第81話 都合

 就職が決まった。

 サラリーマンから離れて3年ほど…ブランクもある。

 会社の規模は1/100ほどの零細企業、職種は同じとはいえ、不安もあるだろう…


 心に不安が募ると、僕は『彼女』の夢を視る。

 18歳年上の昔の彼女の…


 何人も女性と付き合ったが、夢に視るのは、その彼女くらいだ。

 僕は今も彼女を心の拠り所にしている。

 卑怯で…惨めで…僕は身勝手だ。


 全てを自分で壊したのに…

 それでいて、今も、どこかで気持ちはあの時のまま…

「好きです」

 と言った、あの時のまま…


 僕は卑怯だ…


 卑怯で醜い…惨めで汚い…


 僕は壊れている。

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