第80話 思考

 ゴミ屋敷。

 父親は、昔から木とか水槽とかを拾ってきては、家の周りに無造作に置く。

 自転車屋をやっているから廃タイヤ、錆びた自転車を野ざらしにしておく。

 店と称して使用している車庫は、物に溢れ、足の踏み場もない。

 腐った水草、手入れもしない植木、うんざりする。


 野良ネコを拾ってきては部屋に閉じ込めて、すでに10匹が8畳間に住みついている。

 悪臭が家に籠る。


 なんのために家を建てて、ローンに苦しんでいるのか?


 1円も金を出さない父親のゴミ屋敷を作らせるために僕は月々73000円のローンを支払い続けるのだ。


 片づけろと言っても片づけない。

 棄てられない。


 死ぬまで、ゴミ屋敷を造り続けるのだろう…


 本当にクズというのは存在する。

 死んだ方がいい人間は存在する。


 自分で何一つ責任を取らないまま死んでいく…

 なんで殺しちゃいけないんだろう?

 殺した方にも言い分もある。

 どんなクズでも殺してはいけないなんて理不尽だ。


 もう妹は両親とは縁を切っている。


 殺した方がいい。

 殺したい。


 死にたい…殺したい…僕の思考はコレを繰り返す。

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