第32話・金色の青きイカズチ、お茶会に生涯をかける。

「我こそは気高き戦闘民族ペヨポポポースの金色の青きイカヅチことペヨヌース3世である!そう方ことそなたはこの神が造り賜いし天空への入口ことゴマーベールの塔の侵入者であろう!この金色の青きイカヅチことペヨヌース3世が即刻、天罰がごとき制裁をその方こと侵入者に加え、成敗してくれようぞ!!」

ゴマーベールの塔の四階には戦闘民族ペヨポポポースがいました。

ポンポンはなんだかとってもグッタリしました。

槍を向けてくるペヨヌース3世に、ポンポンは侵入者ではないことを伝えました。

「ちがうよ。しんにゅーしゃでも、決闘しに来たんでも、修行しに来たんでもないよ。」

そう言われてペヨヌース3世は、ペヨン・ポロロロヌスのように慌てふためきました。

「なん…なんだと…なに…、え…なんなんだ、そなた…え…なに…え…そなたは…なんだ?」

ポンポンはペヨヌース3世が向けたままの槍が危ないので両手をあげて一歩下がりました。

「はっ…!そなたのつけておるその腕輪は…!!」ペヨヌース3世はポンポンがつけている七色柳の腕輪を指差しました。「もしや、その腕輪は、聖地トンギース島の秘宝、七色柳で作りし腕輪ではあるまいか!?」

「うん、そうだよ。ペヨン・ポロロロヌスがくれたの。」

ペヨヌース3世は、それを聞くと、槍を下ろし床に跪きました。

「そなたは、かの聖地トンギース島に行かれたのか?なにゆえ、神の子たるペヨン・ポロロロヌスはそなたに秘宝である七色柳の腕輪を授けたのか、我ことペヨヌース3世に教えてはもらえぬか?」

「んーっと…」ポンポンは、ちょっとだけめんどくさいなあと思いながら答えました。「オシーゲの大渦にハートをあげたらトンギース島に行けたの。で、トンギルポヨス像に鍵をさしたら茶色いのが吸い込まれて、あの、青い、太陽みたいな池?が、戻ったから、ペヨン・ポロロロヌスが腕輪をくれたの。」

ポンポンはだいぶ簡単に説明しましたが、ペヨヌース3世にはそれでじゅうぶんだったようで、滝のように涙を流し始めました。

「そなたは…我等ペヨポポポースの命の源である青き太陽の池を蘇らせてくれたのか…!すなわち、そなたは我等ペヨポポポースの命の恩人といえよう!その恩人に向かい!知らぬとはいえ、命の恩人に対し、我ことペヨヌース3世、何たる狼藉!!我ことペヨヌース3世、斯様なままでは先祖に顔向けするわけにも、聖地トンギース島へおめおめ帰るわけにもいかぬ!!しからば我ことペヨヌース3世、今ここで腹を切って、そなたこと命の恩人に詫びてしんぜよう!!!」

ペヨヌース3世は持っていた槍を、サッと自分の方に向けてお腹に刺そうとしました。

「わー!!やめて!やめて!!ダメだよ!!なにしてんの!?」ポンポンはペヨヌース3世が槍でお腹を刺さないように、ペヨヌース3世の槍をつかんで止めました。

「後生だ!止めてくれるな!後生だ!!」ペヨヌース3世はなおも槍を自分のお腹に刺そうとします。

「やめて!なんでそんなことするの!?やめてよ!!」ポンポンはビックリして泣いてしまいました。

それを見て、ペヨヌース3世は少しだけ槍を持つ手をゆるめました。「し、しかし…」

「ほんとにやめてよ…。」ポンポンはゴシゴシと涙をぬぐいました。

「あたしはここに紫色を取りに来ただけなんだよ…。」

「さ、左様か…」ペヨヌース3世はようやっと槍を手放しました。「しかし、このままでは…。何か我ことペヨヌース3世にできるお詫びの証はないか?」

「そんなん、いいのに…。あっ!じゃあ、この塔の三階に白くまさんがいるでしょ?下の階の。白くまさん、退屈してるみたいだから、一緒にお茶を飲むお友達になってあげて?」

「そ、それで、我ことペヨヌース三世は許されるのか…?」

「もちろん!」ポンポンはにっこり笑いました。

「さすれば我こと金色の青きイカヅチことペヨヌース3世、全身全霊をかけ、白くま殿とのお茶会に生涯をかけ、そなたこと、慈愛の化身の恩義に報いようぞ!」

「ん…、うん…?うん。そうだね?うん…。」ポンポンはペヨヌース3世の言っていることがよくわからなかったので、なんとなく返事をしました。


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