第3話 いざニューヨークへ

春休みに入り、予定していたニューヨーク旅行に行くことになった龍也。

勉学は真面目にしていたため、現地に着くまで困ることはほとんどなかった。


連絡していた幼馴染の竜美と会うために約束の場所に向かう道中で外国人に怒られている日本人がいた。


「Are you kidding me? You're so rude!」と外国人が言っており、その女の子は混乱しながら、「お前が悪いんだろ、you fu◯kだー!」と叫んでいた。


龍也は厄介ごとに首を突っ込むのはごめんだと思いながら立ち去ろうとすると、その女の子が助けを求めてきた。


「お願い!助けて!こいつまじで意味わかんない!」と泣きながらすがってきたが、よく見るとこの間一緒に学校の下駄箱を掃除したギャルっぽい女子だった。


とりあえずその場を治めて、カフェで落ち着かせて話を聞くと、ほしかった限定商品のものを先に買われてしまったらしい・・・・・・。


「そんなことで外国で揉めるなよ。」と言うと、「あたしにとっては重要なことなんだから、てゆうかなんであんたここにいんの?」と返してきた。


それはこっちが言いたいという気持ちは抑えて、約束があることを伝えると、「番号教えてよ、また困ったら助けてもらうからさ。」と言われ、しぶしぶ交換した。


女子の連絡先は姉と母以外なかったが、高校生活で初めて新しく登録された。『永井しいな』


やっとこさ落ち着き、竜美のもとへ向かうこととなり、遅れて到着した。昔と変わらない優しい笑顔で、「ばかやろう、恋しかったぞりゅーちゃん!」といい頭を叩かれた。


兄弟といっても過言でないくらいの仲であり、龍也もニューヨークにきて、改めて落ち着くことができた。


観光に付き合ってもらい、積もる話をしていると、一つだけ引っかかる点があることに龍也は気づいた。

それは竜美の家族についての話だった。

小さい頃お世話になっていた竜美の家族に会って挨拶したいと伝えると、


「仕事で忙しいし、あの人たちと話してもつまらないだけだよ。」と言う。


当時はとてもアットホームな家庭で引くほど仲が良かったのに、「あの人たち」と言う言葉に引っかかっていたのだが、他には何も変わらなかった。


そうもこうもしてるうちにドタバタな旅行1日目は終わりを告げた。




竜美「りゅーちゃんは何も変わらなくてよかったよ。君たちとは大違いだね、父上、母上。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ディスティニー “後悔先に立たず” 落ちこぼれ大学生 @ochikobore

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ