ビルが建ち並ぶ富豪層とスラムの丁度真ん中にあるボロの建造物、三階建ての一階にあるタバコ屋では人材募集してます
「生きてるやつは!這いつくばってでも出てこい!」
“黒の捕縛師“が声を発する
その周りでは1stと2ndとジジイは寝ており、3rdと4thと5thは起きていた
ジジイ生きてたか
「ふぃー、いい汗かいたぜ。“破壊姫“、なんか冷たいのくれ」
「こっちは…っ!爆発をもろに喰ろぅて…っ!それどころではない…っ!」
「“破壊姫“よ、今お前を失うのは痛手だ。回復してやるからこちらに来い」
「かたじけっ、ない…!」
「ティアのババア見習えよ、死んでも生き返るぞ」
「知っとるわ!あの“金龍師“といい“黒狼“といい…っ!目覚めてから、ろくなのに絡まれんわ!」
「“ロクじゃねえ“ってとこぶん殴りてぇが、まぁいい。さっさと立てや」
瓦礫にうまる“破壊姫“の左腕をつかみ、引き上げる
「いだだだっ!貴様っ!わざとか!?わざとぶち抜いた腕を引っ張りおったな!」
「なんのことやら。ほれ、捕縛師が待ってるぞ」
「うぐぐ、覚えておれ…っ!」
“黒の捕縛師“の前に“破壊姫“を投げ捨てると同時に1stが目覚める
「よぅ、いい夢見れたか?」
「…最悪よ。それで?捕まった私たちは何をされるのかしら?」
「いや、知らねぇ。が、五体五臓六腑満足精神安定は保証する。俺が約束する」
「口約束を信じろとでも?無理ね…それで私たちが何度騙されたか────」
「俺の目を見ろ」
1stは俺の顔を見る。キラッキラに光り輝いてるだろ?
「……ふんっ!相変わらずドス黒い瞳ね。わかったわ、何かあったらあなたの店潰すから」
「あ、じゃあ今のナシで」
「なんでよ!そこは『任せろ!』っていう所でしょ!」
3rdが叫ぶ、元気だなこいつ
「いやお前ら待て、今“タバコ屋“潰れたら『のんびり異世界融合まったりライフ』が送れなくなる!」
「強気な言葉のくせに、中身が台無しじゃない」
4thが呆れる、こいつなにもしてねぇ癖に
「バカヤロウテメー!平和が一番だろ!」
「平和、ね」
「“狼さん“は、平和が、好きなの?」
5thが質問を投げつける
「おう!ティアのババアに『クソ親父は返り血浴びると興奮して更地にするまで暴れる』って注意されたからな。この街が好きだから平和がいい」
「あなた自身、危険物指定したら平和になるんじゃない?」
「なるほど、それもあるな…って、なわけねぇだろ!俺自身が好きに生きてぇんだ!その中での平和だ!」
「…無理ね」
「無理」
「それは無理」
「“狼さん“、それは無理」
「四人全員否定かよ!俺は────」
“クソ親父!!異常な速度で『何か』が突っ込んでおる!12時方向じゃ!“
言われた方向を見る
ラーメン啜ってた、ティアのババアの索敵範囲は都市全域だ
来る方向を見るが、数秒持たずとも黒い『何か』が全壊した広場に着地した
「失敗した私たちを処分しに来たのね、ビショップ」
「いかにも」
「おいおいおい!服装が“忍者“ってのはなんかのコスプレか!?」
黒い物体の正体は、忍装束をまとったお面野郎だった
「相変わらず煩いな、“黒狼“…いや、今はしがない“タバコ屋“か?」
「盗み聞きとはいい趣味してんなぁっ!“破壊姫“!腕はどんなだ!」
「もう良いぞ!して、ビショップとやらは何しに来たんかのぅ?」
「ボケんのはえぇな!五姉妹の“処分“だっ!」
「にしては軽装じゃの、魔力を視てもクイーン連中以下ではないか」
「違う!こいつは────」
4thは、説明より先にお面野郎に意識を刈り取られる
何をした?見えなかった
「敵の情報を与えるのは3流以下だ、だが“黒狼“の今の状態は不明だ。五姉妹全員、殺すのはあとだ。回収し、情報を抜き取ったあと、“処分屋“に回す」
『サブ』の組織にいる“処分屋“は凶悪な拷問と、後遺症を考えない強力な自白剤を大量投与する傾向がある。
粗大ゴミの中に、任務に失敗した『サブ』の“人間らしきモノ“を解析に回した際にそれは発覚した
「悪ぃが、ビショップさんよ、その提案はナシだ」
「“黒狼“、貴様には問いてない」
「だが、口くらいは出させてもらう。こいつらは国が預かる」
「否、崇高なるキング様に情報を与えねばならない。その案は却下だ」
「じゃあ力ずくで奪ってみろよ、4thに手を出したのがまずかったな。てめえのニ撃目は一生ない」
お面で顔が見えないが、体か一瞬だが震えたのは見えた
ちなみにニ撃目来ても俺は見えないと思う
「今の“黒狼“の力は不明だ。だが、その腕、弾薬も無し、この状況で某に勝てるとでも?」
「その一人称は流行んねぇよ。あと弾無くても、てめぇに負ける気はしねぇな」
「ハッタリばかりで、嘘ばかりにしか聞こえぬ」
「疑心暗鬼はいい事だが、人の言うこと信じたらどうだ?」
「ふむ、いかにも。では全員回収は諦めよう。“闇牢“」
お面野郎の影が濃くなる
「全員が臨時体勢で捕縛系を使うだと?…しまった!」
“捕縛師“が驚き、2ndを見やる
黒い牢屋が2ndを囲み、地にもぐり始める
「させるかよ!」
助けるため、移動するがビショップに阻まれる
「クソお面野郎!」
「フン!」
鉄山靠を仕掛けるビショップに対し、俺は左の靴で肩を踏みつける
「成程」
「どけや!!」
「その案は却下する。脚を頂戴す」
お面野郎はさらに体を前に半回転させ、左脚全体を体全体で掴み取られる
膝を真逆にへし折ろうとするが、俺は宙に浮き、右のつま先で顔面横を蹴る
「中中の威力、だが不十分だ」
木の枝を折るような音と共に、俺の左膝をへし折られる
離すつもりは無いらしい
「ガァッ!!…脚1本くらいくれてやる!!」
凍った左腕でボディブローをする
当たると同時に氷が砕け、俺の左手が現れる
コスプレ忍装束を掴み、理解した
「サイボーグ!!」
「いかにも、だがコスプレではない」
折れた足を、ビショップは右肩に背負い、背負い投げの要領で俺を地面に叩きつけるが、腕立ての形を取り、叩きつけを緩和する
地面についた両手を軸にウィンドミルで攻撃するが避け、退りだした
「避けたってことァ!」
「そう、捕獲は終わった。」
「殺すか解除しねぇと出てこないか」
「いかにも。そして“黒狼“、弱いな」
「まだ真なる力、秘めてんだよ!」
嘘だ、三連戦は正直精神的にきつい
「まだ某を倒す可能性があるか…だが撤退させてもらう」
言うと同時に、広場の外に駆け出し飛び降りた
落ちたところを覗くと黒い羽を出し、飛び去っていった
「クソがっ!…はぁ〜、キッツ」
「2ndを取り逃したのは不味いな、クイーンの姉妹に拠点を全て聞き出し、後日攻めよう」
「“捕縛師“、作戦は俺らで決める。今回のは最悪だったな」
「…わかっている、反省してる」
「気に病むな、人誰だって間違いはある。それを次に活かすことが重要だ。明日、タバコ屋に来い」
「承った…本当に済まな……いや、ありがとう」
「どーいたしまして」
全壊した広場を後にする俺たちだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます