しらゆきひめ

むかしむかし、あるおうこくに

自分が大好きな女王がおりました。

その女王は鏡に向かってこう尋ねるのです。


「鏡よ鏡、この世でいちばんカワイイのはだれ?」


鏡の中にデグーの姿が映りました。


「それはもちろん...、フェネック様ですよ」


「当たり前でしょ?Twitterフォロワー数3万人を舐めないでよね。3万人って言うのは、大体福島県本宮市の人口と変わらないんだよー?私のフォロワーで1つ市が出来上がっちゃうってすごいよねー。

さーってと、エゴサ、エゴサ...」


と、自分が世界で一番可愛いと思っておりました。

ある日の事、いつもの様に鏡に同じ質問をしました。


「この世で一番可愛いのはだれだれ〜?」


「それはもちろん...、アライさんです」


「は?今なんて言った?」


「それは、アライさんですよ。

今人気じゃないですか」


そう言うと、フェネックは鏡に顔を近付け、こう怒鳴りました。


「誰なのさ」


「え?街に住んでるこの子ですよ」


鏡はアライさんの姿を映しました。


「この...、洗濯してる子?」


「そうですね」


「あれが世界一可愛いの?」


「そうですね」


「...可愛いのは私!!」


「あっ、ちょっとどこ行くんですか?」


「街に決まってるでしょ!?

毒林檎を食べさせてやるのさ...」


邪悪な笑いをフェネックは浮かべました。


「あ、街に行くんだったらコンビニで

iTunesのカード1万円分を10枚買って」


「詐欺か!!ふざけないでよ!」


そのままブチ切れてお城を後にし、

街へ向かいました。


女王の命令で防犯カメラの数を一気に増やしたので、プライバシーもクソもありません。

専用端末から住所を特定し、アライさんの家へと向かいました。


トントン


「どちらさまなのだ?」


「どうも〜、私だよ私。覚えてないの?」


「いや、本気で誰なのだ?」


「小学校で一緒だったじゃん」


適当な嘘をつく。


「こんな人いたのか...?

まあいいのだ。何しに来たのだ?」


「新鮮なリンゴをお裾分けしに来たのさ」


「おお!それはありがたいのだ!

一緒に食べるのだ!」


フェネックは、アライさんの家に招かれました。


「そう言えば、なんて名前なのだ?」


(名前?名前...)


「えーっと...、サバクヒメギツネ」


「なるほど。切ってくるから、座って待ってて欲しいのだ!」


数分間、椅子に座って待ちました。


「お待たせなのだ!ウサギの形に切ってみたのだ!」


手先が器用で驚いた。

だが、これっぽっちも可愛いとは思わないでいた。すると、


「アライさんがあーんしてあげるのだ!」


「えっ!?何、唐突に!?」


笑顔を見せてリンゴを持つ、アライさんを見てフェネックは心を奪われました。


(あっ...でも...、笑顔は...

私より可愛いかも...)


「あーん!」


「あ、あー...」


口を開けてリンゴを食べました。


「美味しいのだ?」


「うん...とっても...」


(アレ?これって私が持ってきた毒林檎じゃ...)


「ぐああああああっ!!」


「サバクヒメギツネ!?」


フェネックは苦しそうにもがき始めました。


「毒がぁっ...!毒が...!」


「大丈夫なのだ!!今から人工呼吸をするのだ!」


と言って、アライさんは口をフェネックに近づけました。


(ああ...でも、可愛いこの子に人工呼吸されて死ぬなら...)


チーン...


「しっかりするのだぁあああ!!!!」




その後、アライさんの救護により...

というか実際、アライさんはリンゴを切る時に念入りに洗っていたので、毒は完全になくなっておりました。

命を救われたフェネックはアライさんとの結婚を決め、そして、幸せに暮らしましたとさ...。


みんなも、野菜や果物なんかを生で食べるときは、必ず洗って食べようね!


めでたしめでたし。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る