復讐のランニング・ホイール
山本て
1. 両雄並び立たず
平家が世の中を掌握してから間もなく清盛が死に、それから20余年がたったころ。ひとときは官位人臣をきわめ、わが世の春を謳歌した彼らの勢いも失われ、あとは没落の道をたどるばかりでした。
代わりに台頭してきたのは、東国の武士たちです。鎌倉に拠点をもつ、さきの
二人はイトコ同士にあたるのですが、互いをライバル視していました。まあ、どっちかというと、一方的に
さて、
石田「最近、心配の多そうなお顔をしておいでですな。それは、
頼朝「うん、まあ」
石田「確かに、最近勢いづいており、放ってはおけませんな。ワタクシに、あれを押さえるためのアイデアがございます。私は、
頼朝「ほう?」
石田「
頼朝「なるほど… でも、いくらなんでもそういう作戦は気が乗らん。もちろんライバルだし、目の上のタンコブみたいに思っているが… 平家を倒すのが我らの大義で、最優先事項だ。別に
石田はこの作戦が
石田「あざっす! アイアイサー!」
石田はやがて
その数年後、
石田「どうしたんです、
こうして
ただし、すっかり
「謀反の意志がこれ以上ない証拠として、子息・
養子とはもちろん建前で、つまり人質をよこせというのです。この条件を受け取った
石田「
対して、穏健派の代表は、今井四郎
双方の意見を黙って聞いていた
やがて目の前に現れた、若干14歳の少年、
すべての事情をのみこんだ義高は、臆することなく「はい」とのみ答えました。
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