第5話再会、運営からの呼び出し、妹

【■■】キリア・スレイ


俺は非常に気の抜けた声を出してしまった。

それはそうだろう。

ステータス、スキルはまだ納得がいくぞ。

ちょっと数値がおかしいけど・・・。

しかし、ストレージの中にあった物。

これはおかしいだろ。

―――【命断蜘蛛の魂】。

「もしかして・・・」

そう言って俺はソレを出した。

すると目の前で凄まじい光を放ち・・・

「まさか、生きていられるとは思わなかったぞ?キリアよ」

そう言って俺の目の前に現れたのは、黒目、黒髪の和風美少女だ。

「・・・へリス、なのか?」

「うむ、まさか人になっているとは思わなんだがの。はっはっはっ」

「笑い事じゃねぇよ。俺の感動を返せ」

「こうして再会出来たから、良いでは無いか」

全くこいつは・・・。

まあ俺も内心嬉しかった。もう会う事が無いと思った友にまた会えたからな。

「でもなんで、死ななかったんだ?」

「分からん。だが異常事態には変わらんじゃろ」

確かにこれは異常事態だ。

FWOのメインサーバーのプログラムには、このような事は起こらないようになっているはずだ。

だって俺の手元には討伐の証であるOBM特典があるんだから。

―――ピロリーン!

「ん?なんかメール来たんだけど?」

「フレンドでは無いのか?」

そう。他のコネクターとフレンド登録すると、相手とメール出来たり現在のコネクト状況が分かる。

もちろん知ってるが・・・

「いや、俺誰ともフレンド登録して無いけど?」

「もしやお主、ボッチか?」

違うわ、失礼な奴だな。

変に思いながらメールを見ると・・・

「え、運営から?」

運営からのメールだった。

メールにはこう書いてあった。

――――――――――――――――――――――――――

運営

あなた様にお伝えしたい事がございます。

もしよろしければ、この後本社まで来ていただけると幸いです。その際、あなた様の【アミュスギア】も持って来てください』

――――――――――――――――――――――――――

本社というのは、東京都心にある【リスライル社】の事だろう。

「えーと、今の時間は・・・夜の8:00か。明日、学校休むか。なんか、重要な話っぽいし」

良い子は真似してはいけません。

学校には、しっかり行きましょう。

俺は成績が良いから休んで良いのです。

「じゃあ、へリス。後で、また会おう」

「うむ」

そして、俺は初のFWOで大戦果を上げて、ログアウトしたのだ。





一方運営は・・・

「よし、こっちに来てくれるぞ」

「ああ、良かったよ。マジで良かった」

「来なかったら、俺達がボスに怒られるだろうからな・・・」

キリアが来る事に安堵していた。



【高校生】 斬咲 霧斗


そして俺は起きた。

「うーん、疲れたな」

体動かしてないのに、筋肉痛になった気分だ。

さて着替えないとな。

まあさくっと着替えて、俺はキッチンに向かった。

今は、両親が長期海外出張のためいない。

姉は去年から独り暮らしを始めた。

それからずっと俺が飯を作っている。

義妹がいるが・・・

「おーい、侑里ー。飯作ったから食べろよー」

「・・・・・・・・・・・」

答えは返ってこない。

義妹の名前は侑里。

母さんの妹の人の一人娘だったのだが、彼女の両親は交通事故で亡くなってしまった。

侑里は俺の家で預かっていたから無事だった。

それから侑里にこの事を秘密にしていた。下手に教えたら余りに酷だからだ。

しかし侑里は自分で気づいてしまった。

侑里はパソコンや機械類の弄るのが好きだった。

そんな中侑里は、家族歴を調べてしまった。そして気づいた。

『自分はお父さんお母さんの子じゃないんだ』と。

それから侑里はずっと引きこもってしまった。

父さんや母さん、姉さんにはまだ顔を見せていたらしい。

俺にはまったく見せてくれない。なんで?

「兄ちゃん、出かけてくるからなー。寝る前の鍵閉めはしっかりしておいてくれ」

「・・・・・・・・・・・」

無言。だけど気配から察するに了解しているようだ。

とりあえず俺はバイクに乗って駅に向かう。そこから東京都内に行き、リスライル社を目指す。

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