第5話 ウツセミ

君と見た流れ星には願い事三度唱えずとも良いような


横たわる君に聞こえる子守唄一部となって裸足で近づく


月明りウツセミあずけ揺れ動く二つの影は治外法権


我の眼に映る君の瞳(メ)意味ありげ見なかったことにした午前0時


言いたい事二割も言えず落ち込んだ今日の紅茶はやけに甘いね


朝日とホットミルク嫌いな君が流行歌の中すり抜けていく


嗚呼、君の黒き瞳は今日もまた我が残像をすべらせて去る


雨に濡れた君を無視してゆるやかに冷めぬ視線溶け出していく


「結婚」の文字繰り返し読んでみる君と誰かが並ぶ絵葉書

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