第6話 歴代のライダーが集結するやつ

 俺は、とにかく皮を剥く事にした。暴れまわるコスラを地球防衛軍の網で取り押さえ、皮を剥く。


「ぐぬぬぬぬぬぬ!」


 しかし、巨大なポコチンの皮は石の門ぐらいに重くて堅い。俺一人の力じゃビクともしない。

 てか、なんで俺一人で皮を剥いているんだ! 振り返って見ても誰も手伝ってくれない。

 こうしている間にも、ゴスラはこっちに近づいて来ているというのに。


「諦めるな!」


 その声に俺は振り返った。すると、向こうから両脇に女をはべらした謎の男の姿があった。


「あんたは……」


 俺はその男に見覚えがあった。まだ暑い日が続く中、長袖のタートルネックを着こなし、そして襟元のタートルを顔半分の位置まで上げている男。

 その男の正体は、間違いなく、上野クリニックの広告の男であった。


「上野クリニックさん」


 俺は、思わず握手を求めてしまった。今まで成人向け雑誌とかでいつも見ていた憧れの男。剥けて、女にモテモテ。


「剥きたいんだろ。なら、お電話を」


 男はそう言って、コスラの皮を剥き始めた。

 俺も、上野クリニックさんと一緒に、コスラの皮を引っ張った。諦めるな、包茎は治るんだ!


 しかし、一人が二人になっただけでは、コスラの皮はビクともしない。


 と、その時だった。


「諦めるな!」


 今度は、さっきよりも大勢の声に俺と上野クリニックさんは振り返った。


「あれは!」


 地平線の向こうから歩いてくる。美女を両脇にはべらした男の集団。百、いや、千はいるだろうか。

 みんな、タートルネックで顔を半分隠した状態でこっちへと歩いてくる。


「先輩!」


 上野クリニックさんが呟いた。


 そう、俺たちのピンチに歴代の上野クリニックの広告の人がこの場に集結したのだ。

 近くでは十年前から、最古参では縄文時代の上野クリニックの人までいる。弥生時代もいる。

 それだけではなかった。インド、中国、ズル剥けの欧米野郎ども以外の世界中の上野クリニックのタートルネック野郎がこの地に集結したのだ。


「みんな、来てくれたのか!」


「電話スルアルヨ!」

 中国の上野クリニックが言った。

「カワステ」

 インドの上野クリニック。

「天は皮の上に皮を作らず、皮の下に皮を作らず」

 明治時代の上野クリニック。

「剥きがりません! 勝つまでは」

 戦前の上野クリニック。


 とにかくみんなが来てくれた。

「いくぞおおお!」

 全員の力を合わせて、コスラの皮を引っ張った。


 ぶるん!


 と、一瞬で剥けた!


 うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!


 次回、いよいよ最終回だ。






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