クラブチームのセレクション開始

 「あきら。自分の目標は忘れてないか。」

 お父さんに言われて、僕は思い出した。

 そうだった。ストリートサッカーで負けて、いつまでもへこんでいる場合ではなかった。僕の目標はクラブチームのセレクションをうけて、合格することだった。


 僕たちは本格的な練習を始めた。


 そして、数か月がたち、いよいよセレクションの日になった。


 「緊張してないか」

 お父さんが心配そうに言った。

 「だいじょうぶ・・」

 僕はそう返事したけど、自分でもかなり緊張しているのがわかった。

 「練習したことしか本番ではできないんだ。今まで練習してきたことを信じてやれば大丈夫。」

 お父さんは優しく言った。

 僕は少し緊張がほぐれた。


 そして、いよいよセレクションが始まった。

 セレクションはたくさんの人がうけにきていた。

 最初のテストはリフティングのテストだった。

まずはインステップのリフティングからだった。

 僕は数回リフティングをしたところで、失敗してボールを落としてしまった・・。


 「しまった・・」

 思わず声を出してしまった。

 これはかなり減点されそうだ・・。

 いきなり合格がとおのくミスをしてしまった。

 ここから挽回できるのだろうか・・。

 僕は自分ならできる、と暗示をかけてもう1回リフティングを再開したのだった。


 (続く)

(次回は、木曜日更新予定です。)

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