40話目行ってるけど伏線回収するのに1話から見直すとか苦痛でしかない
━━researcher━━
「ハァ……!ハァ……!ハァ……!」
私は立場の弱かった研究者だったが、ある出来事をきっかけに権力を得た
それを利用し、その“ある出来事“の発端者に協力した
“ある出来事“とは『ウィルマ』王の暗殺
暗殺者は『サブ』から来た精鋭部隊の1人
名前は聞いていないが、腕の立つ者だと一瞬で判断した
暗殺に関わらせたのは私を含め、将軍、司令官、直属騎士、人身売買の計5人
兵士や街の人間は洗脳を施し、計画に備えた
大戦から6年間居た猫男…“隠し屋“と名乗ったか
そいつに関しては情報を一定に流し、時間をかけるように努めたはずだった
イレギュラーは“破壊英雄の黒狼“だ
あと1年あれば安定していたものを急遽、『始動』させたことにより計画の一部が破綻した
計画の内容は、私の娘の復活
『サブ』は私の事情をどこで知ったのか…復活を条件に協力関係になれ、と促してきたのだ
計画の加担者たち、将軍や司令官には、真の事実を伝えず、のらりくらりと偽の目的を伝えたはずだった
だが────まず、気づいたのは直属騎士だった
国思いだったのだろう
たった一人の人間を生き返らせるために、このような計画は否定したかったようだ
なので強固に洗脳させた
今思えばそれが間違いだったか…
スパイという名目で“隠し屋“と“破壊英雄“に近づけたが……バレバレだったようだ
次に気づいたのは、人身売買の爺さんだ
もしかすると、爺さんは最初から気づいていたのかもしれない
そうなると、私ですら気付いていたことに見抜けなかったことになる
また、計画の真の目的を、直属騎士に流したとしたら合点はいく
まぁ、色々あったがこうして“破壊英雄“の情報を手に入れ、逃亡に成功したのだ、死んでいった人種、異人種共には役に立ったよ
将軍や司令官に関してだが
司令官はアホだった
私利私欲が強すぎたので、計画を聞いただけで乗ってくれた
将軍はどうだろうか?
もしかしたら、異常を聞き付けた傭兵や、それこそ“破壊英雄の黒狼“と闘うだけの為に、ただ戦闘欲を満たすためだけに、計画に乗ったのかもしれない
理由は不明だが、計画に乗ってくれたことにより進行も早くなった
「お仕事、お疲れ様デス」
木の上から声が掛かる
姿は、白のワイシャツに黒のスーツ、黒のスラックスにネクタイは黒と白のチェック柄
「『サブ』の勧誘者か…たしか“道化“だったか?」
「えぇ、計画は失敗したと聞き付けたので、手に入れた情報をもらいに来まシタ」
「失敗…?まぁ、そうか、こちらに入っているデータが現在の“破壊英雄“だ」
「ご苦労サマデス。“マグロ“、頼みます」
あとから走ってくる“マグロ“という少年は、ラフな格好で息切れしていた
「えぇー!自分っすかー!?ここまで来るのに走ったんすよ!?休憩させてくださいよ、“道化“パイセン!!」
「はぁ、あまりコチラの言葉を使わないでくださいネ?殺しますヨ」
「うっひぃ、こっわ。サーセンっした!よいしょっ!」
“マグロ“と呼ばれた男は収納魔法から、データを確認できるデバイスを取り出し、私の渡したデータの内容を確認していく
「まぁ、私の計画は…失敗したが、『サブ』からすればそのデータを渡したら任務完了のはずだ。報酬を寄越せ」
失敗とはいったものの、まだやり直せる範疇だ
「マァマァ、もうちょっと気長に待ちましょうヨ」
チッ!ここで渋られて逃げられたりしたら…私の娘は!永遠に会うことが不可能だ…!
「“道化“パイセン、これダメっすわ(笑)」
にこやかに嘲笑う口元とは他所に、目は笑っていない
「な、何故だ!“破壊英雄“のデータが欲しいと言ってきたから!私の目の前で!情報を手に入れたのだぞ!」
「イヤイヤイヤ!確かにあんたの言う通りさっきの戦闘すか?情報はあったっすよ?でも、欲しいのはこれじゃあないんすよね」
「ど、どういうことだ!」
「我々は、将軍が最初に死んだ時の、あの“破壊英雄“の状態が欲しかったのダヨ」
「そ、そんな…」
「戦闘時の映像見ても、意識失いかけてっすけど…持ち直してるっすね、将軍サマは気づいてたみたいっすけど…」
「博士、あなたは気づかれなかったようですネ。報酬は…」
「や、やめろ!!」
「安心してくだサイ、報酬は半分デス」
「ハッ…ハッ…、半分か…金を半分ならまだいいか…」
「いえ、報酬金は全額支払いマス。奥様に」
「は…?ま、まて…妻だけはっ!妻のせいで私の娘は!」
「先程言った半分に関しては、半殺死を与えまショウ。良かったデスネ、娘さんに会えマスヨ?」
「私は…私は今!この手で!娘を抱きしめたいのだ!嫌だ!死にたく」
━━Sub━━
「『天貫き光の聖柱』」
「目立つようなことは避けたいのデスガ?“聖女史“サマ?…まぁ良いでショウ」
「あーあーあー、“破壊英雄“にバレちゃったんじゃないっすか?」
木陰から姿を現すのは、白い翼を生やし、フード付きローブを羽織る女性
「“マグロ“、“道化“、わがままで済まない。バレるのなれば、それで構わない。来るのであれば…“破壊英雄“は私が殺す」
「頼もしい限りデスネ、気が楽になりマス」
「無駄が省けて、自分もサボれるってもんすよ!」
「サボる……?“マグロ“、後で話し合いまショウ」
「ゲェーッ!冗談っすよ!サボりませんって!」
「仲がいいな、お前達は……。わ、私も混ぜてくれないか?」
「前に他のチームと混ざった結果、意見が合わす皆殺しにした、ということがあった記憶が新しいのデスガ?」
「俺もパスっす!頑張っす!」
「はぁ…友達欲しい…」
「何がともあれ、情報は手に入れマシタ」
「死んだ博士かわいそうっすけどねー」
「博士はある意味、娘に会えたのだ。そう願うように魔法を使ったから問題は無い」
「ホントっすかね…友達欲しさにストレス発散しただけじゃないっすか?」
「……し、失敬だな“マグロ“は!私は人種、異人種には優しいのだぞ!」
「優しさで人、殺しますカネ?」
「自分ならダルマにして遊ばせますっすけど!」
「2人に慈悲という言葉ないのか…!」
「貴方がソレを言いマスカ?」
「“聖女史“さんには言われたくないっす!」
こうしたやり取りをしながら、3人は森の中へと消え去った
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