第3話 〜謎の多い青年〜
父上も、お義母様も来なくなってからは
何日経ったのかも、
何もかもが分からなくなった。
もしかしたら、死ぬまでずっとここに閉じ込められるんじゃないかと思うくらい……。
ー…突然部屋の
牢の入口が開いた音がした…。
そして、見たことも無い青年が現れ
私に跪き、自己紹介をはじめる
「私は、カイン・ルシファ・ミリィーと
申します。本日は貴女様にお願いがあって
ここへ参りました。」
………私にお願い??
こんな所に身動きすら取れず
薄汚れた私に……?
どういう事なのか訳が分からず
混乱していると
「私は、貴女様の執事になりたくここに参りました。
どうか、お嬢様の執事にしていただけませんか?」
ニッコリ微笑みながら
ここに来た事情を説明する青年……カインに
更に混乱しながらも
私はなるべく相手の逆鱗に触れないように断った。
「私はここで反省をする様にと、
お義母様から言いつけられているため
ここからは出られないので……
お父様や、お義母様に申して下さい。」
すると、青年は微笑みながら
「そんなに怯えないで下さい。
大丈夫です。この家の当主は
ルーシィー・フィリップ・ティリィー……
貴女様なのですから。」
…………………????
意味が理解出来ずにいると
青年はこっちに向かって来て
どう足掻いても取れなかった
手錠と足枷をいとも簡単に外し
「今は細かいことを置いておきましょう。
まずはお嬢様の治療と食事、お風呂が先ですね」
そう言うと青年は私を軽く抱き上げ地下牢から地上へ出ると
一瞬だけ瞳を揺らし悲しげな顔になったかと思うと
こちらへ向き
「まずは清潔な状態にさせて頂いてから治療、昼食と致しますがよろしいでしょうか?」
と、私に伺い
手際良くお風呂に入れられ、治療を受け
元々の自分の部屋に戻してもらい
ボロボロになった布団に戻ると青年は
いきを飲み
「お嬢様……少し硬いですが1度こちらの椅子に座ってお待ち頂けますか?」
と、自らの上着をボロボロになっている木製の椅子に掛けどこかへと向かって行った。
しばらくすると、青年は
どこから持ってきたのかふわふわの布団1式を運んで来て、ベットメイキングを始めた……
そして、ベットメイキングが終わると
私を抱きかかえ布団に横たわらせた。
「お嬢様、今から昼食を持ってきますので
何かあったらこちらのベルで私を呼んでください」
そう言うと青年はキッチンの方に向かった。
私は、久々の布団だったからなのか
今まで浅い眠りだったからなのか
眠ってしまったー………
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