はいはいはーい!!異議あり!タイトルは自由だと思います!(異議者・タバコ屋)

━━(*^ΦωΦ^*)━━


“ヤニカス“こと“タバコ屋“が拉致されたと知ったのは、アジトに飯持っていった時だった


“タバコ屋“の実力が、この国の野郎どもに劣るとは考えにくいが…


「五日目で面倒起こしてくれたな、あのヤニカス野郎!」


保険に、別の場所で調べごとしていて正解だった。書類やノートパソコンを整理して、まとめていく


趣味の悪い金のアタッシュケースに全てぶち込み、荷物をまとめる


「アジトから離れててよかったぜ、どんな手練が奴を拉致したか知らねぇが…危なかった」



ふと


ピンと、耳が立つ


足音、計5人


「ここまで嗅ぎ付けたか…人相見て殺すか」


殺戮は苦手だが、複数を拘束するのは苦手ではない


拘束して、殺す。これだな


「よし、荷物まとめ完了!さぁかかってこい」


ドアが開くとそこに居たのは、軍服着た、顔の真ん中に単眼の、女性だった


「は?」


「なんだ貴様、挨拶もなしか?茶も出ない、“タバコ屋“の従者にしてはなっとらんな」


「いやあいつの従者じゃねえからオレ。同盟関係?ダチ以上親友未満的な?てかあんた誰よ」


「ふん、まぁいい。茶を出したら話そう、部下には外で待機させてもらう」


「わかったよ…珈琲でいいな?」


「茶だと言ってるだろうマヌケ。角砂糖は持ってきているから不要だ」


「欲しいのか要らねえのかハッキリしろよ…」



渋々だがまとめた荷物からインスタントコーヒーを出す


湯を沸かし、コップにインスタントの粉入れて、湯を入れる


「ほらよ、てかまじあんた誰よ」


ドバドバと角砂糖入りの瓶の中に、コーヒーを入れていく


「いや逆!?」


「いい香りだな、どこの豆を使っている?」


「無視かよ、しかもそれインスタントコーヒーだからな?てか、甘すぎて味わかんねぇだろそれ絶対」


「そうか、実家にはこういったインスタントものは無いから新鮮に感じる」


「甘すぎると思うが、まぁ舌にあって何よりだ」



軍部単眼の女は、グビグビとインスタントコーヒー…?を飲み干し、胸の懐からまた角砂糖をひとつ、口に入れた



「名を名乗るには相手からが基本だが…」


「いやお前が勝手に入ってきたんだろ」


「細かいことは気にするな、男が廃るぞ。貴様の素性は知っているから名は聞かん」


「入った時の茶番要らねぇだろ!」


「お茶だけにか!ハッ!笑えんぞ!」


「うるせぇーー!このアマ!さっさと名乗れや!」


「気が短い男はもてんぞ、私の姓は“アキレス“だ。それ以外は教えれんがな」


「“アキレス“だと?笑わせんなよ、アキレス一族は『カトリーナ』国の貴族様じゃねぇか。近親相姦で有名になりすぎて、貴族の全員死んだはずだろ?」


「あぁ、一人の男によってな」


「……いやまて、その男ってのは」


「“タバコ屋“だ、一目見て私は惚れてしまってな。ここまで来たのだ」


「…アイツなにやってんの、んでなんであんた生きてんの?」


「“タバコ屋“の悪口はそこまでだ。後者に関しては…“タバコ屋“は私だけを生かしてくれたのだ」


「生かした理由は知らねぇが、まぁ経緯はわかった。だが今、この国で起きてることは、オレ達が解決するから『カトリーナ』国の助力は要らん。無駄足だったな、帰れ帰れ」


「私個人の理由だとしてもか?」


「……何が言いてぇんだ?」


「国ではなく私個人だと言っている。それしか言ってないぞ」


「いやそれ以上のことを詳しく教えろって言ってんの、恋した人間のためにここまでくるやつがどこにいる」


「ここにいるぞ」


「お前アホだろ」


「マヌケに言われたくないな」




数分の沈黙、仕方なく俺から声を出す


「……取引だ、何がある?」


「私の体は出せんぞ?この身は“タバコ屋“に捧げるからな」


「単眼の女とか、こっちが願い下げだわ」


「貴様の好みも網羅している、白猫人のすみかちゃんだったか?」


「わーっ!待て!わかった、俺が悪かった。だから体で払わなくていいから他にねぇのか!」


「『カトリーナ』で蓄えた貯蓄があるが、部下に食わせねばならぬからな。金銭も却下だ」


「んじゃ言うなよ…金銭、身体、それらがダメなら、次はなんだ?」


アイギスは目を鋭くし、凛とした声だが、確かな口調で強く言う


「“武力“」


オレは言葉に含まれた気迫に圧倒され、生唾を飲み込む


「その…武力の範囲によるな…『ウィルマ』の解決による助力か、終わった後も続けるのか」


「そこははっきりと示せぬな、“タバコ屋“本人次第だ」


「ここには俺しかいねぇが?」


「なればには『ウィルマ』の助力を私個人で解決まで貸そう。国は関係なくな」


「問題だらけだが…仕方ねぇわな。俺一人じゃ行動範囲が狭まっちまう」


「来てよかっただろう?」


「ドヤ顔すんな!……あと拒否ったらどうなってた?」


「我が家に伝わる宝剣で、貴様を三味線にする」


「殺る気に充ちていて、猫男は恐怖心で安心したよ」


「そうだろうそうだろう、良かったなYESで」


「向かう先はヴァルハラだが」


「大戦に比べたら生ぬるいじゃないか」


「…まぁな」


ということは、このアイギス名乗る単眼女も、大戦を見た者らしい


「大戦の参加は?」


「していない。当時の私は身体が弱かったのでな、父や兄が戦場へ向かったが、ドッグタグだけが帰ってきたよ」


「悪いこと聞いちまったな」


「まぁ父と兄がいけ好かなかったことに変わりはない。死んでくれてよかったよ」


「“アイギス一族は家族愛が強い“ってのは、迷言だったか」


「一般家庭でそういった風に、一族の伝承が伝わっているのは聞いたことがある。所詮、嘘を、泥とゲロに塗り固められた戯言よ」


「笑えねぇな、笑っちまうが……話を戻すぞ」


「あぁ、構わない」


「“タバコ屋“が拉致された所をどこで聞き付けた」


「貴様の表情、眼、動作からだ」


「……単眼ってのは目が良すぎるとは聞いていたが…そんなとこから心、読まれちまう程とはな」


「悟りの化け物と呼ばれたこともあるが、そんな大層なものでは無い」


「そうかい、次に監禁された場所だが…」


「見当はついてるだろう?」


「……もうオレを見ないでくれ」


「断る、早く話せ」


じっと見つめられる


もう何も言わなくても伝わるんじゃないか?


「そんなことは無い…とは言えないが、親密になればなるほど言いたいことはハッキリとわかる」


「心読むなよー!オレもうやーだー!喋りたくないよー!」


「駄々をこねるなマヌケ、いいからさっさと吐け。楽になるぞ」


「え、なに?俺、尋問されてんの?いやまぁ言うけどよ…」


渋々だが、地図を出し場所を指さす


「盗聴の心配か?心が狭いな、男は度胸であるものだろう?」


「保険だよ、保険」


「まぁ…ふむ、我らが予測した地点とは違うが、理由を聞いても?」


「ノーと言いたいが、盗聴は心配しなくてもいいんだな?」


「あぁ、気兼ねなく話せ」


「まずひとつは、アイギスのお嬢さんも思った通り、でけぇ城の地下牢という場所」


「違うのか?」


「フェイクだ、ありきたりだが“タバコ屋“程度じゃ地下牢は脆すぎる」


「“タバコ屋“の実力は知っているが、それだけでは理由にならん」


「だから2つ目だ、もう1人オレらとつるんでた、黒いやつは知ってるな?」


「あぁ、ガモンとかいうこの国の直属騎士だろう?」


「…情報回んの早くね?心どころか頭の中まで読まれてんの、オレ?…いいけどよ、そいつがラナバスタ博士を監視目的で、途中まで追って貰ってたんだ」


「追跡中怪我をしたと、部下に聞いたが?」


「部下有能すぎるだろ…ケガ云々は自作自演だ。んで、軽くだが追ってもらった場所を地図に印をつけてもらった」


「地図で指し示した場所以外にも、印はあるが?」


「指し示した以外の場所はフェイクだ、実際に俺も追跡してるから間違いはない。反対方向に行った時は鼻で笑ったよ」


「それで、何故ここなのだ?」


「周りが廃墟だったにも関わらず、人の出入りが見えてな。数刻で出てくる程度だが、明らかにおかしかった」


「“タバコ屋“という存在と、貴様の適当推理で、信用していいものか悩み種だな」


「だからあんたの確証が欲しい、言いたいことは分かるな?」


「ハッキリと述べねば分からん」


「あんたの目だ。アイギスのお嬢さんがここに来るまでは、俺の半信半疑で動かなきゃならなかったが…運が俺に向いてきたぜ」


「…三味線にしよう」


「あんた頭おかしいよ絶対……今更、拒絶すんなや」


「なんだかイラッときたのでな…私の眼は痕跡探知魔眼だ、簡単に貸すのは嫌だ」


「返す時は“タバコ屋“にねだりゃ、返ってくんだろ」


「そうさせてもらおう、今動くだろう?」


「あぁ、あんたの部下は相当手練みたいだしな」


窓から外を見る


外で待機してるアイギスの部下は、外から迫る敵を行動不能にしていた


「この『ウィルマ』の国程度じゃ止まらんよ、私の部下は」


「心強いね、ほんとイエスで良かったよ」


「今からでも遅くない、三味線にしよう」


「……冗談なら、殺意の籠った鋭い目付きやめてくれ」









荷物をまとめ、第2拠点の誰かが住んでた家から、外に出た


「ちなみにだが、私は喋る黒猫は嫌いではない」


「オレは除外だな」


「何?!好いたからといって身体は差し出さんぞ!」


「誰も!んなこと!言ってねぇ!」



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