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コミュ障が群像劇を描くには」への応援コメント


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    こんばんは。
    文化系ではなくて体育会系部活での話なのですが、もしよろしければ、お時間のある時に見ていただければ幸いです。
    わたしの思い出です。
    以下、一人称=ぼく。笑

    …………

    そのとき、ぼくは某大学医学部1年生だった。
    体育会のテニス部に入部したぼくは、同級生からも先輩からも、変わったヤツと思われていた。
    地方の公立高校出身だったから、かもしれない。
    それだけならべつに良かったんだけど、遅刻はするわ、ろくに走らないわ、先輩のマネをして上手くなろうとはしないわ、兼部していた軽音楽部ロックバンドのほうを優先して合宿を1日休んでしまうわで、「学年が上がってもレギュラーになれないだろうタイプ」、「まったく使えないヤツ」というレッテルを、早くも貼られていたようだった。

    男子テニス部のキャプテンは、それはそれは素晴らしい人物だった。
    都内有名私立進学校から現役で合格して、大学でも成績はトップ。
    まじめで厳しいけれど、下級生への気配りも欠かさない。
    明るくハツラツとしてプレーも粘り強い、5年生。
    ぼくは苦手だった。

    あるとき、キャプテンが唐突にぼくをダブルスの練習パートナーに指名した。
    いっしょに組んで、6年生ペアと試合をするのだ。
    とはいっても、基礎練習のようなゲーム。
    ダブルフォルトをしないとか、クロスのストロークはちゃんと角度をつけるとか、ボレーに出たら相手のふたりの真ん中を狙う(センターセオリー)とか、そういったダブルスの定石を確認して繰り返す訓練だった。
    30分くらいの試練を、ぼくは、なんとかこなすことが出来た。
    真剣さを伴った適度な緊張感で的確なショットを打てたのは、優等生へのぼくなりの対抗心ゆえだったかもしれない。

    キャプテンが驚くべきひとことを放ったのは、試合が終わった瞬間だった。

    「コイツ、使える!」

    それは、ぼくの進む方向が変わった瞬間でもあった。

    以後、次第に実力をつけたぼくは、新人戦でチームの勝利に貢献し、正規のレギュラーになり、幹部学年時には副キャプテンになった(キャプテンじゃなかったけど、笑)。

    ぼくは、あとで知ったんだ。
    優等生のキャプテンが同級生のある人物から「彼のことを頼むよ」っていわれていたことを。
    そのひとは、軽音楽部の先輩の女性だった。
    いったん他の大学を卒業してから医学部に入り直した、才能豊かな女性ボーカル。
    彼女は、こんなふうにいったらしい。
    「あたしの親友の彼氏なの。ベースも見込みあるのよ。音楽とテニスを両立させてあげてよ、お願いだから」

    ぼくは知ったんだ。
    自分が「ほめられて伸びるタイプ」だってことを。
    そして、キャプテンも軽音の先輩も、それを見抜いていたことを。


    おわり

    …………

    自慢みたいな長い駄文、すみませんでした。

    とここまで書いてきて、軽音に入っていたなら、それが文化系部活じゃん、と気がつきました。
    そっちを書かなきゃ、でした。笑






    作者からの返信

    文武両道の学生さんだったんですね、すごい。私はテニスが下手で、もともと球技は好きなんですが、道具を使ってボールを受けるというスポーツとはどうも相性が悪くて……(笑)。だからテニスができるっていうだけで尊敬してしまいます。私がやっても当たらないんだもんな、ボールが。ネット際でなら打ち返せるんですけど、大ぶりのショットが全然。

    そうか、良い先輩、指導者に恵まれるっていうのは大事ですね。
    軽音のほうも聞きたかったです(笑)。