り続ける十番目


十一番目のアタシにそっと告げ口をするあなたは果たして何番目?


考えるフリくらいならできそうだ十二番目のぼくなんかでも


居場所無き十三番目の私闇にひっそり鏡見ている

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