第7話
夏になると東京、大阪へと就職や進学で地元を離れた仲間が帰省する。
ヒトによっては彼女を連れて帰って来たりと刺激的だったりする。
中にはその相手がメジャーなファッション誌を飾る読者モデルなんかだったりして皆のテンションが上がるのだが、地元で楽しくやっているだけの自分らの小粒感を目の当たりにする機会でもある。
こうやって夏に皆が集まる機会が出来ると川や海へ食材を買い込んでは足を運び昼間っから飲み食いするのが楽しみの1つでもあった。こういう日は皆でぞろぞろとスーパーへ買い出しに行く時点から楽しい。そんな場で昔の彼女の母親なんかに出くわすと、僕を見かけても笑顔で応じることもなく「いつまでもフラフラしやがって」とでも言いたげな眼差しを寄越すのでその度に僕も「見下すような目で見やがって。今に見ていろ」と奮起するのであった。
皆で値段も見ずに思い思いに食べたい物をカートに投げ入れる。
流石の女性陣は調味料や紙皿やカップなど実用的な物を手際良く選んではカゴへ入れ、その横でツレが得意げな顔を返すので「調子に乗るな」と思いながらも羨ましくて仕方がない。
異性の存在でテンションが上がる者がこういう場で羽振りが良くなるのは常でそれを良いことに僕ら学生陣は会計の場ではサッと姿を消しては支払いを託した。
帰省に付き合っている可愛い彼女達の前で細かいことを言わずに大盤振る舞いのその時だけは彼らが非常に男前に見える。
この日は清流傍の駐車場を兼ねた広場を陣取り昼間から炭で火を起こし肉や野菜、海鮮を焼きながらビールを飲んだ。
初めは皆で1点に集まって飲み食いしていたが、次第に思い思いの行動を取り始める。
少し離れた場所で泳いでいる女性に声をかけに行く者や下着姿で泳ぎ始める者。
服を着たまま川へ突き落とされる者もいる。
遂には男連中全員が川へ飛び込み始め、その様を女性陣が腹を抱えて笑いながら談笑していた。
それを意識して気を引きたいのかフルチンになって逸物を手で隠しながら方々を彷徨き始める者まで出てきた。
この日は読モもいるからと特にテンションが上がったのか、誰かがスイカを丸ごとカートへ乗せて、スイカ割りでもしようということになっていた。
ここでも思い思いのボケをかまして男連中が女性陣の笑いを取りに走る。
こういう悪ノリにテンションが上がらず便乗出来ないタイプの僕は後ろで似たような奴ら数人で「この後どうしようか」と話しながらそれらを横目にちびちびと飲んでいた。
最年長で今日のこの場のコストを握っていた先輩のけーくんもついつい酒が進んだのだろう、いつになく酔っ払っていて足元もおぼつかず呂律が回っていない。
皆でスイカ割りの棒で全く見当外れの方向目掛けて素振りをして笑いを取ったり、いじられキャラがおちゃらけて突かれていたりするのを余所に、何を思ったのかけーくんがスイカを目掛けて頭から突っ込んだ。
それはまるでサッカーでゴール前へ放り込まれたクロスボールへのダイビングヘッドさながらに。あるいは野球のヘッドスライディングとも言うべきか、いずれにせよスイカは粉々に砕け散りけーくんの顔はスイカの実と種で赤くぐちゃぐちゃに染まった。
僕ら男連中はカラダを張ったけーくんの渾身のボケに頭上に拳を突き上げ雄叫びを上げる。
反面女性陣はサッと引いた様子を見せながらも「何か吹くものを」とテーブル駆け寄って行く。
けーくんは顔に纏わり付いた無数のスイカの種が、何度手で払い除けても拭いきれない状況に痺れを切らしそうで、陸上にいるにもかかわらずまるで水中で溺れて息が出来なくなっているかのように苛立ちを隠せない様子だ。
女性陣の内の数人はその様子がツボだったのか、後ろを向いて堪える素ぶりを見せながらも手を叩きながらゲラゲラと笑い声を上げている。
当然そのスイカは誰も手を付けなかったが、酩酊状態のけーくんだけは急いで水分補給をするかのように餓えた様子でスイカに貪りつくので、先ほどまで笑いころげていた女性陣も含め呆れる様は酷かった。
場も白け切ったところで改めて「この後どうしようか」と話しながら片付けに入った。
どうしよう?と言ったところでその日の明け方まで知り合ったばかりのナナ達と乳繰りあっていた僕は帰って寝たくて仕方がないと言うのが本音だったのだが、片付けを済ませて皆で車に乗り合いその場を一旦退散しコンビニの駐車場に場所を移した。
僕の車には酒を飲んでないマサが運転席に座り、僕は助手席に。後部座席には弟のリョウとそのツレのユウキが腰を下ろした。
「コレどうするの?帰って良いの?」
マサが誰へともなく問いかける。
「帰って寝る。さすがに昨日寝てるなら街へ出たいけど今日はマジで無理」僕が気がないその意を添えて返す。
「オレは出ても良いんだけどな〜」
マサはいつになくノリ気だった。
いつも同年代連中中心に遊んでいる中では自分はどうやってもいじられキャラなことに不満を漏らしているコトは僕らの仲間内でも周知の事実であったし、「実際ツッコミどころ満載なのだから返って美味しい思いをしているじゃないか」と周囲の全員がダメ押し気味に重ねてツッコミたいのだがそれ以上は優しさからか誰も指摘はしないでいた。
それ故にこの場は僕を除けば歳下となると僕の弟とそのツレという、いつもと違ってマサ自身もこの場のイニシアチブを握れるポジションを取れると踏んだのだろう。
気持ちは分からんでもないが、そのために僕も眠気を圧し殺してまで外へ出るのかと言うと、いくら探してもそこまでする理由は見出せないでいた。
弟のリョウが僕へ問う。
「ってゆーか、いつも夜遅く出て明け方帰って来るけど何処で何して遊んでるの?」
「お前達もオレら位の歳になれば分かる」
「だって毎日出て行っていつも満足したような顔して帰って来るじゃん!」
「そういう風に見えてたのか(笑)」
「1回で良いからオレも連れて行って欲しいってずっと思っていたんだよなぁ(笑)」
「はぁ?本気で言ってんのか?」
「本当だって。マジでお願い!」
「オレも連れて行って下さいよ。本気でお願いします!(笑)」
「オレは別に行っても良いよ(笑)」
「マジふざけんな!今日行くって言ってんのか?もっとねーわ」
「マジでお願い、邪魔しないようにするし言うこと聞くから!」
「オレもです!」
リョウとユウキが懇願する横でマサが「何ならオレが一肌脱いでやろうか」と言わんばかりに得意げな表情を僕に向けてくるので腹が立った。
「じゃぁさ、1回帰ってオレの車に乗り換えようか。城西は本当アレだったら寝てても良いから」
「寝てるのに一緒に行く意味ねーだろうが。3人で行け!」
と言いはしたものの、歳下のメンツにコレだけお願いされたら期待に応えてやりたいという見栄と、昨日の今日と言うべきか今朝からの今とも言うべきかナナに連絡を入れてどうリアクションが返って来るかについては気にもなっていた。それにマサが車を出してくれるのならという想いも湧いてきた。
マサは家が金持ちなので自分は働きもしないのに高校卒業と同時に親から高級セダンを買い与えられ、親の金で燃料を注いではそれをブチ撒けるように派手に乗り回していた。
高級車のシートであれば悪くはない、限界が来たらシート倒して身を埋めて寝ていても良いかも知れない。
そもそもマサ単独では弟達にしてみても財布かアシにしかならない。
この場を何とか仕上げようと思えば僕の腕に全てが委ねられていた。
「本当に今日出る?」
「オレはオッケー!」
「マジで行きたい!」
「オレもお願いします!」
「分かった。じゃぁ電話1本入れてその結果次第。その相手がダメなら今日は無し」
「おっと、既にアテがあるのか…(笑)」
我がモノ顔で余裕の笑みを浮かべるマサの顔が心の底からムカつく。
僕はソレを他所に携帯を取り出し早朝に連絡先を交換したナナにコールした。
「出なければ今日は無しだ」という無言の期待も虚しく2コール目には電話越しにテンションの高いナナの声が応じた。
「もしもーし(笑)」
「何だ?テンション高いな、飲んでるのか?(笑)」
「せいかーい!(笑)」
「元気だな。昼間寝てた?」
「いやバイト出てたよー!(笑)」
「マジか…、何そのバイタリティー。今どこいる?今近くにいるって言ったら落ち合える?ってかツレもいるだろうし無理か(笑)」
「ツレもいるけど女2人でブラブラ飲んでるだけだから全然行けるよー!(笑)」
「マジか…。今日も風香と?」
「いや違う友達ー!可愛いよ、多分城西くん好きだと思う(笑)」
「何?そのオレのコト友達に任せちゃおうとしてる感じ。でも可愛いならラッキー。じゃぁ1時間以内に落ち合う感じで!」
「わかったー(笑) 多分T駅前ブラついてると思うから近くに来たら連絡してー!」
「ナンパされてもついて行くなよ(笑)」
「多分大丈夫ー(笑)」
電話を切った僕は既に行く気満々な状態で側で耳を澄ます3人にコトの詳細を告げる。
「取り敢えず行けるらしい。マサの車にこのまま乗り換えてT駅。1時間後!」
「マジか、さすが!20分で行く!(笑)」
「取り敢えず色々動き方ってのがあるからお前らはオレとマサに同調しながらそれとなく取り繕えな」
「何処の誰?オレ知ってる?」
「いや、今日の明け方ユウジがスタビで拾ってダムんとこの公園で3人で青姦したコ。今は別の可愛い友達といるって。なのでオレはそのコ行く」
「今朝...(笑) 」
「多分普通に皆ヤレると思うから上手くやれよ。そこ約束してくれないとオレは行かない。この話も無しだ」
「大丈夫、分かってるって!ヤレると分かってる相手と会うのかなり熱い!」
「絶対邪魔しないから行きたい!やっぱりそういうコトだったのか!(笑)」
「オレも約束します!ってかオレらもヤレるんですかね?楽しみです!」
そう言いながらマサの車に乗り換え、皆で期待に胸を弾ませながらT駅方面へ、マサが自慢のドライビングテクニックを披露しながら自慢の高級セダンをかっ飛ばした。
僕はその可愛い友達のコトが楽しみで仕方なくなっており、寝不足からか既にアレが反り勃ちそうで先ほどまでの気が乗らないテンションとは一変している自分を情けなく思いつつも、自分頼りな周囲の仲間達がまた好きになった。
マサの宣言通り、通常は4、50分はかかるT駅迄の道のりを20分と少しで辿り着いた。
マサの運転は飛ばしまくろうが安心感があって仲間内からは一目置かれていた。
以前も普通に運転すれば20分かかるような山道を7分で抜けるという荒業を成し得ていたが、1度だけ遠出した帰りに居眠り運転で派手に事故ったコトがあった。
僕は同席していなかったのだが助手席に座っていたジローが目覚めた時には仮設のガードレールの鉄柱がフロントガラスに浴びせかけられるような状況で、派手に工事現場に突っ込む瞬間だったと言う。
運転席に目をやるとマサがオデコをハンドルにくっつけるようにして眠っており、停車しても目を覚まさない死んだかのようなマサをジローが揺すって起こすと、一言目に発した言葉は「母さんに怒られる…」というお茶目なセリフを寝言のように吐き捨てたと、暫くは仲間内のネタになった。
車外に出て確認するとボンネットが捲れあがりそこに鉄パイプが綺麗の突き刺さっていたと言う。
仲間内では深夜にマサの運転で出掛けるとなるとこの日のことをネタに皆でマサをイジリはするものの、目的が目的だからか不思議と不安以上に期待にが上回ってか、事故を特段気にするわけでもなくいつもノリノリで街へ出掛けるのだった。
T駅付近でナナに電話を入れて車を停めた場所を告げ、僕だけが車外で待っていると、遠目からにも出来上がっていてテンションが高いと見て取れる千鳥足の2人の女性が目に留まった。
マサもいつになく気が大きくなっているのか、リョウとユウキの前で得意げに振る舞おうと車外に出ようとする姿がウザくてそれを制止し、一旦は僕だけが2人へ近寄って合流した。
「飲み過ぎじゃね?(笑)」
「そうでもない。弱いだけ(笑)」
「済みません、酔っ払っちゃってて(笑)」
ナナのツレと言うからてっきりギャル風女子がもう1人登場するのかと思いきや、黒髪にパチリとした眼をした女子大生風と言うか学校の先生でもしてそうな清楚風美女が少し赤く染まった頰を両手で隠すようにしながらペコリとお辞儀をしてきた。
「お、凄い。聞いてた通り可愛いじゃん友達!何て名前?(笑」
「ミハルです(笑)」
「だから可愛いって言ったでしょ!」
そう言いながらナナが僕にベタベタと触ってくるのでこちらも気にせず2人の肘を掴んで身を寄せ、皆の待つ車へと向かって歩いた。
ナナとは対照的に色白ながら、ミハルの出るべきところがしっかりと主張する様に突き出たスタイルの良さは、綺麗な顔の作りを更に後ろ立てしている。そのビジュアルの精度の高さに僕の士気も高まる。
「取り敢えず乗って(笑)」
車の後部座席のドアを開けて中へと促すとリョウとユウキが奥に詰めながら迎えた。
「初めましてー!」
「黒い方ががナナで白い方ががミハル」
僕が適当に2人を紹介すると男連中も思い思いに自分の名前を告げながらマサが再び車を出した。
マサが何かを言いたげに笑みを浮かべながら僕に視線を合わせる。
単純なマサの2人の容姿に文句が無いことだけは読み取れた。
「もっと飲みたい?」
「え?飲むー。飲もー!」
「じゃぁコンビニ寄ってH駅から少し行ったところの公園の駐車場にでも移動しようか」
「了解!」
マサが自慢げにハンドルを捌きグンとアクセルを踏み込む。
僕もマサも後部座席のナナとミハルに声を掛けながらも、それらの返す内容をリョウとユウキにも振りつつ全員が話題に入れるようにその場を取り繕う。
元々中味の無い問いかけなのでその辺りは自陣でボールを回しながら様子を伺うノリに近い。それとなくキャラを探り、この場のコミュニケーションのベースを作るようなものだ。
明け方同様にコンビニで適当に酒やスナックを買い込み、目的地となるH市のスポーツ公園の駐車場に車を停め、街灯の灯りの届くベンチにコンビニ袋を広げ、それを囲むように腰を下ろして乾杯した。
いつまでもダラダラしていられないので皆で円陣になってゲームをしながらテンポ良く飲み進めたが、元々余所で飲んでいた2人は既にテンションも高く程々に頃合いを見て王様ゲームに突入した。
開始早々王様になったマサがどう察したのか、僕とミハル2人に公園をグルっと肝試しをしながら周回してくるように命じてきたので2人で手を繋いでその場を離れた。
周回して来いとは言え、この広い公園を酔っ払ったまま本気で1周しようとしたらきっと迷子になるだろう。
それを抜きにしてもそれに従う気は更々無く、少し離れたベンチで「従っているフリをしよう」とくっついた状態で暫くの間待機しながら和むコトにした。
あの場を離れる前から少し気になっていたが、思いの外他の車の出入りが多く、スムーズにコトが運ぶにしても一旦場所を移した方が良いのかも知れない。
この場の目処をそうつけながらも自然に顔を寄せてキスをすると眼を閉じて唇の間から舌をねじ込ませて来たり、胸を堂々と揉んでも身を委ねてくれるコトに手応えを感じたのとほぼ同じタイミングで遠くからナナの声が響き始めた。
「ミハルー?」
「私も後を追いかける」と言い出しでもしたかのように執拗に声を響かせるので、周囲への配慮もしつつ一旦「キスしたの内緒ね」と秘密を共有するように告げて皆のところへ戻った。
戻りながらミハルも「ナナー」と大きな声を上げて応じ始めたので目立ち過ぎると、一旦はこの場から離れるコトをマサに打診した。
「ってかここ思ったより出入り多くね?やっぱダム行こうぜ!」
「確かにそれが良い。周りが気になって仕方ない」
「取り敢えず一旦車に乗ろうか」リョウとユウキも僕らの意向を読んでか、ナナとミハルを車へと促した。
マサが車を出して移動する間もナナもミハルも車内でキャッキャとハイテンションのままはしゃいでいたが、それに適当に同調しながら僕らもテンションを維持することに努めた。
ダムの周辺に辿り着くとナナに明け方と同じ公園だと告げると「来たことある!」と声を上げて意味不明に1人で盛り上がっていた。
事前にどれだけ飲んだんだと思いつつそれにも同調しつつ、「着いたらミハルと肝試しの続き行くー!」と僕もミハルを煽りマサ達にその意図を示した。
ミハルも「行くー!」と応じている。
ナナも「私もー!」と続くので機転を利かしたリョウとユウキが「ナナはオレと行こう!」と2人で取り合う様に遮り、マサも遅れながらそれに続いた。
公園へ停車してそれまでの流れを崩さぬ様、条件反射的に外へ出て後部座席のミハルを連れて適当に歩き始めた。
手を繋いで必要以上にくっつきながらベンチまで歩くと、ミハルがベンチへ寝そべったので上から被さる様にキスをした。
ミハルもしっかりとそれに応じ、顔を離しても僕の目を直視したままだ。
そのままもう1度唇を唇で覆いながら服の上から思い切り片方の乳房をわざとらしく強く揉んだ。
背中に手を回してブラを外し首元の大きく開いたTシャツとその上のコットンメッシュ状の羽織りものに親指を引っ掛けて上へ捲し上げると、白い曲線の先にピンと突き立ったピンク色の突起が月明かりに晒された。
服の上から見るよりもボリュームがありその弾力を嗜む様に両手で寄せながら先端にクチを付けた。
ミハルは受け入れてくれながらも「いやん、感じる(笑)」などと言っては綺麗にムードを崩しに来るが、楽しくなってくれている状況は悪いことじゃないと流した。
ミハルを横たわらせたままスカートの中に手を潜り込ませると脚を開いて応じてくれたのでそのまま下着の脇から指を突っ込むと既にグチョグチョに濡れていた。
僕もアレを晒して中腰にミハルの顔の前にそれを持って行くと、竿の方ではなく玉袋を、しかも片キンだけをスッポリとクチに含んだと思いきや、ゴムを引っ張って弾くようにポンとそれを吹き出すので痛くすぐったくて調子を崩しそうだったが、アレを改めてクチへ持って行くと頰をへこませながら咥えてくれた。
互いに悪ノリに走らぬようにと、僕はミハルの開いた股の間に入り、ベンチに横たわるミハルをマングリ返しの格好でカラダの奥深くを先端で執拗に突いた。
覆い被さるカラダを起こし正常位になると、弾力のある乳房が月明かりに青白く照らされて揺れている光景に神秘を感じながら絶頂迎え、再びミハルのクチ元へ持って行き、咥えてもらった状態で思い切り果てた。
「ごっくん。飲んじゃった!」
「言わんで良い(笑)」
「気持ち良かった!」
「今度また2人で会おう」
「やったー、オッケー!」
互いに肩で息をしていた。
静寂に包まれた闇夜の中で夜風と混ざり合うようだと、余韻に浸ろうとベンチに腰を掛けたと思いきや、またもやミハルにムードをぶち壊された。
服を着治し背後から両乳を激しく揉んだりとじゃれ合いながら車の方へ戻ると、車外のリョウとユウキがこちらへ気付き、息を潜めるように笑みを浮かべながら駆け寄って来た。
「あれ、2人?」
「だってマサ君が出てろって!(笑)」
「中でナナと2人?」
「そうです!(笑)」
「大丈夫か?それ。まぁ良いや。ってか外から皆で覗いてやろうぜ!(笑)」
4人で車の後部座席を順番に覗き込む。
車内はオーディオの照明のお陰で2人のやり取りがハッキリと見える。反して中から外の様子は余程注意深く眼を凝らさないと認識出来ないようだった。
1歩だけ皆で後ろへ下り、少し距離を取って堂々とその攻防を見守った。
マサがいちゃつこうとアプローチを描けるのに対しナナが両腕でそれを制止している。
「何と無謀な…」と悲しくなりながら様子を伺っていると、何を思ったのかマサが一瞬キョロキョロと周囲を見渡し、軽く腰を浮かしたと思えばそのままズボンをずり下げていた。
ハグにもキスにも応じて貰えないのに粗末なソレを咥えさせようとでもしたのだろうか。
それに対しては流石のナナも「断固拒否!」と顔の前で両腕で×を作るように強く拒絶し、その声は車外にまで届いた。
このまま行く末を見守りたかったが、見兼ねたミハルが「ナナー」と声を掛けながら後部座席の窓ガラスをペシペシと叩き始めた。それに気付いたナナが車外に避難して来たのでマサは下半身を晒したまま車内に取り残された。
後輩連中の前で格好つけようとしていたハズなのにこれでは台無しだ。
後部座席から飛び出して来たナナが「トイレ行きたーい」と言いながらリョウとユウキどちらへともなくもたれ掛かっている様子を見て、「ちょっと連れて行ってあげな」と僕も添えるように声を掛けた。
3人でトイレに向かうと見せかけつつリョウだけが引き返して来て僕の耳元で問う。
「これ絶対チャンスなんだけどどうしたら良い⁉︎」
「無理なコトは絶対するな。でも今朝オレもユウジも普通にSEX出来たしお前ら2人なら大丈夫だろ。アレは断られるマサが悪い(笑)」
「確かに!(笑) やってみる!」
「2人で弄ぶようにせずに自然に上手く入れ替わるとかにしないと絶対ダメ」
「分かった!」
リョウもユウキもそのルックスからか、学年問わず周囲の女性からは非常にモテていた。流石に経験が浅いとは言えマサみたくグダるコトはないだろう。
結局大事な時にはそのビジュアルがモノをいうのだ。
僕はミハルとマサと3人で車付近に残った。
ガラスのハートが粉々に砕け散ったかのように思えたマサの心のケアが必須に思えた僕は、「もし2人がナナと交れるのであればその後さり気なく乱入をしてみれば?(笑)」と最後の望みに託すよう励ました。
もちろんそこでも激しく拒絶されるかも知れない。
ここからどの様にナナ達の様子を伺おうかと思っていたらそこへリョウが1人で戻って来たのであちら側の状況を共有させた。
「どんな感じ?」
「普通にヤラせてもらえたよ(嬉)」
「ユウキは?」
「今立ちバックしてる(笑)」
「マジか、やったじゃん!無理なくイケた?」
「うん、普通だったよ!どっちにもめちゃ抱きついて来るしキスして来るしって感じだったからジャンケンで順番決めてオレが先に行った!」
やはり女性は顔でヒトを選ぶ。
「それにしてもユウキの奴相当満喫してるよアレ(笑)」
「と言うと?」
「アイツがヒト前で裸になるとか今までではあり得ない。立ちバックしながらオレの方に親指立ててた(笑)」
「良い話じゃないか。友情が深まる感じ(笑)」
マサを気にしてどの様にして切り込ませようかと話題を変えようとしたところ、ユウキとナナが恋人同士の様に手を繋いで戻って来た。
こうなったらもう1度マサが真正面から単独でアプローチするしか道は残されていないのかも知れない。
マサにリョウもユウキも拗れることなく交れたようだと耳打ちすると、一瞬だけ悲しそうな顔をしたのが見て取れたが逆にそれが背中を押したのか、マサが再びナナに絡み始めた。
「ナナ、オレもちょっとトイレ行きたいんだけど付いて来てよー」
「アッチだよ。行けば直ぐ分かるよ(笑)」
「お願い。ちょっと一緒に行こー」
「マジ無理!」
マサが項垂れる様に肩を落とす瞬間を僕は見逃さなかった。
というより、もう少し「工夫や努力をしろ」と正直正座させて説教したい衝動に駆られた。
次第に辺りも明るくなろうとしている。
この場でこれ以上のコトはもう起き得ないだろうと、誰ともなく帰って寝たいオーラをチラつかせ始める。
往生際の悪いマサも不満気味に車に乗って再びエンジンをかけたので皆で車に乗り込んだ。
この場に放置されては困る。
マサが無言で車を出す。
そして行きよりも若干飛ばし気味だ。
マサ除くこの場の皆が良い思いを出来たというこの状況は正直キツいが、無言なのもどうかと思い僕が取り留めもなく喋ろうとしたが次第にナナもミハルも寝息を立て始めた。
彼女達の送り先に近付く頃、ふと眼を覚ましたミハルがマサに声を掛けた。
「コンビニに停まって欲しいんだけど。トイレ…」
「え?そこでしちゃえば良いじゃん!」
「されたらお前が困るだろう」と言いそうになったが堪えて聞いていた。
「お願いします。漏れちゃう…」
調度目に前の信号の交差点手前にコンビニが見える。
あからさまに苛立った様子でハンドルを切りながらコンビニの駐車場に急ブレーキを伴いながら停車する。
その衝動でナナも眼を覚ました。
ミハルがドアを開けてトイレに駆け込むとナナもそれに続く。
マサは後部座席に目をやり、2人が自分のバッグを持って出ていることを確認したと思いきや勢いよく車を発車させた。
「おい。あの2人どーすんの?」
「知らねーよ。ここまで来たら歩いて帰れるだろ!(笑)」
「お前、マジでふざけんなよ」
「良いんだよ別に(笑)」
「ダッセー奴だな。絶対ネタにしてやるからな…。覚えとけよ(笑)」
「良いよ。全然良いよ!」
「直ぐに全員の耳に入れてやる。フルチンのまま車内に取り残されて1人だけヤらせて貰えなかったって。全員で外から見てたから(笑) 」
「え…⁉︎」
こうして弟のリョウに僕は日々の楽しみを知られた。
この日以降誰ともなく彼の周囲の人間も僕らに同行する機会が増えた。
ヒトが増えるとその分交友関係も拡がるため出会いも増えたし楽しみも増した。
一方でマサはこの日以降も1人だけ何もさせて貰えないという虚しき例外事例を何度も繰り返し築いていった。
その度に泣きそうな顔をして肩を落としていたが、単独ではその機会に恵まれることもないのだからせめてオコボレでもチャンスをモノに出来るよう努力をしろと、その度に僕らにネタにされては伝説と化し伝説のように語り継がれていった。
そして出会った初日に大事なところを擦り付け合うくらいに大親友のポテンシャルを見込んでいたナナもミハルも、せっかく連絡先を交換していたのに当然その後連絡は取れなかった。
マサの逆切れ気味な勝手な行動のお陰でナナにとってもミハルにとっても嫌な記憶として植え付けられていったらどうしてくれよう。
どんな組織プレイにも言える。
皆が同じ方向を向いていないと望んだ結果を見込むのは難しい。
それは遊びにおいても同じことが言えるようだ
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