第5話 ~フラッシュバック~


ー------………。


「アンタなんかいなけりゃ良かったのよ!!!」

「お前が居るから私はこんなッ………!!!!!!!」


………これは、悪い夢…。

お義母様はもう亡くなられたのにー---………。


「ルーシィーは僕の話をいつも楽しそうに聞いてくれるね、とっても嬉しいよ。」

「おいで、可愛いルーシィー。大事な大事な僕の妹。」


大好きでただ一人の私のティディーお兄様………

どうしてお兄様まで亡くなられてしまったのー……??

悲しみに暮れているとー--。


「「おまえのせいで!!!!!」」


どこからともなく、お父様とお義母様、

ティディーお兄様の声で責める声がしたー--……。


「ー---ッ?!!!!」


目が覚めると、そこはふわふわな布団でそこにはカインがいて

温めたパンスープとポタージュを持ってきたところだった。


「お嬢様……泣いていらしたのですね………

悪い夢を見られていたのでしょうか………

このままでは腫れてしまいますので、氷をご用意致しますね。」


去ろうとしたカインの服の裾を掴んでいた為

カインは一瞬驚いた顔をしながらも私の頭を撫で


「お嬢様が泣いているのに離れるだなんて……執事失格ですね……。

大変失礼いたしました。

お嬢様さえよければ、一緒に氷を取りにキッチンに行きませんか?」


と言われカインは私を抱きかかえキッチンへ向かい

泣き晴れてしまった目を冷ましつつ建物の整備が終わった事を報告した。


晩御飯を食べているときカインは私を見て何やら考え事をし


「お嬢様。もし、お嬢様が嫌でなければなのですが、

お嬢様が寝付けるまでそばで手をつないでいてもよろしいでしょうか?」



唐突な提案がらもティディーお兄様と過ごした過去が懐かしく

私はカインはにお願いをしたー------。


ー翌日ー


カインが手をつないで眠てくれたおかげなのか

悪夢も見ずに朝を迎え


どこからもなく何か風を切る音がしてその方へ向かおうとすると

1ヶ月もまともに歩けず食べ物もろくに食べていなかったせいかバランスが取れず

布団の上から転げ落ちると

音が聞こえたのかものすごい勢いでカインが走ってきて布団から落ちた私をみて


「お嬢様!!?!お怪我は無いですか???!大丈夫でしょうか??

何かありましたらベルを鳴らしていただけたらお手伝いいたしますから……」


取り乱したカインは私を布団の上に抱き上げると怪我をしていないか即座に確認し

怪我をしたであろう場所を治療し終わると悲しげな顔で


「心臓が止まるかと思いました………。

今お嬢様は身体全体が弱く、脆く、筋力なども大分下がっていますから、

まだ当分は私に頼ることになりますが嫌でしょうか………」


私は、ただ音の出所が気になって動いた拍子に落ちてしまったことを伝えると

カインは申し訳なさそうに


「それは………大変失礼いたしました。

その音は、多分私がこのお屋敷内にあった訓練用の剣を振っていた音ですね……

お嬢様がお望みでしたら今度訓練しているところをご覧になりますか?」


カインの誘いに乗ると安心した顔になり


「まだ、早いかもしれないですがお嬢様がお腹していましたら

朝食に致しますがどうでしょうか?」


私が、小さくうなずくとカインは微笑み

私を抱き上げ朝食を運んで来た。


午後応接の間で本を読んでいるとふと、どこから呼び鈴がなり

来客を知らせたー------………。


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