星をほしがる☆ガール

I田㊙/あいだまるひ

☆ガールちゃんは星がほしい

「あーん! 増えないよぉ!!」


 おやおや、☆ガールちゃんはどうやら最近カクヨムに登録したらしいよ。

 でも、投稿してもあんまり星も感想もつかないものだから、暴れているようだね。


「なんでよお! わたしの文章の何が悪いって言うのよお!! 面白いだろ! 面白いだろ!? 面白いって言えよぉ!!」


 ☆ガールちゃんは、部屋に用意してあった特大のくまのぬいぐるみ(コストコで買った死ぬほどでかいぬいぐるみ約20000円)をぶん殴っているよ。

 荒れようが半端ハンパないね。

 ☆ガールちゃんのわがままで、サンドバックよろしく吊られたそれは、ちょっと天井が低い家だから、顔が天井に当たっちゃって下を向いているね。それがまた、哀愁を漂わせるね…。なにせ全長は236センチもあるからね。

 決してくまの宣伝ではないよ。

 ☆ガールちゃんの両腕によってリズミカルに叩き出されるその力強いサウンドは、天井の低い狭小住宅をも震わせているよ。


「そんなに荒れてどうしたんじゃ、☆ガールちゃん?」

「あっ、おじいちゃん!」


 いきなり☆ガールちゃんの部屋に入ってきたこの人は、☆ガールちゃんのおじいちゃん、☆じいちゃんだよ。

 御年82歳。☆じいちゃんは、大の女好き! 

 ☆ガールちゃんは孫なので一応おじいちゃんにも理性とか倫理観とかあるから範囲外だけど、とりあえずストライクゾーンは『女』その一点のみの漢らしいおじいちゃんだよ。

 どうでもいい情報だね!


「ねえ、おじいちゃん聞いてよぉ! カクヨムに投稿してるんだけど、私のこの素晴らしく面白い文章に☆がつかないの!! ていうかまずPV数が増えないよお!! バンバン『Excellent!!!』つけてほしいよお!! ☆5000とか行きたいのぉ!!」

「おやおや、☆ガールちゃんは欲しがりじゃのう」


 おじいちゃんは、ほっほっほっと笑うと、☆ガールちゃんにとりあえずまずくまへの正拳付きをやめるように言ったよ。

 ☆ガールちゃんは昔空手を習っていたから、そのくまの腹部ただ一点を正確に貫く正拳付きはもはや狂気とも言えるよね。


「☆じいちゃんは、カクヨム? ちゅうのよく知らんけども、どういうシステムなんじゃ?」

「えっとね、☆一つが『Good!』☆二つが『Very Good!!』 ☆三つが『Exellent!!!』だよ」

「ふむ、それで?」

「多分、それがいっぱいつくと順位が上がる」

「ほうほう? それから?」

「え? 多分それだけ?」

「は?」

「え?」


 おじいちゃんが半ギレになるのも無理はないね!!

 当然☆ガールちゃんはカクヨム初心者だよ!

 小難しいことはさっぱりだよ!

 あと、カクヨムの順位が一体どうなっているのかと言うのは、詳しく書いてる人がいるから、システム的なことを知りたい人は、そっちを探してみてほしいよ!


「ちょっと☆じいちゃんもカクヨムとやら見てみるから、見せてみんしゃい」


 ☆ガールちゃんは、くまの横の机に開いていたノートPCを☆じいちゃんに見せたよ。

 ☆じいちゃんはいくつかページをクリックしたかと思うと、静かに「なるほど」と渋い顔でうなずいたよ。


「☆ガールちゃん、お前さんの作品、埋もれてしまっとるんじゃの」

「埋もれてる?」

「そうじゃよ。☆ガールちゃん、お前さんが読むならどんなのを読む?」

「え~、わたし書き専だからな~」

「ほっほっほ。そういうのはいらん。もし読むならじゃ」

「えー、☆がいっぱいついてるやつ!」

「ということは必然的に、☆ガールちゃんの作品は埋もれておるにきまっとる。☆がついてないんじゃもん」

「だから~、それをなんとかしたいって言ってるんじゃん!!」


 ☆ガールちゃんは癇癪かんしゃくを起こしてまたくまを殴ったよ。

 ヒステリックだね!!


「待て待て待て! ストップストップ」

「もー!! なんなのおじいちゃん!!」


 ☆ガールちゃんは☆じいちゃんにも正拳付きをかましそうな勢いだよ。

それはだめ、おじいちゃん死んじゃう。


「もったいぶってすまんかったのう…。おじいちゃんこのトップページの右下の方にある『自主企画』っちゅうの活用すればいいと思うんじゃよ」

「『自主企画』?」

「そうじゃ、お前さんの書いとるこの『チート作品』? なら、そういうの載せていい自主企画のところとか、あとこの『短編』ならこっちの短編ばかりの自主企画とか」

「へ~、そんなのあったんだ~」

「もちろんこれで☆が増えるとは限らんじゃろうけど、目に入る機会はぐっとふえるじゃろうのう。それにほれ、お前さんも私は書き専とか言っとるけど、最初は読むのが好きじゃったから書きたくなったんじゃろ?」

「うーん、まあ…そうだけど…」

「なら、まだまだ世界は広がるんじゃ。他の人のを読むのもいいと思うんじゃよ。もちろん、『自主企画』を立ててくれとる人には敬意を払って、ちゃんと『企画内容』は読むんじゃよ!!」


 こうして、☆ガールちゃんは『自主企画』への参加をいくつかしました。

 ☆はまだまだですが、読んでくれる人は少しずつ増えて、書くモチベーションも上がりました。


 これからも、☆ガールちゃんは頑張ります!

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星をほしがる☆ガール I田㊙/あいだまるひ @aidamaruhi

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