光の代償

春風月葉

光の代償

 彼はとても眩しく人だった。

 隣にいるだけで私が消えてしまいそうなほどに明るい人。

 彼は私にたくさんの光をくれた。

 それなのになぜ、彼は私を置いて自殺なんてしたのだろう。

 彼はたくさんの光と一つの影を私に残して消えた。

 伝えたかった気持ちは伝える相手を失い、私の中に残った。

 彼もこんな気持ちだったのだろうか。

 光を貰った私には気付かずにはいられない大きな影ができていた。

 私と共に消してしまいたいと、そう思うほどの暗く深い黒い影。

 私を照らす光はもういない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

光の代償 春風月葉 @HarukazeTsukiha

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る