第36話・ピョンピョンピョンピョコピョコピョコン(バェェバェェ)
ピヨーロール神殿はポンポンが思った通りの真っ白な神殿でした。
まあるくて、てっぺんだけ尖った屋根の建物が真ん中にあって、左右にもてっぺんだけ尖ったまあるくて、少し小さい屋根の建物がひとつずつあります。神殿の正面には白くて大きな五十段の階段があって、その横は水路になっています。水路にはきれいな水が流れていて、そこで何か丸いモコモコしたものがバシャバシャ水遊びをしながら歌っています。
ピョンピョンピョンピョン
ピョコピョコピョコン
まんまるの~モコモコだ~
ピョンピョンピョンピョン
ピョコピョコピョコン
コロンコロンコロン
コロンコロンコロン
ピョンピョンピョンピョン
ピョコピョコピョコン
まんまるの~モコモコだ~
ピョンピョンピョンピョン
ピョコピョコピョコン
コロンコロンコロン
コロンコロンコロン
ワーオ!
ピョコンピョコンピョコン
コロンコロンコロン
バェェはそれがとっても楽しそうに見えたのでしょうね。
「バェッバェッ」と言いながら近付いていって、ボヨンボヨンと跳ねながら丸いモコモコしたものと一緒に歌い始めました。ポンポンは横で見ていたのですが、思わず手拍子をしてしまいました。
ピョンピョンピョンピョン(バェバェ)
ピョコピョコピョコン(バェェバェェ)
まんまるの~モコモコだ~
ピョンピョンピョンピョン(バェバェ)
ピョコピョコピョコン
コロンコロンコロン(パチンパチン)
コロンコロンコロン(パチンパチン)
ピョンピョンピョンピョン(バェバェ)
ピョコピョコピョコン(バェェバェェ)
まんまるの~モコモコだ~
ピョンピョンピョンピョン(バェバェ)
ピョコピョコピョコン(バェェバェェ)
コロンコロンコロン(パチンパチン)
コロンコロンコロン(パチンパチン)
ワーオ!
ピョコンピョコンピョコン(バェェバェェ)
コロンコロンコロン(パチンパチン)
パチパチパチパチ。最後はみんなでうれしそうに拍手をしながらぴょんぴょんボヨンと跳ねました。
丸くてモコモコしたものは、モコモコした体をしていますが、長い耳が2つついていて、大きな歯が出ているので、どうやらウサギさんのようです。
「うわ!」丸くてモコモコしたものが突然ポンポンとバェェの方を見て大きな声を出しました。
「うわ!うわ!うわ!なんだおまえたち!!」そう言って、丸くてモコモコしたものは水から出て神殿の正面の階段までゴロゴロと転がっていきました。
ポンポンとバェェは突然のことにとってもビックリして、丸くてモコモコしたものを見ていました。
「うわ!うわ!うわ!ビャンビャンさま!ビャンビャンさま!!」
そう言って丸くてモコモコしたものはピョンピョン跳ねて神殿に飛んで行ってしまいました。
ポンポンとバェェはとってもビックリしたので、しばらく呆然と立ち尽くしていました。
「あれ…今の、神殿の子かなぁ…?」
「バ、バェ…」
「神殿…行ってみようか…?」
「バェ…」
ポンポンとバェェは呆然としたまま神殿へと続く五十段の階段をのぼって行きました。
神殿の中はまるい部屋になっていて、真ん中に銀色の敷物が敷いてありました。その両側には神殿に来た人が座る三人掛けのイスが10個ずつ並んでいます。銀色の敷物のつきあたりには、透明で大きな玉が置いてある祭壇と、その後ろに七色柳のようなキレイな木の女神さまの像があります。先程神殿に飛んで行った丸くてモコモコしたものは祭壇の大きな玉のとなりにいて、祭壇に立っている真っ白い服に真っ白い長い髪と真っ白いおひげで杖を持ったおじいさんに何やら早口で話しかけています。
「ビャンビャンさま!ビャンビャンさま!あいつらだ!!」
おじいさんは、とっても嫌な顔をしてから丸くてモコモコしたものに言いました。
「ピョンピョン!何度言ったらわかる!?わしの名前はビャンビャーだ!それにここでは、わしのことは司祭と呼べ!!」
どうやら丸くてモコモコしたものはピョンピョンという名前で、おじいさんはビャンビャーという名前で、このピヨーロール神殿の司祭様のようです。
「司祭様こんにちは。あたしはポンポンです。こっちはバェェです。」
「バェェ」
ポンポンとバェェは司祭様に、ちょこんと1回頭をさげました。
「お前はメリーベール村の色の魔法使いだな」司祭様はポンポンとバェェを見下ろして言いました。
「そうです。この神殿には白い色があるはずなので、もらいに来ました。」
「そうか。白を取りに来たのか…。」司祭様は目を細めてそう言いました。
「ビャンビャンさま!ビャンビャンさま!こいつバラのなえもってる!!」ピョンピョンが、ポンポンの持っているバラの苗に気付いて大きな声を出しました。
「ピョンピョン、黙っとれ!」ピョンピョンは司祭様に怒られてしまいました。
ポンポンは司祭様にジャムとバラの苗を渡しました。
「これ、ポーツネール村のジャムとバラの苗です。司祭様に渡してって言われたの。」
「ほう…。これはいい苗だ。」司祭様はさらに目を細くして、ジャムとバラの苗を受け取りました。それからポンポンにこう言いました。
「この祭壇のこの玉に魔力を込めなさい。そうすると白が手に入るはずだ。」
「ありがとうございます。」ポンポンはちょこんと1回頭をさげました。
「わしはあっちの部屋にいる。神殿の大事な用事があるからな。わしが出てくるまで絶対に部屋のドアを開けたりしないように。ピョンピョン、よく見張っとれ。」
「はい!ビャンビャンさま!」
「ビャンビャーだ!何度も言わすな!!」ピョンピョンの元気のいい返事に司祭様はまた嫌な顔をしてから、ジャムとバラの苗を持って、そそくさと隣の部屋に行ってしまいました。
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