第39話 この手が…足が…

 爪が抜け落ちた足で、それでも歩こう…

 彼女のもとへ

 この足を引きずって…泥に塗れても


 上がらなくなった腕で彼女を包もう…

 護るために

 血だらけの指が彼女に触れぬように


 痺れた手足は泥と血に塗れても…

 動かすだけで痛もうとも…


 彼女のもとへ…彼女を包み込むために…


 手足が捥がれるまで動かし続けよう。

 無様だと笑われようと蔑まれようと…


 何も出来ぬから…何も出来ぬから…

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