しんでれら
むかーし、むかし。
あるところにイエイヌという少女がおりました。
イエイヌは、小さい頃に両親を亡くし、
親戚の所で暮らしていました。
ある日、イエイヌは親戚の知り合いの所に
引き取られる事になりました。
これからは幸せに暮らせる。そう思ってましたが・・・。
家では、三姉妹に酷い扱いをされていました。
「アンタはこの家のヤツじゃないんだから、
広い部屋は勿体ないわ。屋根裏の部屋を使うがいいわ」
そうキツく言うのは次女のカラカルです。
「そうだよ(便乗)」
いつも便乗している池沼は三女のサーバル。
「...とりあえず言った通りにした方がいいよ」
こっそりと、そうアドバイスするのは長女のキュルルです。
カラカルに部屋を奪われたイエイヌは、仕方なく屋根裏部屋で暮らす事に
なってしまいました。
「ああ、どうしてこんなことになるんでしょう...」
肩身の狭い思いをしておりました。
ある日のこと。
3人の母であるかばんは3人に言いました。
「今度、お城で舞踏会があるんだって」
「ぶどう狩り?」
「バカね、サーバル。武闘会でしょ」
「いや...、舞って踏む方なんだけど...」
その話をイエイヌはこっそり聞いておりました。
3人が去った後、かばんに尋ねました。
「あ、私も舞踏会に行けるんですか...?」
「行きたいの?丁度転売しようと思ってたけど、いいよ。
私の分の招待状をあげる」
イエイヌはかばんから招待状を貰いました。
「ありがとうございます!」
彼女は舞踏会の日までとてもワクワクしていました。
しかし、その当日。事態は急変します。
夕方頃イエイヌの部屋に入って来たのはカラカルでした。
「ちょ...、なんですか?」
「アンタ、母さんから招待状貰ったでしょ」
「も、貰いましたけど...」
そういうとカラカルはイエイヌに飛びかかり、
招待状を探り始めました。
「やめてくださいっ...!」
無理やり招待状を奪い取ると、目の前で破り捨てたのです。
「何するんですか!?」
「あんたみたいな使用人が舞踏会なんて来るのは失礼よっ!
精々ここでキャプ翼でも見てなさいっ!」
そう吐き捨てると、ドアに鍵を閉めて出て行ってしまいました。
「ああ、どうしてこんなことに...」
イエイヌは頭を抱えました。
母親はこの時間はネトゲに熱中する為、呼んでも出てきません。
「あっ、そうだ」
イエイヌは電話があることを思い出しました。
とある電話番号に掛けました。
「あ、もしもし...?」
待つこと数十分。
唯一の窓から、トントンと音がしたので開けました。
「こんばんは~!万事屋センちゃんですよー!」
「助かります。センザンコウさんアルマーさん」
何とか2人の助けを借り部屋から脱出出来ました。
「ありがとうございます。
報酬は後で送るので、舞踏会の会場まで送っていただけますか?」
「あー、車ないんだよね」
センザンコウが言います。
「お金ないから、仕方ないね」
オオアルマジロも言いました。
「...まあいいです。早く行きましょう」
3人は急いで会場へ向かいました。
森の中を歩いていると、暗闇の中に怪しげな光を見つけました。
「お前たち」
「何処に行くんだ?」
「わー!センちゃん!事案だよ事案!不審者だ!!」
オルマーが騒ぎ立てます。
「落ち着いて!」
「不審者じゃない!」
「なんですか?警察呼びますよ」
「ん゛ん゛っ!!私はカンザシフウチョウです。
見た所によると、舞踏会に行こうとしてるんですね」
「ゴホンッッ!!私はカタカケフウチョウです。
見た所によると、あなたは舞踏会に行くような用意が出来ていない」
「だから私達が魔法をかけてあげましょう」
「ただし、今日の0時の鐘が鳴り終わってしまったら、魔法が解けます。
注意してください」
「時間無いから早く掛けるならさっさと掛けてください」
少し苛立ちながら言った。
「「はい、てじなーにゃ!」」
「ねえ、センちゃん。ネタ古くない?」
オルマーが言います。
「しょうがないでしょ。もうネタ切れなんだよ。
それに作者がかばんちゃんになって火山灰を集めた後、
何故か持っていた蛍光灯から出火して大爆発起こすっていう
頭狂いそうな夢見る程疲れてるんだよ」(※実話です)
イエイヌはドレスを着た姿になりました。
「あれ、私達は?」
「あー、考えるのめんどくさかったんで、車用意したんで自由に使ってください」
なんやかんやあって、イエイヌは舞踏会に訪れました。
「タイリク王子ー、何かいい子見つかりましたー?」
「なあ、台本読んだけどさ、採用理由が同じ目をしているからって、
適当すぎないか?」
「いつも悪役とか殺され役に回ってるよりはマシじゃないですか。
『今回は死なないから、安心しろよ~!』という作者からのメッセージもあるし」
「ノーギャラで色々やってんだから...。焼肉でも奢ってほしいなあ」
「王子、今はそんな事より取り敢えず演技してください」
「はいはい...。
どいつもこいつも、同じような奴ばっかりだなぁー。どっかに良い人おらんかなー。
ん?なんだあの子は?声を掛けてみよう」
「あぁ...、もうクソ棒読みじゃないですか...。
これだから、2の出演が次回予告だけなんですよ。
後で演技指導しなきゃ(使命感)」
「ねぇ、サーバル、あの人って」
「あれえ、どっかであったかなぁ?」
「え?あの死亡フラグビンビンな王子のこと?」
「違うよカラカル...」
王子はその気になった子に声を掛けました。
「お嬢さん、一緒に踊りませんか?」
(うわめっちゃ棒読みの王子だなぁ...。まあいいか)
「いいですよ...」
遠目からその様子をアミメが見ておりました。
「うわヘタクソwwww
ジャパスタグラムに投稿して晒そうwww
あんなの国の恥ですよwwwww」
晒されてる事も知らずに、踊りを楽しんでいました。
すると、0時の鐘が鳴り始めたのです。
「ああっ、いけない!もう帰らないと!」
「待ってください、せめてキャッシュカードの暗証番号だけでも...」
「誰が教えるか!」
急いでイエイヌはお城から帰りました。
その途中、ガラスの靴を落としてしまうのです。
「この国の中でこのガラスの靴がピッタリ合う者を探し出せ!
一応、確認だ。アミメ、履いてくれ」
「ふざけないでもらえますか!?」
「だって台本に書いてあるんだもん...」
「先生のクソアドリブだって事はバレバレですよ。
茶番はよして、さっさと探しましょう...」
王子の命令でガラスの靴がピッタリ合う人を探すことになりました。
そして、イエイヌがいるかばん達の家にも、
ガラスの靴を持った使いがやってきました。
カラカルはこう思いました。
(如何にも死亡フラグビンビンな王子の玉の輿になって、
保険金かけまくれば遺産ガッポリじゃない!!
何としてでもガラスの靴を履かないと...)
「私は深夜まで荒野行動をしていたので舞踏会には行っていないんですよ」
「あの、あなたには聞いてないんですけど...」
キリンが目を細めて言った。
「僕はピッタリ合いそうにないですね...。サーバルは?」
「入らないやー」
「サーバル、靴だから手にやるんじゃないよ...。足だよ足...」
「もうバカは良いでしょ!」
無理矢理奪い取ると何とかしてカラカルは足を入れようとしますが、
中々入りません。
「ッチ...、ナイフで足を切ってやるわっ!!
是が非でも靴を履いて見せる!」
「ストップストップ!原作の原作要素はまずいですよ!」
キリンが必死に静止した。
「遺産を頂戴!!お金が欲しいのぉーッ!!!」
「大体主張が露骨すぎるんですよ!!!
お宅もっとマシな人ほかに居ないんですか!?」
「ちょっとぉ!?僕はマシじゃないか!?」
「まあまあ...。えっと、もう一人いますよ」
「私です!」
イエイヌが降りてきました。
「何で!?」
カラカルは無視して、キリンは靴をイエイヌに渡しました。
「さっさとやってください。
公務員なので残業代出ないんですよ...」
もちろんガラスの靴はイエイヌの足にピッタリ。
そしてイエイヌとタイリクは結婚することになったとさ。
(じゃぱりまんに毒を盛って遺産がっぽがっぽ、大金持ちですねぇ...!)
みんなも結婚を考えるときは財力に注目しようね!
めでたしめでたし。
けもフレ昔ばなし みずかん @Yanato383
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