小さな晴れ舞台

 八月上旬 都内某所 音楽スタジオ


 月無先輩と、我が軽音楽部がよく利用する外部の音楽スタジオへ。

 そのきっかけとなった夏井も一緒で、夏井の待ち合わせ相手の春原先輩はもう着いているとのこと。


「あ、スー先輩いました! 待ってるだけでも可愛い!」


 ガラス張りの外壁越しに、ロビーの椅子にちょこんと座るその姿が見えると、夏井が嬉しそうに声をあげた。


「……なんかもう迷いこんだようにしか見えませんね」

「ね。……あたし未だに違和感あるもん。さすが小動物」


 森の妖精ならぬスタジオの妖精……失礼だけど客には見えない。


 厚めのドアを開いて合流すると、春原先輩は歓迎するように控え目に微笑んだ。


「ふふ。今日は廊下じゃないんだね」


 スタジオ内でしかできない練習をするためと月無先輩が説明すると、春原先輩はにこやかに「そっか」と返した。 

 受付でシールドケーブルと鍵盤を受け取って、スタジオに移動する時に、ふと春原先輩が声をかけてきた。


「白井君、ちょっと」

「……なんでしょう」

「いいから耳」


 え、何? 齧られんの?

 そして夏井と月無先輩が会話する様子を確かめて、耳打ちしてきた。


「頑張ってねヘタレ」


 ……何をだ。いやわかるが。


「……そっちの方向で頑張る気はないのですが」

「……チッ」

「舌打ち」


 期待はずれだなぁこのヘタレはとでも言わんばかりの反応。


 エレベーターで二階に上がり、フロアに到着。


「あたしら3スタだね。じゃ、スーちゃん、なっちゃん、また後でね!」


 春原先輩達は隣の2番スタジオ。

 一時間したら休憩を一緒に取ろうと約束し、スタジオに入った。


「よぉし、ちゃちゃっと準備しよう! シールド片方貸して~」


 二人で手際よく準備して、練習環境が整うと、


「『into you』だよね。えっと~多和田えみ……っと、はい! いくよ~」


 早速と練習開始。スピーカーから音源を流してそれに合わせて弾いた。

 五~六分程度の演奏はこれ以上なく緊張したが、ソロ部分のやらかし以外は大したミスもなく、自分の中では上々の出来に終わった。


「……できてますかね?」

「フフッ、自信持っていいよ! きっと皆驚いてくれる!」


 月無先輩は多少自分に甘いところはあるけど、嘘は絶対に言わない。

 その言葉が何よりの証明に違いない。


 その後も助言を受けつつ何度か同じようにやってみた。

 回数をこなすほどによくなっていく実感があり、改めて月無先輩の練習指導の的確さを実感した。


「ソロのとこまでちゃんと出来てきたね! 個人でやれることは結構やりきれたんじゃないかな? この曲に関しては」

「本当にありがとうございます」

「……フフッ! どういたしまして! 三時まで~……あと一回くらいできるかな」


 集中していたからから相当に時間は経っていた。

 休憩まで十分あまり、一つだけお願いしたいことがあった。


「めぐる先輩、見本見せてもらえないでしょうか」


 憧れの人、憧れの音。

 この人ならどう弾くだろう、それを知ることがどれだけ有意義か。

 ……いやそれよりも、単純に理想の演奏を間近で見たかった。


「え、あたし? ……アドリブ入ってもいい?」

「むしろ是非! めぐる流でお願いします」


 そしていつものようにフフッと笑って、ピアノの前に座った。

 曲が流れ始めると雰囲気を身にまとい、弾き始めるとすぐに悟った。

 自分と同じ曲を弾いているはずなのに……同じフレーズでも発見があり、同じリズムでも際立ち方がまるで違う、何から何まで自分と違う。


「……はい、こんなかんじ!」

「はぁ……スゲェ」


 自信喪失するようなことはないけど、理想は程遠いのだと気付かされた。

 やっぱり音楽人としての月無先輩は手の届かない存在だなんて思う。


「あ、スーちゃん達だ」


 スタジオの防音扉の、縦長の覗き窓から二人が覗いていた。


「フフッ、あたし達も休憩にしよっか!」


 圧倒されて少し放心しかけていたところ、上手いこと現実に引き戻された。


 §


「月無先輩すごかったです! あんなにカッコよく弾けちゃうなんて!」


 防音扉とはいえちゃんと傾聴すれば十分音漏れで聞こえるし、夏井達は月無先輩の見本演奏をガッツリ聴いていたようだ。


「ふふ、なっちゃん、白井君凹むよ」

「……あ! ごめんなさい! ……私何で気を使えないんでしょう」

「いや仕方ないだろう、気にしなくていいよ。俺が弾いてくださいって頼んだし」


 一年生からすれば当たり前の反応だし、自分としてはむしろ月無先輩の演奏に感動している様の方が嬉しい。

 すると月無先輩がフォローを入れてくれた。


「フフッ! 初合わせの時驚くよ! 白井君もこんなに弾けるんだって!」


 その言葉を受けて春原先輩は安心したように微笑んだ。

 月無先輩の言葉の信用度を知っているからこその反応か。


 §


「後半は何しよっかね~。 結構ガッツリ練習したし、『into you』に関してはやりつくした感あるかもね」

「私達の方も確認終わっちゃった。一時間でよかったかも」


 休憩中に二年生二人がそんな話していると、夏井が思いついたように声をあげた。


「月無先輩のピアノ、聴いてみたいです! ……ダメですか?」


 はい、名案。夏井いいこと言った。


「え、あたしの? いいけど……」

「いいじゃないですか。俺も聴きたいです」

「し、白井君も言うなら」


 そしてなんと後半は月無先輩のピアノ演奏を聴く会に。

 久々の月無先輩のピアノソロ、否応なしに昂るというものだ。


「ふふ、白井君急に元気でたね」

「……これは致し方ないのです」


 そう言いつつ春原先輩も嬉しそう。

 身近な中で最高のピアニストに違いないのだから、実力者からしても同じこと。


「よ~し、じゃぁ何弾こっかな~」


 一同の期待の目を感じとったか、少し照れを隠すようにして、月無先輩はスタジオ内に戻っていった。

 その様子が可愛らしく、夏井と春原先輩と三人で自然と目が合って笑みがこぼれた。


 ぞろぞろとスタジオに入ると、鍵盤の前に座った月無先輩が、

 

「な、なんか緊張するから皆適当な感じで見てね!」


 柄にもなく緊張しているご様子。

 ちびっ子二人にスタジオの隅に重ねてあった椅子を出し、自分は立ったまま見ることにした。


「な、何弾こうかな。……何がいい?」

「めぐる先輩が好きなのが聴きたいです」


 何とは言わずにそう伝えたら、月無先輩は晴れやかな表情で言った。


「そっか!」


 勿論決まっている。

 座る位置をもう一度調整して、すぅっと深呼吸して、鍵盤に手を置いて……。


 優しく綺麗な和音から始まった曲はFF7のメインテーマだった。

 落ち着いたイントロを過ぎ、雄大な景色を想起させるような和音がスタジオ内に広がると、「わぁ……」と夏井が声を漏らした。

 ピアノコレクション版のアレンジもさることながら、その弾きこなし方は息を飲む程のものに違いない。

 美しい情景だけでなく楽しさや不安まで、冒険のあらゆるものが渾然一体となったゲーム音楽屈指の名フィールド曲。それを見事な緩急で表現されてしまっては夏井の反応も当然だ。


 情感たっぷりに静かに曲の終わりが歌い上げられると、自然と拍手が生まれた。

 余韻にしばし浸ったあと、それが残ったままに夏井が声を出した。


「すごいです月無先輩……」

「そ、そうかな? ……なんか照れちゃうな」


 本気の感動が伝わると、照れつつも嬉しいというように身をよじった。


「これって、何の曲なんですか!?」


 そして夏井の質問に、言い澱むことなく笑顔で答えた。


「ゲームの曲だよ! これはファイナルファンタジーの曲!」


 感心するように、納得するように声をあげて、夏井はもっと聴きたいと催促した。


「オッケー! じゃぁ今日はFFⅦの魅力を存分に思い知ってもらおう!」


 月無先輩が快諾して再び白鍵に目を落とすと、示し合わせることもなく静寂が訪れた。


 今度は単音の儚い高音域のアルペジオ、音が降り注ぐようにして始まったのは『星降る峡谷』。

 原曲の坦々と進む民族音楽的フレーバーもたまらないが、ピアノコレクション版はそれを踏襲しつつ感情豊かに仕上げられている。

 ただのBGMではなくその場面で起きた全てのドラマを物語るかのようなアレンジは、一つの楽曲として凄まじい完成度だ。


 月無先輩はきっとこの曲が流れる場所、コスモキャニオンで起こるストーリーがとても好きなんだろう、プレイヤーでもあるからこその感情移入が音を通して伝わって、共感を越えて追体験するような気にさえさせた。

 曲が終わるころには一生モノの体験をしたとさえ思えた。


「……この曲すごくカッコいいです。ドラマチックなのに元気出る感じがして!」


 拍手をしながら夏井がそう言った。

 まとまらない感想を思いつくままに続ける姿が、筆舌に尽くしがたい感動を物語った。


「フフッ、嬉しいなぁそう言ってくれるの。あたしこの曲大好きでさ。途中の淋しくなるとことか、ストーリー思い出してつい感情こもっちゃうんだよね」

「『偉大なる戦士』のテイストもあるのがいいですよねこれ」

「そう! あのシーンほんと泣けるしさ~。名曲すぎるよね」


 自分も元々大好きで、共感も人一倍だった。

 ついつい盛り上がってゲームの話題に脱線してしまい、ブーゲンハーゲンの名前が出たあたりでちびっ子二人の視線を感じて妙な空気になった。


「ふふ、いつまでも喋ってられそうだよね二人とも」

 

 そんな言葉を受け、誤魔化しついでに月無先輩がリクエストを聞くと、


「バトルっぽいの」


 っと春原先輩から要望が出た。

 意外……でもないか。この人結構勝負事好きだし血気盛んなんだよな。


「おっけー。じゃぁ~……『闘う者達』かな!」

「あ、それなら」


 待ったをかけた。

 この曲に関しては羞恥心など無視してお願いしたいことがあった。


「横で見ていいですか? どうやって弾くのか見たくて」

「……いいよ!」


 ピアノコレクションズのCDは何度も聴いたし、音符で真っ黒な譜面も見たことがあるけど、難しすぎて弾く気になれないのでせめて、いやどうしても弾き方を見てみたいのだ。

 鍵盤が見える位置に移動すると、


「ス、スーちゃん達もこっち来て見るといいんじゃないかな!!」


 恥ずかしまぎれに全員を呼び、再び鍵盤に手を置いた。


 演奏が始まると圧倒的な迫力にのまれた。

 重厚な和音とフレーズだけでなく、88鍵盤をフルに使おうかというほどダイナミックな動きは視覚的な驚きもこれまで以上。

 指の動きを見ようにも凄すぎて参考にならないシリーズだけど、クラシックの名曲にも劣らない、どれだけ凄いものかはよくわかる。


 超然として絶対的な月無先輩、初めて手にした憧れを確認するかのように鍵盤から目を離して顔を見ると、意外なものが目に飛び込んだ。

 

 ……月無先輩は笑っていた。

 今まで弾いてくれたどれよりも難しい曲なのに、ピアニスト然とした眼差しや凛々しさを纏った表情ではなく、いつもの笑顔で楽しそうに弾いていた。

 鍵盤上での指の動きを見たかったハズだったのに、結局それに囚われてしまったまま、演奏は終わった。

 

「フフッ! どうだったかな!」

「え? あ、あぁ本当にすごかったです」


 こちらに勢いよく振り向いたので、反射的に目を鍵盤に逸らしてしまった。

 何ともわからない視線を感じたが、月無先輩はすごいすごいとはしゃぐ夏井に「カッコいいでしょー」と自慢げに曲を褒め、その魅力を語った。

 

「なっちゃんありがとね」

「へ? 何がですか?」


 そして月無先輩は感慨深いような語り口で、夏井に感謝を述べた。

 少しためて、また口を開いた。

 

「あたしね。……人にちゃんとゲーム音楽弾くのを聴いてもらうのって、白井君以外これが初めてなの」


 ……思い返せばそうかもしれない。

 春原先輩や秋風先輩には弾いてる姿は見せたことがあったけど、こうしてピアノソロでガッツリっていう機会は確かになかった。


「だから嬉しくって! 本気で弾いたゲーム音楽がこんなに気に入ってもらえてさ!」


 これは言葉の額面以上に嬉しいんだと思う。

 ゲーム音楽好きを隠したままだったら、いつまでも聴かれることはなかった……月無先輩がそれを好きなだけで終わっていた。

 そんな大好きな曲達をここまで気に入ってもらえたんだから、きっと演奏中の笑顔も、本当の自分を全部曝け出せた喜びの表れだったのだろう。


 何でもないように始まった気軽な演奏会のようでも、月無先輩にとっては本当に大きな晴れ舞台だったのかもしれない。

 それを思うと込み上げてくるものがあった。


「私こそありがとうございます! こんなにいい演奏が聴けるなんて、一生の思い出です! ……ファンになっちゃいました!」


 夏井は夏井なりの最高の敬意を示すようにそう言った。

 だが譲らんぞ、ファン一号は俺だ。


「ふふ、よかったね、めぐるちゃん。私も今日聴けてよかった」

「て、照れるなぁ。……曲がいいからだよ! それに、これピアノソロ用のアレンジだし、いいに決まってるしさ!」


 月無先輩は割と本気で曲のおかげだと思っている。

 あんまり謙遜しないタイプだし、なんというか、曲に対する敬意が異常。

 らしいなぁ、なんて思っていると、夏井がふと言った。


「でもゲーム音楽って良い曲多いですよね。この前までちょっとしか知らなかったんですけど、皆でゲームしてる時から思ってました!」

「え、ほんと!?」


 そして月無先輩はこちらに振り向き……


「やったよ白井君……なっちゃん素質ある」

「……よかったですね」


 ……なんかさっきスタジオ廊下で染めたいような発言してたしな。


「ふふ、めぐるちゃん、今私と吹先輩だけだし、ホーン三人目欲しいんじゃない?」


 春原先輩がそう言うと、月無先輩はすぐに察し、意気揚々と声に出した。


「なっちゃん!」

「はい! な、なんでしょう?」

「ゲーム音楽は気に入ったかね!?」


 ……もったいぶるのかここで。でもちょっと調子に乗ってるの可愛い。


「気に入りました! 今日ので特に!」

「ならば! ……フフッ! あたしと一緒にゲーム音楽やらない? 合宿のお楽しみライブで!」


 月無先輩が屈託のない笑顔で誘いの言葉をかけると、夏井も驚きながらも、


「いいんですか!? 是非! ……嬉しいです。やったぁ!」


 全身で喜びを体現するかのようにして快諾した。


 最大限の魅力を見せつけて、本気で気に入ってもらえての加入。

 春バンドの間はあまり接点がなかった二人だというのに、性格の相性も相まってか、もうすっかり親友というように楽しそうに笑い合っていた。



 ――夏井なつい さき(妹)が仲間になった!



「めぐるちゃん、嬉しいのはわかるけど、やりすぎちゃダメだよ?」

「だ、大丈夫! 染めようなんて思ってないから!」


 ……思ってたな。


「ふふ。白井君可哀相だしね。ゲーム音楽仲間が他にできちゃったら」


 ……またそういうこと言う。

 春原先輩も思い出したようにつついてくるんだよなぁ。


「大丈夫! 白井君は特別だから!」


 またそういうこと言う!

 

「……特別ってアレだからね! 弟子だからね! 鍵盤パートなわけだし!」


 ……もうこの人最近わざとやってんじゃないかってくらい自爆多いな。

 

 夏井も察したのかそれ以上つっ込むことはなく……苦笑いを浮かべていた。

 




 隠しトラック

 ――煽り性能 ~スタジオにて~


「月無先輩って、何でも弾けるんですか!? ゲーム音楽!」

「何でもってわけじゃないけど~……好きな曲はほとんどかなぁ」

「……す、すごい。何曲くらい弾けるんですか!?」

「そうだね~……何曲弾けるんだろ。何曲弾けるんだろうねあたし」

「いや俺に聞かれても……楽譜書いたの数えたらどうです?」

「その手があった! ……帰ったら数えてみよう」

「今日持ってきてないんですか? 一冊分の曲数あれば計算でき」

「やめて」

「ガチのやめてじゃないですか」

「……何をですか?」

「ほら! なっちゃん興味持っちゃった!」

「……もういいじゃないですか。どうせそのうち、ですよ」

「むー……」

「気になります! あ、譜面ですか!?」 


「もう観念しましょう」

「むー……笑われたら恨むからね白井君」

「わくわく、です!」

「……じゃ~ん。……めぐるノ~ト~」

「うわ」

「今スーちゃんうわって言った!」

「気のせい。見せて。……え、すごいこれ全部手書きだ」

「……すごいですぅ。しかもこれ一冊まるごと……!」

「今何冊あるんです?」

「最近15冊目に突入した」

「「「え!?」」」


「はぁ~すごい……ありがとうございました!」

「フフッ。喜んでくれて嬉しいな!」

「ところで気になったんですど!」

「なぁに?」

「なんでめぐるノートなんですか!?」

「そ、それは……あたしの名前からただ付けただけで……」

「なるほど……可愛いですね!」

「あ、あははそうかな」


「……ディスってるようにしか聞こえませんね」

「……あれ全く悪気ないよ」


「あと、何で曲名がたまにロゴみたいになってるんですか!?」

「そ、それは……曲名も気合い入れて書きたいからさ!」

「なるほど……確かに弾く時やる気出そうです!」

「そ、そう? わかってくれたなら」

「でもスー先輩何で笑ってたんでしょう? カッコいいのに」

「……」


「……ほらこっち見てふくれてますよ。むーって」

「……事の発端は白井君のせい」


「筆記体とかも練習したんですか!?」

「いやそんなことは……」

「サインみたいなのもありましたし!」

「……しました! たくさん練習しました! カッコよく書くために!」


「自暴自棄になってますね」

「流石に可哀相になってきたね」


「今度他のも見せてもらえますか!? もっと見てみたいです!」

「い、いいよもう全部見せてあげる! 楽譜見たいんだもんね! 仕方ないね!」

「顔赤いですよ?」

「あたし元からこんな色だから!」


「……スー先輩、タオル持ってます? 白いの」

「……楽器拭くクロスなら」


 セコンドもついに見かねた。



*作中で名前が出た曲は曲名とゲームタイトルを記載します。

『F.F.VIIメインテ-マ』――Final FantasyⅦ

『星降る峡谷』――Final FantasyⅦ

『闘う者達』――Final FantasyⅦ


 今回作中で月無先輩が演奏したのはいずれもピアノコレクションズのものです。

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