ストリートサッカー

 公園で僕がサッカーの練習をしていると、

すぐ近くで20代くらいの男性がリフティングをしていた。

めちゃくちゃうまかった。


 僕たちがこっちをみているのに気付いたのかその男の人が、

リフティングを中断して、こちらを向いた。

 「なんかみられていて、緊張するな」

 そう笑いながらその男性は、こちらに話しかけてきた。


 「すみません。練習の邪魔をしてしまって。」

 父さんはあやまった。

 「いえいえ、邪魔なんてそんなことはありませんよ。

 私はストリートサッカーをしている神谷です。」

 そう自己紹介してきた。


「私は和田学。この子の父親です。

社会人サッカーをしています。」

 お父さんも自己紹介した。

 僕も自己紹介しなくちゃいけないと思って言った。

「僕は和田あきらです。クラブチームのセレクションに合格するために、

練習しています。」


「へえ。セレクションかすごいね。

私も昔、クラブチームに所属していたよ。」

 神谷さんのその言葉に僕はびっくりした。

「本当ですか!それはすごいです。」

「すごくないよ。」

神谷さんは謙遜した。

「良かったら、この子にサッカーを教えてくれませんか」

お父さんはいきなりそんなことを神谷さんに言った。

「ええええ。お父さん・・。」

僕は戸惑った。

「ええ。良いですよ。私も天下一武道会の予選にむけて練習中なんだ。

良い練習相手が欲しかったから、ちょうど良かった。」

なんと神谷さんはあっさり引き受けてくれた。


 「いまさらなんだけど、質問なんですが、ストリートサッカーとか、

天下一武道会とかって何ですか」

 僕は質問するタイミングがなかったので、いまさらきいた。

 「まず、そこから説明しないといけないな。」

 お父さんがそう言って、神谷さんの方を見た。

 「どうやら、そのようですね。」

 神谷さんは言った。


(続く) (次回の更新は今週の木曜日の予定です。)


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