幸せな始まり

 九月上旬 都内某所 月無邸


 カーテンの隙間から覗く光が目に当たり、少女は目を覚ました。


「ん……わっ!? えぇ!?」


 そして驚きの光景に瞬く間もなく目を覚ます。


「フフ、おはよ~純ちゃん」

「おはようございます……ビックリしたぁ」


 寝ていた自分の横でめぐるが体育座りをしていた。

 いつもの溌溂はつらつとした喋り方ではなく、まさに寝起きといった間延びした口調。

 少し早く目覚めためぐるは、純の寝顔をぼ~っと観察していたのだ。


 兄の大学がある駅へ遊びに来て、そのままめぐるの家にお泊まりをした純。

 めぐるからの全力のもてなしを受けた翌朝は、驚きの体験から始まった。


「あ、今何時でしょう?」

「ん~? 知らない~」


 純が時間を尋ねると、寝ぼけまなこのめぐるがそう返す。

 めぐるは超低血圧で起きぬけには全く頭が働かず、今もゆらゆらとしている。


「八時……あ、お布団片付けますね」

「いいよゆっくりで~十時すぎくらいに行けばいいから~」


 元気な状態のめぐるしか知らないので、ちょっと貴重な光景かと思い、少しの間純もめぐるを観察した。

 ……が、笑みを浮かべながらぼ~っとしたままなので、さすがに声をかけてみる。


「めぐるさんって朝弱いんですか?」

「ん~。純ちゃんは強いね~」


 驚いて覚めただけとは微妙に言えない。


「じゃ~起きるか~……下行こ~」


 緩慢な動きでめぐるが立ち上がり、それに合わせて純も動く。

 部屋を出てゆっくりと階段を降り、居間に入ると、食卓にある椅子やソファーではなく、めぐるはアップライトピアノの前に座った。


「ちょっとごめんね~」


 そして……


「え……」


 いきなりピアノを弾き始めた。

 それも、起きぬけに心地よいバラード等ではなく、戦闘狂が喜ぶ激しい曲。

 厚みのある重低音を響かせた、最初からクライマックスと言ってもいい曲だ。

 間違いなくゲーム音楽なのはわかったが、純は困惑の色を隠せず、唖然とする他なかった。

 しかも兄よりも遥かに上手いのだから余計に驚きだ。

 兄と同じく、めぐるの弾く姿と鍵盤に向ける眼差しに吸い込まれるように見入ってしまって声が出なかった。


 曲が終わると、めぐるはふぅっと息を吐き、大きな瞳を純に向けて言った。


「おはよ! 純ちゃん」

「え……おはようございます」


 先程までのめぐるではなく、いつもの元気なめぐる。

 何だったんですか今の、とは言えず驚いたままでいると、めぐるがそれを察して回答した。


「あ、ごめんね。あたし朝は一曲弾かないと目覚めなくて」

「そ、そうなんですね」


 信じられない特異体質だが、実際に目の当たりにしたので信じる他なかった。

 ちなみにほぼ毎日同じくらいの時間にこれをしているので、近所の人からは時報のように思われている。

 近所迷惑として扱いを受けないのは、月無母の近所付き合いの上手さもあるが、ただ上手いからというのが実際の理由。


 自分のために弾いてくれたわけでなくとも、めぐるの演奏を初めて聴いて圧倒された純は、スルーすることもなく話を広げた。


「今の曲は何の曲なんですか?」

「ふふー今のはねー。ぷよぷよ!」

「え、ぷよぷよってこんな曲ありましたっけ?」

「うん。ラスボスのあやしいクルークってキャラの曲!」


 ぷよぷよフィーバー2の『紅き叫びの波動』という曲で、キャラ人気も相まってシリーズ屈指の人気曲。


「ピアノ版なんてあったんですね。カッコよかった……」


 完成度の高いアレンジに、純は素直にそう思った。

 純でなくともそう思っただろうが、実際はそんなわけはない。


「あはは、ないよー。これはあたしが自分で弾く用にアレンジしたヤツだし。アレンジって言っても、ほとんど原曲通りだけどね」

「へぇ……え!? そんなことできるんですか?」

「え、いや耳コピするだけだから誰でもできると思うけど……」


 ただでさえ難しそうに聞こえる曲を、いとも簡単そうにそう言われても純には信じられなかった。めぐるもめぐるで、自身のスペックに無自覚なところがあったりする。

 

「あ、でも確かにお兄ちゃんが言ってました。楽譜書きまくってるって」

「ふふー。あたしの生きがいだからね! まぁ大抵のゲームは楽譜売ってないから自分で書くしかないだけなんだけどね」


 弾きたいけど楽譜がない、そんな事情もある。

 楽譜が発売されているゲームタイトルはそう多くなく、ドラゴンクエストやファイナルファンタジー、ポケモンなど、誰もが知っているタイトルくらいである。

 制作会社で言えばスクウェア・エニックスと任天堂くらいなもので、他のゲーム会社で楽譜を出しているところはほぼない。

 無論ピアノアレンジ版はもっと少なく、ゲーム音楽を弾きたければ耳コピの技能が必要というのが実情である。


「私、もっと色々聴いてみたいです!」


 純はそう言ったが、聴きたい以上に、弾く姿に虜になっていた。

 こういうところは兄妹であり、揃って同じものに憧れを抱いた。


「お~し、いいよ~。なら今日は朝から連戦行っちゃおうか!」


 そしてピアノに向き直り、何を弾こうかとめぐるは考えた。

 いきなりラスボスを弾いたし、純は目を煌めかせているし、テンションは朝から上々。体も目覚めて巡る血の気を鍵盤に向けるには……。


「よし、バトル曲! ……あ」


 鳴った。胸を張って息巻いた瞬間に……めぐるのお腹が。

 女子同士でなければ悶死したかもしれなくらい見事にぐぅと。


「朝ご飯……食べましょうか」

「……うん。バン焼くね」


 腹が減っては戦が出来ぬと、正に思い知った瞬間であった。


 ――


「じゃぁやっぱりリクエスト聞いちゃおう! 何のゲームの曲がいい?」

「え、何でもいけるんですか?」

「有名なゲームなら大抵何でも行けちゃうよ!」


 仲良く朝食を食べ終わり、ピアノの前に改めて座ると、めぐるは純の要望を聞くことにした。先程まではバトルの気分だったが、折角遊びに来た純の聴きたい曲を優先したいと思った。


「ん~……あ、じゃぁゼルダがいいです!」

「おっけー! そういえば純ちゃんゼルダやってたもんね! 曲は何にしようか?」

「お任せします! オカリナ以降は結構わかります」


 ゼルダの伝説、任天堂の人気タイトルを要望として受け、めぐるは曲を考える。

 ほどなくして、「あ」と閃き、鍵盤に手を置いた。


「フフ、わかるかな?」


 そう言ってめぐるは高音をポロンと爪弾かせた。

 シリーズの人気を決定付けた、正に伝説的タイトル『時のオカリナ』のフィールド曲、『ハイラル平原』。

 鳥の囀りを模したかのように朝の目覚めを感じさせるフレーズから、爽やかな草原を駆けるようなメインメロディへと、鮮やかな移り変わりが純の耳を奪った。


 弾ききると、完全に聴き入っていた純に向かってめぐるは言った。


「フフ、こんな感じかな! 後半のプログレっぽいとこはピアノじゃちょっと無理だけど」

「……すごいです」


 呑まれた純にはそれだけしか返せなかったが、めぐるにとっては十分すぎるほどの答えだった。


「フフ、ちなみにさっきのイントロのちょこっとしたフレーズ、あれ『太陽の歌』のメロディなんだよ!」

「え、そうなんですね! あの時間入れ替わるヤツですよね」

「そうそう!」


 めぐるの豆知識で意識を引きもどされた純は、ゲームの思い出を呼び覚まして少し高揚した。

 兄やめぐる程のゲーマーではなくともそこそこゲームをしてきたし、兄のやっているのを見ていた純は、結局似たようなところがある。


「オカリナ曲いいのいっぱいありましたよね~」


 そんな純の様子を見て、次に弾く曲は決まったと、めぐるは再びピアノに向かう。


「あ」


 鳴るとすぐに、純もすぐにそのメロディに気付き、声をあげた。

 『嵐の歌』、そしてそれだけではなかった。


「あ!」


 めぐる自家製のメドレーで、名曲揃いのオカリナ曲が奏でられていく。

 『サリアの歌』、『エポナの歌』、『時の歌』、もともとはオカリナの単音のメロディだが、その単純さ故に洗練された美しさがある曲達。

 短いゆえに不思議と残るそれらのメロディは、どんどん移り変わるメドレー形式の中でも、それぞれが確かな存在感を残していった。


 弾き終わると、純はただ感嘆の表情を浮かべて拍手をした。

 お気に召しただろうか、等という懸念は一切必要ない反応だった。


「どれも懐かしいです……大体覚えてました!」


 ゲーム音楽が本懐を成し遂げたようで、純の言葉はめぐるにとってそれ以上なく嬉しいものだった。


「どれもいいメロディだからね~。飾らなくても一発で覚えちゃう!」


 そう語るめぐるに、純は笑顔で同意を示した。


「あとエンディングでサリアの歌流れるじゃん、キャンプファイアーのとこ」

「みんなで踊ってるヤツですよね!」

「そうそう! そこでマロンがコーラス入れるとこが大好きでさ!」

「あ、それ今弾いてましたよね!」


 大団円のエンディングを参考にしたこだわりのアレンジ部分、そこに共感を得られてめぐるの口角はますます上がる。


「いやほんっと! あれ見たいがために一時期毎日エンディング見てた!」

「そ、そこまで……!」

「そのせいか好き過ぎてスマブラではいっつもガノン使っちゃう」

「え、そこはリンクじゃないんですね」

「うん。なんか毎日倒してたら愛着わいちゃって」


 ちょっとズレてるなと思いつつ、そう言えば兄が初対面でガノンドロフにボコボコにされたと言っていたのも思い出した。

 それにしても、エンディングを見たいがために無邪気な少女に毎日屠られる魔王というのも可哀相な話である。純はちょっとだけガノンドロフに同情した。


「よしじゃぁ次は……風のタクト行こう!」

「あ! それならあれ! 何でしたっけ、あの……鳥人間? がいるところ」

「あ、リト族ね。これだ!」


 純のヒントにめぐるが曲で答えを示した。

 イントロは本来ならギターであるが、ピアノの和音で同じ響きを奏でると、純は即座は喜んだ。

 『竜の島』というこの曲は『風のタクト』内でも屈指の名曲。

 郷愁ノスタルジーを誘う笛のメロディーに、スパニッシュ風のシンプルな味付けが世界観とも見事な調和を果たした逸品である。

 ちなみにスマブラXでも流れるが、この曲が流れるステージは多くのプレイヤーに嫌われているため、ランダムステージ設定で真っ先に消されがち。


 間違いなく印象に残るこの曲は、純にとっても例外ではなく、郷愁感に浸りながらそのメロディーに耳を傾けた。


「はぁ……私これ大好きなんですよ。聴けてよかった……」

「フフ、お気に召してもらえたようで!」


 弾き終わると、純はそう感想をもらした。

 めぐるは舞い上がりそうになるほど嬉しかったが、過度な喜び方が水を差すようで純の反応を優先した。


 そしてふと、大事なことを思いつく。


「あ、そうだ。サントラ貸してあげるよ」

「……え!? 悪いですよそんな」

「いいっていいって。それにサントラ版だとベース入ってるからちょっと違うし」


 何から何までお世話になった挙句と思ったが、借りた方がめぐるも喜んでくれるとすぐに察し、喜んで借りることにした。


「じゃ忘れないうちにちょっと取ってくるね!」


 そう言ってバタバタとめぐるは二階に上がった。

 取り残されてやることがないので、ふとピアノの横にある棚に目をやると……


「……え……めぐるノート……これか」


 発見してしまい口に出てしまった。

 ネーミングセンスに引いたというわけではないが、何となく触れてはいけない気がして見なかったことにした。


 しばらく待つと階段を下りてくる音が聞こえた。今度は幾分ゆっくりだ。


「……え!? なんですかそれ?」

「ん? ゼルダ」


 めぐるが持って来たのはまさかのもの。

 ゼルダシリーズのほぼ全てのサウンドトラックCDであった。


「おみやげおみやげ! フフ、好きなの貸してあげる!」

「あ、あぁ、ビックリした全部持ってけ的なアレかと思いました」

「ん? それでもいいけど。白井君なんかにはそうしてるし。聴きなさい! って」


 白井には問答無用で貸し付けるが、純にはちゃんと配慮する。

 新品同様の綺麗なCDを居間の机に並べると、めぐるはニコニコと純が選ぶのを待った。


「これって何ですか?」

「それはね、30周年の記念アルバム! シリーズからほとんどの曲入ってる」

「え、すご。じゃぁこれ借りていいですか?」

「うんいいよ! ぶっちゃけ~……これあれば大体いい曲は全部聴ける」


 じゃぁ全部持って来た意味は? とは言えなかった。


「大地の汽笛とかサントラ出てないのも入ってるから、最高の決定版だね!」

「あ、それ面白いんです? 大地の汽笛持ってなくって」

「曲は超いいよ!」

「あ、ゲーム的な部分で」

「曲は超いいよ」

「あっ」


 察した。

 ちなみに『大地の汽笛』にも屈指の名曲が存在するが、それはまたの機会。


「フフ、じゃぁそろそろ準備しよっか! 大学をご案内!」

「はい!」


 純はめぐるのピアノを聴けたしサントラも借りれた、めぐるは純にピアノを気に入ってもらえたし、サントラも貸せた。

 お互いに嬉しいことしかない、そんな一幕。


「あ、そうだ!」

「ん?」

「髪留め、もらっていいですか?」

「……フフ、いいよ!」


 二人の朝はいつになく幸せなスタートを切った。




 隠しトラック

 ――予習 ~めぐる邸・居間にて~


 朝食中


「もうお兄ちゃん練習始まってるんですかね?」

「前半練習は十時からだからまだだね。十一時前に着けば多分休憩してるころだと思うよ」

「邪魔じゃないでしょうか……」

「フフ、大丈夫大丈夫。白井君のバンドの三年生、あたしと仲良い人達だって言ったじゃん」

「あ、あのカッコいい人ですよね」

「うん、ヤッシー先輩。あと部長もいるよ」

「え、何となく行きづらい……」

「あはは、大丈夫だよ。すっごい優しい人だから」

「怒られないですかね?」

「間違いなく! 歓迎してもらえるよ。フフッ!」

「よかった……」

「見た目も安心感あるから心配しないでいいよ!」

「え、どういう」

「言うのはちょっと憚られる」

「……どういう?」


「あとは白井君と同じ一年生が二人いるね」

「あ、そうだったんですね」

「うん。思春期って言われてる子と、バカって言われてる子」

「え……どういう?」

「そのまんまだね。喋ると普通にいい子だけどね二人とも」

「あだ名なんですか?」

「思春期の椎名君は普通に名前で呼ばれてるけど~……」

「思春期の人……」

「バカの林田君はバカって呼ばれてる事の方が多いかも」

「……可哀相じゃないですか?」

「気にしない性格みたいだよ。むしろ褒め言葉みたいに思ってるらしいよ」

「へぇ、いい人なんですね」

「ちなみに小学生くらいの喋り方する」

「……バカですね」


「ちなみにアホもいる」

「へぇ……」

「あたしの同級生なんだけどね。藍ちゃんっていう」

「女性の方なんですね。あ、アホの子ってヤツですか?」

「そんな生易しいものじゃないよ」

「え」

「こっちは本当にヤバいから、もし会っちゃったらすぐに逃げて」

「えぇ……危険人物なんですか?」

「ある意味ね……誰にも制御できない」

「……行くの怖くなってきたんですけど」

「大丈夫。今日は来ないし、万が一会ってもあたしが盾になるから」

「そんなに危ない人がいるんだ……」

「フフ、冗談だよ。藍ちゃんもすっごく友達思いのいい子だから」

「よかった、冗談で……」

「まぁヤバいのは本当だけど」

「ヤバいアホの人……」


「ちなみに一番ヤバいポテンシャルを秘めてるのは一年生の夏井って子。なっちゃんって言うんだけど」

「……お兄ちゃんの同級生の方」

「超可愛いしいい子なんだけど、あたしも白井君もなっちゃんにだけは勝てない」

「え……何でですか?」

「強さの問題じゃなくて、とにかく勝てない」

「想像つかないんですけど」

「あたしら二人とも圧倒的敗北を喫しているわ……純ちゃんなら大丈夫だと思うけどね」

「……託されても困ります」


「なんか途中から軽音のヤバい人紹介になってたね」

「ふふ、でも皆さんいい人そうでよかったです」

「フフ、そうだね。でもかくいうあたしもね。白井君なんて完全に初見殺し状態だったし」

「あ、お兄ちゃんから聞きました。ふふ、言ってましたよ、初見殺しだったって」

「……」

「どうしました?」

「……ってか純ちゃんってあたしのその辺の話全部知ってるよね。あたしからも言ってるし」

「はい、大体は」

「……どう考えても一番ヤバい女から今の話聞かされてたっていう」

「……めぐるさんヤバくないですよ?」

「いやいや」

「ふふ、素直なだけじゃないですか。全然ヤバくないですって」

「じゅ、純ちゃん……! なんていい子だ君は!」

「昨日も今日も本当にお世話になってますし、そんなこと思いませんよ!」

「……! ふふー、なんて可愛いんだ君は~」


 めぐるさんチョロすぎません? とは昨夜に続き言えなかった。




 *作中で紹介した曲は曲名とゲームタイトルを記載します。


『紅き叫びの波動』 ―― ぷよぷよフィーバー2

『ハイラル平原』 ―― ゼルダの伝説 時のオカリナ

『太陽の歌』、『嵐の歌』、『サリアの歌』、『エポナの歌』、『時の歌』 ―― 同上

『竜の島』 ――ゼルダの伝説 風のタクト


 *ゼルダの伝説30周年記念アルバムにオカリナ曲は含まれていません。

   また、時のオカリナの曲は64版ではなく3DS版が収録されています。

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