第56話 それでも明日を見るのは…

 彼女にさよならを告げて…2週間が経った。

 何が変わったわけではない。

 ただ、彼女からメールが届かなくなっただけ、僕も送らなくなっただけ…

 会うだけなら、デリヘル嬢としては呼べるのだろう、そんな気も無いし、呼ばれたくもないだろう…


 不思議な関係だった。

 恋人でもなく、友達でもなく…

 ひとつだけ確かなことは、僕は彼女が好きだった。


 たぶん、今でも好きなのだろう。


 また、ひとつ、僕は何かを失った。

 心に、いくつか開いた穴が、またひとつ増えただけ…

 穴が少し、大きいだけ…


 それでも明日を見てしまうのは…

 それでも好きだと言えるせい…

 それでも生きているのは…きっと、キミのせい…

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