第2話 選択の結果と変わらぬ日常
朝起きると昨日の返信が来ている。『仮契約は完了しましたが、本契約は完了していません。金額の受け取り方法はあなたに委ねますので、その方法を返信してください。』と記載されていた。
「やたらと本格的で手が込んでるな。口座テキトーに作って口座番号書いてみよ。」
悪用されても構わないと思いながら、メールを返信したら、またすぐに返事が来て、契約完了と罰則や監視のことについて書かれていたが、龍也は無視して普段通りに過ごしていた。
学校で友人にこのメールのことについて話してみるも、しょうもないと言い、面白がる者はいない。
しいな「・・・・・・。」
龍也は、あれから3日後にふと口座情報をスマホで照会すると、見たことがないケタの金額を目にし、驚きを隠せずにいた。
「あのメールまじだったのかよ、すんげえな。この金なにに使おうかな。」
お金のことに頭をもっていかれていて、その時は気づかなかった、人生において最も誤った選択をしたことに・・・・・・。
家庭のためにそのお金を使うことに決めて、余った分でやりたいことのために使うことにした。
高校生が酒池肉林のような事をしても意味がないと考えていたので、生活は普段と変わらなかった。
龍也は、特に欲がなかったが、海外に興味があり、ドラマやアニメなどで見かける海外で生活している日本人に対してかっこいいと感じていた。
「そうだ、春休みにニューヨークに行こう。世界の中心がどんなものか確かめてやる。龍也ニューヨーク凱旋ってな。そういえば、たっちゃん元気にしてるかなぁ。」
そして周りに内緒でエアーチケットとホテルを予約し、人生で初めて、ニューヨークに行くことになった。実は幼馴染の山本竜美がニューヨークに留学しており、会う約束もしていたのだ。
学校終わりの帰り道、春休みの予定に胸を躍らせていると、委員会の仕事を忘れていたことに気づき、急いで戻ると、もう1人の美化委員である女の子が腹をたたせて1人で仕事をしている。
「あ、きた。本当なに考えてんの?ホームルームに先生が言ってたの聞いてなかったの?ばかじゃない。」
仕事内容が下駄箱の掃除であったため、ひどく怒っている。なんとか機嫌を直すように謝り続け、仕事を終えた。
「あーあ、めんどくさかった。女子って難しいし、怖いなぁ。あんなギャルみたいな子いたんだ。」と愚痴をこぼしながら帰宅した。
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