第25話 違雨

「腎結石ですね」

 そう聞いたとき、少しガッカリした。

「末期のガンとでも言ってくれれば…」


 10万人に1人くらい死ぬ薬を投与します。

 署名をして…僕は期待する。

「死なないかな…」


 僕が望むことはおきないことになっている。


 望めば叶う…そんな人生だったなら

 望めば失う…そんな人生だったから


『死』すら叶わぬ我が身が、あまりにも情けなくて


「心配ありませんよ」


 この涙は…安心したからじゃない

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