第82話 同調

 少し解る気がした…

 通り魔的な殺人、直後の自殺。


 もちろん、許せない、許されないことなのだ。


 理解できるのは、追いつめられる、その精神状態。


 きっと死にたかったんだ…

 ずっと悩んで…死ねなくて…


 自死を選ぶためには、勇気が無くて…

 追い込まれないと死ねない。


 死刑確実の行動

 限界まで精神状態を追いこむための行動


 最低だ…

 己に可能性が無いから他人の可能性を奪う…

 僕の叔母が、こういう人だから、こういう人間の行動は解る。

 身勝手で努力をしない、自分より下しか見れないカス…


 僕が解るのは追い込まれる側の行動。


 関係の無い他人だから殺せるのか?

 関係ある人しか殺しちゃダメなのか?


 僕も毎日、殺したいと思う…

 誰でもいいときもある。

 車を斜めに停める奴でもいい…通路の真ん中を歩いてくる奴でもいい…

 誰でもいいと言いつつ、僕は僕なりの線引きがある。


 それでは追い込めないのだ。


 追い込むためには…本当に理由など無くさないとならないのだ。

 誰が考えても、なぜ?にならないとならない。

 生きていれば、自分でさえ、その罪に押しつぶされる、そんな状況を作り出さなければ、追い込めないほど弱くて身勝手な存在。


 その状況を作りだして、一番、卑怯な引き際をひく…


 本人は…本人だけが…

 自慰は家で独りでやれ!!


『惡』とは、こういうことなのだ。

『惡』とは、こういうヒトなのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る