第20話・おじじ様のニコニコ笑顔は意地悪のサイン。
「おじじ様、ただいまー!!」
「バェェェェ」
「おお、戻ったか。順調そうじゃな。」
おじじ様はポンポンの杖と髪を見てからうれしそうにこう言いましたが、ポンポンの耳飾りを見て少しだけ目を丸くしました。
「ポンポンよ、その耳飾りはキンティールのばばのか?」
「そうですよ。髪の毛を少しだけあげたら作ってくれました。この七色はあたしの髪の毛なんですよ。」
「そうか、そうか。あのばばがのう。」
そう言っておじじ様はおひげを撫でながらコクコクとうなづきました。
「ところでポンポンよ、どこまで集まった?みどり色あたりか?」
「そうです。みどり色まで集まりました。」ポンポンは地図を広げポコっとふくらんで小さく光る丸を順に指差しながら説明し始めました。
「まず、バンパルネールの森のギムナージュの泉で黒が取れました。ここでは泉の中の藻からハートの泡がいっぱい出てくるし、妖精さんは気持ち悪いし、大変でしたよ。
黒が取れてすぐに泉からサンサーンの湖に行きました。ターレンスの像から青色が取れたんですけど、そのためにアメーリアの祠まで鍵を取りに行きました。
ションシャンシャンの都でキンティールのおばば様にトンギース島への行き方を聞きました。あのおばば様は、すごいですね。あたしのこと、なんでもお見通しで、おじじ様みたいでしたよ。おばば様にサンボーラの祠によって鍵を持って行けって言われたので、取りに行ってからオシーゲの大渦に行きました。
オシーゲの大渦はギムナージュの泉の藻のハートでなんとかなりました。ここで黄色でしたね。太陽のまばたきみたいにバチンバチンって黄色が飛んできましたよ。
それからバェェに乗ってトンギース島まで行ってきたんですけど、着いてすぐあたしもバェェも捕まっちゃったんです。トンギース島の人達って、すぐ戦いたがって、あたしとバェェのことを島に攻めて来たとか、決闘しに来たとか、修行しに来たとか言って、ぜんぜん話を聞いてくれなくて大変でしたよ。でもまあ、そこにあったトンギルポヨス像から茶色が取れて、青い太陽の池も復活したんで、なんかみんな喜んでくれましたよ。
それから、そこのクドゥリ苔塚でみどり色だったんですけど、バェェが苔をいっぱい食べちゃって大変でした。おばばがくれた苔の髪飾りと苔の舞で許してもらえたんですけどね。
そんな感じですね。」
「そうか、そうか。」おじじ様は満足そうにおひげを撫でました。「これであと半分じゃな。」
「はい。あとは、火山で赤色、砂漠で橙色、山脈で桃色、塔で紫色、神殿で白ですね…なんか、今までより危険な感じがしますよ…?」
「バェェ…」
ポンポンとバェェは不安そうにおじじ様の方を見ました。
「まあ、まあ。大丈夫じゃろう。」
おじじ様は、やっぱり嬉しそうにおひげを撫でました。
おじじ様はポンポンの耳飾りをじっと見て、こう言いました。
「その耳飾りは、ゴマーベールの塔で役に立つはずじゃから、そのまましっかり着けておれよ。」
「キンティールのおばば様にも、ずっと着けてろって言われましたよ。ゴマーベールの塔に何かあるんですか?」
「それは行ってのお楽しみじゃ。」
おじじ様はとってもニコニコして答えましたが、そのおじじ様のニコニコ顔はとっても意地悪な時の顔だとポンポンはすぐに思い出しました。
そうゆう時のおじじ様は、どんなにしつこく聞いても絶対に教えてくれないので、ポンポンはもうこれ以上考えないことにしました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます