第66話 小石

 川の流れに転がるだけの石

 ぶつかり、転がされ、角が取れれば、さらに流されるのだろう


「人も同じだ」


 ぶつかり、砕けてる、その繰り返しで、しだいに角は無くなり、流されるまま生きていく。


 死を選ぶってどういうことだろう?


 ぶつかり、割れることだろうか…


 小石は最初から小さかったのだろうか、それとも削られて小石になったのか

 それは悲しいこと?

 それは楽しいこと?


 僕は転がれているのか

 僕は流されているのか


 それは…悲しいこと


 水に手を伸ばし小石を拾って

「もういいよ…」

 呟いてギュッと握りしめた。

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