幕間 秋の風と神の思し召し

 九月に入ると少しだけ風も涼しく感じる。 

 季節の移り代わりと言うには少し早いが、一段と過ごしやすい今日は、秋の訪れを感じさせるような気もした。

 順風満帆に過ごす日々はこうして感受性も豊かにしてくれる。


 とはいえ今日は微妙に穏やかではない。

 心配事というには大袈裟だし、悪いことではないのだが……。

 来るのだ。遊びに……妹のじゅんが。


「次の電車かな!」

「各駅って言ってましたし、多分そうじゃないかと」


 大学駅の改札前で、月無先輩と一緒に純を待つ。

 月無先輩が一緒にいる理由は……呼ぼうと急かしたのがこの人だからだ。

 曰く「純ちゃんも来たいって言ってたし、お願い!」とのこと。


「あ、すい先輩もあと30分くらいしたら来るって!」

「お、早いですね。昼過ぎに適当に集合って感じにしたのに」


 秋風先輩は、月無先輩が純と会うことを話題にしたら来たがったとのこと。


 正直言うと自分にはよくわからない部分がある。

 秋風先輩は理想的な先輩だし、普段からお世話になっている。

 しかし月無先輩がらみになるとたまに人が変わるので、そういう点では自分がどう思われているのか、不明瞭だったりする。

 「めぐちゃんは渡さないわよ~」と思っていても当然だし、ここのところそういう面を見せないから余計にわからなかったりする。


 なので純に罪はないが、会いたがる理由が見当つかないのだ。

 しかし邪推するのは失礼だし……部活動としては自分を認めてくれてる先輩に違いないし、それは何よりありがてぇ。心配するようなこともないか。


「でも大丈夫かな純ちゃん」

「……ですね」

「吹先輩見たら気絶しないかな」

「三女の四人が揃ったりしたら多分意識保てないでしょうけど……まぁめぐるさん耐えられたから大丈夫なんじゃないでしょうか。……イ゛ッ!」


 背中バーンされた。

 顔面偏差値の暴力に純が耐えきれるかという話だったが、こういうことを言うと最近月無先輩は恥ずかしまぎれに背中バーンしてくる。


「……あ、来た来た!」


 そして純の姿を見つけたようで手をブンブン振り始める。

 純は……お、ちょっと子供っぽいけど頑張ってオシャレしておる。

 てっきり着る服に困って最終手段の高校の制服とかで来るかと思ったけど。

 原宿や下北など行ったこともない田舎娘の頑張りが見てとれる。


 純もこちらに気付いたようで、改札に切符を通し、小走りで向かってきた。


「フフ、純ちゃんおはよう! 乗り換え迷わなかった?」

「大丈夫でした! おはようございます」


 前回ですっかり仲良しになったからか、緊張もなく普通にやりとりを始め、このまま改札前で秋風先輩を待つことにした。


 都会の駅はデカくてすごいだとか、人が多くて驚いただとか、純も自分が初めてここに来た時と同じような感想を抱いてるのが少し微笑ましかった。


「今日来る人ってどんな人なんですか? なんかものすごい美人ってお兄ちゃんが言ってましたけど」

「ん~、多分来たらすぐわかるよ。ね? 白井君」

「……ですね。多分オーラでわかると思う」


 そして話ながら待つこと数分。


「あ、来たよ純」

「え、本当?」


 秋風先輩が改札の向こうのエレベーターから降りてきたのが見えた。


「ふふーわかるかな純ちゃん」


 月無先輩にそう言われ、予想をするために改札を通る人ごみに目をやる。

 

「……え?」


 そして何やら……


「……え?」


 いったん目をごしごし。


「……えぇ?」


 ……そんな信じられないもの見たような反応すんなよ。


「……女神様?」

「「大体合ってる」」


 白い神衣ワンピースに身を包み、肩に羽織りモノをかけた秋風先輩。

 そこに涼しい秋の訪れを感じさせる風が吹けば、神々しさと爽やかさが一体となった、美しさの極致としか形容できない光景だった。

 改札通るだけで神々しいとか最早異常事態だけど。


「……都会ってすごい」

「あの人は別格すぎるから参考にならんぞ。あと俺を盾にするな」


 月無先輩を初めて見た時のように自分の後ろに隠れるも、改札を過ぎた秋風先輩が女神スマイルを向けて軽く手を振ると、躊躇いつつも導かれるように出てきた。


「こんにちは~初めましてだね~」

「こ、こここん゛ッにちは!」

「ふふ、緊張しないでいいのよ~」

「す、すいません!」


 普通に話せない純と秋風先輩のやりとりが始まった。

 面白いのでちょっと放っておこうと見ていると、月無先輩が耳打ちしてきた。


「やっぱ純ちゃんと白井君って似てるよね」

「……そうです? まぁ並ぶとすぐに兄妹ってわかるそうですけど」

「うん、顔だけじゃなくて、すぐ謝るとことか」

「……多分自己評価低いからだと思います」


 下々の民という自覚がある故の言動だ。

 神の御威光に晒されてしまえばしかたない。


「あとパワ松みたいな反応する」

「えぇー!? ってヤツか……」


 月無先輩的にはパワプロ君に似てるとこが一番の共通点なんだろう。


 様子を見ていると、なんとか会話の体を保ちつつ……純はこちらをチラッと見た。


「あれ助け求めてるね」

「っぽいですね。純、ちょっとこっち来い」


 そして少し距離を取り、家族会議を始める。


「え、ちょっとほんと……ちょっと……」

「テンパりすぎだろお前。とりあえず深呼吸だ」


 そして本当に深呼吸……漫画みたいなリアクションだ。


「……あの人何者なの?」

「何者って、世話になってる先輩だが」

「お兄ちゃんの部活おかしいって」

「俺もそう思う。……ちなみに同じレベルのがあと三人いる」

「おかしいって」


 多分ここに三女の残り三人、冬川先輩と巴先輩、八代先輩までいたら過呼吸にでもなっていたことだろう。

 しかし今日は秋風先輩でよかったかもしれない。

 もう少し話していれば癒しオーラで否応なしに緊張などほぐされるだろう。


 ちょっと落ち着いたところで、こちらの様子を見ていた月無先輩が手招きしたので、純の背中をぽんと押して向かわせた。

 至近距離になるとまた緊張していたが、月無先輩の助けや秋風先輩の癒しオーラのおかげか、ほぐれるまでそれほど時間はかからなかった。


 改札前にずっといるのも何なので移動しようと、昼食をみんなで取ることに。

 大学駅はそれなりに大きな建物で、四階にはテラスもあるので、駅中えきなかのパン屋で買ってきてそこで食べることになった。


 ――


「こんなオシャレなパン屋さんが……」

「……この沿線どの駅にもあるが」


 チェーン営業のパン屋にも驚く始末。

 純が実家の近くのパン屋と違う、バリエーション豊かなパンの面々を眺めていると、秋風先輩が隣に並んできた。


「純ちゃん好きなの選んでいいよ~。まとめてお会計しちゃうから~」

「え、そんな悪いです! 初対面の方に……」

「いいのよ~」

「おこづかい! もらってきましたから」


 まぁ純の反応は普通だ。初対面から奢ってもらうのは気が引ける。


「フフ、いいんだよ純ちゃん。白井君も初対面で奢ってもらってたし」

「……え、お兄ちゃん強欲」

「一応言っとくが俺もお前と同じ反応だったからな最初」

「うふふ、だからいいのよ~。今日くらいは~」


 結局秋風先輩お得意の「いいのよ~」で押し切られたようだが、純は素直に喜んでパンを選び始めた。


「これと……これもいいですか?」

「ふふ、いいよ~」


 打算のない秋風先輩に振舞いに、がっつり心を掴まれたようだった。

 餌付けというよりは女神の施しである。


「うんうん。折角もらったおこづかいはこういう時には節約しないとね」

「めぐるさんの場合削れるだけ削ってゲームに当てるためでしょ」

「そりゃそうだよ!」


 純の方を見ると、秋風先輩にすっかり懐いたようで、二人で嬉しそうにレジに向かうところだった。

 純へ対する秋風先輩の慈愛に満ちた振舞いは、自分が僅かにでも持っていた懸念を申し訳なく思うほど、よこしまとは無縁な美しいものに見えた。


「……さすが吹先輩。もう完全に懐いた」

「母性カンストしてますからね」


 ――


「丁度席空いてましたね」


 テラスに着くと四人掛けのテーブルが一つ空いていた。

 純と自分が対角に座った。


 和気あいあいと食事が続き、緊張も解けた純は大学生への憧れを露わにしながら月無先輩達とあれこれと話に華を咲かせていた。


「お兄ちゃん私決めた」

「何を」

「私も同じ大学受ける」

「……あ、そう」


 えらく気に入ったようだ。

 しかし考えてみれば、偏差値的には低くはないところだが問題がある。


「でも兄妹二人とも私立って、うちそんな金ない気が。しかもその時俺四年だし、実家から通うの大変だぞ」

「う……確かに」

 

 月無先輩達は裕福そうだから無縁な話だろうけど、高校受験の時に私立はアカンと言われて公立に行った身としては、看過できない問題だったりする。

 

「家はお兄ちゃんとこでいいとして~……」

「よくないよくない」


 ってかよくいいと思えたなお前。


「うちに下宿すればいいじゃん。歩いて通えるよ」

「「「え」」」


 月無先輩の発言に三人が固まる。


「だって部屋余ってるし~どうせ……あ」


 発言の深刻さに今更気付く。

 一瞬にして紅に染まる月無先輩とどう返せばいいかわからない純、そして何か考えている秋風先輩。……困った状況である。

 ってかどうせの次は何言うつもりだったんだ……!


「……あたしやっぱりすごいバカなんじゃないかって最近思う」

「奇遇ですね。俺もですよ」


 このやりとりも定番化している。

 そこで秋風先輩が鶴の一声、「この後どうしたい~?」と話題を転換してくれたので助かった。

 純が洋服が見たいというので、駅の建物内にある服屋を回ることに。

 2Fには服屋以外にも雑貨店やら色々あるので、意外と一日過ごせる。

 オシャレ街には及ばないけど、悪くない店もあるし、都会に憧れのある純には入門として丁度よかっただろう。

 

 ――


「反省してます。本当に」

「いえ……でも脳直のうちょくで喋るクセ気をつけましょう」

「はい」


 純達が服を見ている間、オシャレ偏差値が低い自分と月無先輩は店の外で反省会……まぁ一方的に懺悔を聞くだけだったし、いつものことでもあるので、切り替えは早かった。というか実際は互いに気にしていない。


「フフ、でも純ちゃんすごい可愛がってもらえてるね」

「ありがてぇ話です。正直意外でしたけど」

「意外? 何で?」

「いや、なんというか。秋風先輩の立場的に俺邪魔かなって思ってたので」


 月無先輩は納得できるところもあるという反応をしたが、


「それはないよ。もしそうだったら吹先輩絶対来ないし。白井君は考え過ぎだし……フフ、自己評価低過ぎ!」


 そう言ってくれた。

 秋風先輩はそんなこと全く思ってないと、一番愛されている月無先輩が。

 それに、もしかしたらだけど、純を可愛がってくれるのは、自分と月無先輩のことを認める意味を込めて、あるいは既に認めてくれているから……都合のいい解釈だけど、そう思えば憑き物が落ちたように気が楽になった。


「折角なんでめぐるさんも一緒に選んであげてださい。喜びますよ」

「うん、わかった。行ってくるね!」


 それならもっと十全に楽しんでもらいたいと、そう思った。

 自分は妹の服選びに参加するのはとても微妙な気持ちなので外で待機だ。



「ふふ、純ちゃん可愛いわね~」


 しばらく待っていると、そんなことを言いながら秋風先輩が出てきた。


「あれ、いいんですか? 服」

「うん。めぐちゃんも戻ってきたしバトンタッチ~」


 しかし何故こちらに……秋風先輩にとってあの状況は愉悦に違いないのに。

 

「ハムスター……って感じね~」


 ……遠目に純を眺めながらそう言った。

 動物に例えるのは以前にも見たが、多分これはあれだ……ペット認定的な。

 ちなみに自分は犬で月無先輩は猫らしい。


「あ、そうだ。すいません純の分ごちそうになっちゃって」

「いいのよ~。折角遊びに来たんだからね~」


 言っておくべきことが丁度あったので、それを伝えるも、笑顔で返され無言の間が出来る。


「ふふ、ありがとね~しろちゃん」

「え? こちらこそありがとうございます……って……」


 何がでしょう、と返そうとして顔を上げたら、微笑みを見せる秋風先輩と目があって不思議と何も言えなかった。


 照れるような気持ちもあり、目を逸らしてしまった。

 感謝されるようなことをしただろうか。

 純のことかと一瞬思ったけど、多分月無先輩関連……どっちもかもしれない。

 結局女神の思し召しには至れない……まぁいいのか今までどおりで。


「ふふ、それでいいのよ~」

「……吹先輩、心読みました?」

「どうかしら~」


 ……自分ってそんなにわかりやすいんだろうか。


「うふふ、めぐちゃんも本当に楽しそう。今日来れてよかった~」


 そして言うべきことは言った、そういう意味にも見える言葉だった。

 もしかしたら、思った以上に認めてくれているのかもしれない。


 それに、今の言葉でなんとなくわかった。

 秋風先輩はやっぱり月無先輩第一で、月無先輩が最高の笑顔を見せる瞬間を常に見ていたい、それだけな気がする。

 月無先輩最優先でありながら他の人に理想的な振舞いを出来るのも、打算などではなく元々の人柄によるものなんだろう。

 神格化してばかりいたけど、思っていた以上に単純に、純粋に良い人だ。


「頑張ります」


 何をとは明確ではないけど、そんな気がしてそう言った。

 秋風先輩は微笑んで、もう一度「ありがとう」と言って店内に戻って行った。


 ――


 夕方になると秋風先輩が家庭教師のバイトのため離脱することに。

 見送りのために改札までみんなで向かう中、ふと思う。


「そういや純はいつ帰るんだ? あんま遅くなると心配されるぞ」


 今から帰っても19時は過ぎる。

 田舎の家庭の門限は早いのだ。


「え、帰らないよ。泊っていくし」

「いや何言ってんだよ……俺んとこは無理ってさっき話にでたろ」


 当然のように何を言うのかこいつは。

 それに自分は明日は前半練習で午前中から出かけるというのに。


「あ、白井君。純ちゃんお借りします。夕飯もうちで食べるよ」

「……は!?」

「めぐるさんのところにお泊りさせてもらいます!」

「聞いてない」

「だって言ってない。お母さんには言ってある」


 ちゃんと兄にも報告しろよそういうのは……。


「……迷惑かけるなよ?」

「うん」


 完全にそのつもりだったんだろうし、夕飯もっていうことは何かしら準備もしてくれたかもしれないし、止めるのも月無先輩の厚意を無碍にするようなものか。


「ふふ、よかったわね~めぐちゃん。私も行きたかったな~」

「はい! 吹先輩も今度是非遊びに来てください!」

「うん。絶対行くわ~。ふふ、純ちゃんもまたね~」


 秋風先輩もめっちゃ行きたそうにしていたけど、バイトはどうにもならない。

 自分が知らなかっただけで水面下では通じあっていたのだろうから、驚いているようではなかったが。


 そして改札を過ぎた秋風先輩の背中を見つめて純がポツリ。


「素敵な方でした……。吹お姉さま」


 ……お姉さま。すっかり虜にされてしまった模様

 とはいえ自分も心地よく吹く風を感じながら、初対面の時を思い出し、改めて素敵な女神ひとだと思ったりした。


「フフ、じゃぁ行こっか! ほら白井君も」

「え、いいんですか?」

「あったり前じゃん! 今日お父さんたち追っ払ったし!」

「じゃぁ……御馳走になります」


 ……良かった。正直ハブられないかとも思ってたからめっちゃ嬉しい。

 

 その後は月無邸へお邪魔し、月無先輩のお手製の料理を御馳走になり、三人で楽しく過ごした。

 時間が時間なのでピアノは弾いてもらえなかったが、今日は自分もいつも以上に晴れやかな気持ちで、最高の時間を堪能した。


 上手とは知っていたが、月無先輩の料理は普段の様子からは想像できないほど美味しく、次はもっとちゃんとした料理を作るから楽しみにしててとのこと。

 ある意味純のおかげだからこいつにも感謝しないといけないかもしれない。


 帰り道は一人だったけど、いつもより足取りは遥かに軽い気がした。




 隠しトラック

 ――女神転生 ~月無邸にて~


「あの、聞きそびれちゃったんですけど、吹お姉さまってハーフなんですか? 金髪でしたし、スタイルもびっくりするくらいよかったですし」

「ん? 違うよ。でもフランスの血が入ってるんだって」

「なるほど……じゃぁ地毛なんですかね?」

「うん。地毛らしいよ。でもお母さん会ったことあるけど、普通に日本人って感じだった。すごく綺麗だったけど、背もあたしと同じくらいだし、髪黒かったし」

「え……」

「不思議だよね」

「はい。そんなことあるんですね」

「吹先輩のお母さんですら不思議って言ってたからね」

「マジで女神が転生したとか言われてますよね」

「うん。冗談って言いきれないよねもう」

「私もその説に一票……」


「信じられない超常も平気で起こしますよね」

「ね。気付いたら民従えてるし。いつの間にか救済してるし」

「……どんなのがあったんですか?」

「わかりやすので言えば……あ、女神パワーとか?」

「あれマジ怖かったですからね」

「え、気になる!」

「特定条件下で筋力が∞になるパッシブスキルだよ!」

「人間の力を遥かに超えた腕力を出す」

「えぇ……あんなに綺麗な腕してるのに」

「ちなみに俺は腕折られるかと思った」

「えぇ!?」

「体ごと持っていかれそうになってたもんね。腕相撲」

「しかもあれ全然本気じゃなかったでしたし」

「えぇ……お兄ちゃん一応男でしょ?」

「神の前に性別など関係ない」


「でも最近の伝説といえばあれしかないよね」

「ですね……あれは完全に女神の所業だった」

「……何があったんですか?」

「海行った時なんだけどね」

「海……水着すごそう」

「うんすごいよもう。バインバイン」

「めぐるさんってちょくちょくオッサンくさいですよね」

「……知ってる。で、水着コンテストがあったのよ」

「優勝確定じゃないですか」

「うん。でももう優勝なんてどうでもよくて、自己紹介で前にでた時点で観客全員が平伏すっていう」

「え」

「いや本当にそのままだぞ純。こう、ありがてぇって」

「えぇ……」

「そんで二次審査の前に他の出場者が棄権するっていうね」

「すご……」


 数分後


「何か聞けば聞くほど信じられないけど全部本当の話なんですよね?」

「うん」

「一切盛ってない」

「……私なんかが仲良くしてもらっちゃってよかったんでしょうか」

「それ最初あたしも思ったから」

「俺も思った」

「でも純ちゃんは大分気に入られてるから大丈夫」

「そう……なんです?」

「うん。吹先輩可愛い子大好きだから」

「そんなことは……でもありが……ハッ!」

「うん、気付いたら言ってるもんだから」

「純ちゃん早速体験したね」

「はい……本当だったんですね」

「すごいでしょ。……ちなみにショタコ」

「やめなさい」


 めぐるは神をも恐れない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る