第10転 結果と今後

「これは属性変換魔法で間違いないわ」


キッパリと言い切ったウィルフにルルンがハッとした閃き顔で


「それだからかー!あの時のクルが変な言い回しをしたのはそのせいなんだね!」


「変な言い回し?と言うと?」


うんうんと頷きながら納得した顔で


「あの時の私はクルの隣は幼なじみの特権なのにって強く思ったの そうしたら私の服装も小さな頃によく着ていた服に変わっていたの そしたらねクルが幼なじみの中の幼なじみなんて言うものだから二人で笑っちゃった」


ん…少し考え込みながらウィルフが


「いやルルン 勘違いしているようだが私が言う属性とは一般的に知られる火水土風光闇等のことだ 幼なじみといった抽象的なものでなくてな…」


そこまで言いかけたウィルフがルルンをまじまじと見つめ直してからジンユに問いかけた。


「バンプにはルルンがどう見える?できれば簡単に言ってくれ」


バンプはウィルフに言われるままにルルンを見てから


「どう見えるって…なんとなく服装のせいかなウィルちゃんみたいにエルフっぽく見えるよ」


ウィルフはその言葉を聞いてにやりと笑い


「おもしろい実に斬新奇抜 億人億色とは良く言ったものだ」


ルルンもジンユも今一つ状況を理解できずにいる。ウィルフはルルンの周りをクルクル回りながら側面で止まると


「ルルン横上をかき上げてもらえないか?」


言われるままにルルンは横上をそっとかき上げると触感的にその変化に気づいた。無論ウィルフとジンユは視覚的に気づいた。ルルンの耳はエルフのように少し長く先端が細くなっていた。


「ふふっあははっ これだから分析官は辞められないのよね こんな特殊な魔法に出会えるなんてね」


ルルンが自身の耳を触りながら問いかける。


「私ってエルフになっちゃったの?」


人差し指を左右に3往復程させて


「違うんだなぁ~ルルン エルフになったのではなくエルフっぽくなったんだよ 解りやすく言うと恐らくだが属性は完全に変化しているね 風属性をルルンに感じるからね それより大切なのはエルフっぽく感じさせられた事実だね!」


ルルンもジンユも理解できずにじっとウィルフを見つめる。


「バンプはルルンを見て服装からエルフの私をイメージした部分もあるだろうが普通それでもエルフっぽいとは思うだろうか?そして何より実は私も同じように感じていたのだ ルルンのその変化した耳をこの目で見る前からね」


ザッ 足を少し開きウィルフは腕を組み胸を張って言った。


「ルルンの魔力変換は属性変換しかも抽象的な属性まで変えることができるのよ!」


ええー!最初に驚きを吹き出したのはルルンではなくジンユだった。今まで静観していたのはエネルギー溜め込んでましたと言わんばかりの興奮で


「ウィルちゃん!それって要するにさ!魔警隊のお姉さんや魔病院看護師 魔舞妓に魔バクラ風お姉さま 果ては魔王妃様まで只のコスプレではなく認識まで変えてくれる夢のコスプレライフが可能ってことだよね!?」


ウィルフは大きくため息をついて


「ルルン 友達はよーく選んだ方が良いぞ」


ルルンは苦笑いしかでてこなかった。


「まぁおバカちゃんは放っといたとしても論点は悪くないね この認識まで変える魔力変換が今後ルルンの魔生人生にどう活きていくか解らないけども現状だとかなりハイスペック能力よね」


ジンユは理解しているようだがルルンは理解してなさそうな表情だったのでウィルフは続けた。


「そこのポンプが自己の赤裸々な妄想を噴出させたように誰だって好みがあるでしょう」


「誰がポンプや!バンプ!バンプ・ジンユ!」


珍しく言葉にして突っ込んだがウィルフには流されてしまう。


「要するにこれからクル様の好みを知っていくことによってどの参加者よりも有利になれるかもしれないってことよ!」


ルルンに衝撃が走る。クルに私を見てもらえる?…


一方クル家公募実行会内部にて


「慣れてきたせいかケイメン様も次々と数をこなしていくなぁ」


「未だにお気になられた方は居られない様子ですしまだまだ忙しくなりそうだな」


執行会員がジスに資料をまとめて渡す。一番上の資料を見て


「水の民ディネか」


















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