　小学生年代のクラブチームのセレクションに落選した僕の次の目標は、中学年代のクラブチームのセレクションに合格することである。

　中学年代のクラブチームのセレクションは、小学年代のクラブチームのセレクションが4回あるのにたいして、小学6年生を対象にした1回のみである。つまり、このセレクションに落ちたら、中学年代のクラブチームには入れないわけだ。

　「僕はこのセレクションにサッカー人生の全てをかける。」

　僕はお父さんにそう宣言した。

　「おおげさだなー・・。そんな、きおいすぎるなよ・・。リラックスしていこう。」

　お父さんが言った。

　J傘下のクラブチームのホームページをみると、セレクションは9月に行われるらしい。あと数か月しか練習する時間は残されていない。時間はない。

　しかも募集人数は若干名である。中学年代のセレクションは新チームの編成ではないので、小学年代のセレクションのように募集人数が10名から40名と比較的多く募集するのにたいして、募集人数は若干名と少ないのである。

　「小学年代のセレクションに落ちた僕が、募集人数が若干名のセレクションに合格する可能性は限りなく低いんじゃないかな・・」

　僕は心の中でそう思った。でも、これから本気でサッカー選手を目指すのであれば、セレクションをうける以外の選択肢は考えられなかった。やるしかないのである。

(続く)

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