未成年の方は、国の認定書を提示して下さい

煙草を吸う、吐く、吸う、吐くの繰り返しで会話もせずに時間を無駄に浪費する


場所は“城“のてっぺんに存在する広場にて


右耳から流れてくる言葉の単語を左耳に流している



「聞いてるの“タバコ屋“さん!?それでねそれでね!」


「あー聞いてる聞いてるよ“お姫様“。ミミズが破裂したってな」


「それ最初に話したやつ!それに蚯蚓脹れしたの!破裂してないから!」



俺の会話の相手は“国王“のジジイと思ったが、“お姫様“だったのが罠だった。


なぁにが


『孫娘が可愛くてのぅ…でも歳じゃから耳遠くてなぁ、孫娘の話し相手よろしくの!』


だよ…

孫娘、ジジイの血が濃すぎだろ

間髪入れず話しかける所、似すぎだわ


しかもジジイ、俺の受け答えしっかりしてたじゃねーか


指摘したら、聞こえねぇふりしやがった


そこを突っ込もうとしたら、横から割り込んできたお姫様にタックルされて外の広場まで強制移動させられたわ


筋力魔法もジジイに似て特化してやがんの


「それで話戻すけど!森の魔物を“雷帝の臭うガントレット“で殴りつけたら首から上が無くなっちゃったの!前に見た手品師と似たことが出来てね!私も手品師の才能あるかもって思っちやった!」


「あぁそうかそうか。“金龍師“のティアが管理してる孤児院のガキどもにはそんなこと出来ないわ」


俺がさせねぇけどな。てか10代真っ盛りの孫娘に何やらせてんだジジイ


「あの孤児院の!?同じクラスにいるけどみんな仲良くしてもらっちゃってね!すぐ友達になっちゃった!」


「あぁそうだな、ガキ共の胃袋が心配だな。国のトップの孫娘と仲良くするとか、俺なら胃が破裂しかねん。ストレスと物理的な意味でな」


「現にこうして喋ってるじゃない!破裂してないわよ!」


「そうだな破裂してないな、しかし…ジジイも良く、魔物が出る森に許可だしたな。しかも“雷帝の臭うガントレット“は『ハルバード』国公認のAランク武器だったろ?」


「お爺様に頼んだらね!すぐ許可も貰えて、武器も貸してくださったの!凄いよね!」



単に孫娘に甘いだけじゃねぇかな


ランクが高い武器ほど“城“から出すのも渋る癖に



「他の魔物も!倒した時は、すっごいスッキリしちゃってね!その時の感覚が忘れられないわ!」


「悪さした魔物はいいが、人にそういうことしちゃダメだからな?」


「うん!悪さした魔物さんだけ手品で頭を無くす!約束する!」



口約束なんてすぐ忘れるもんだ


いつか人の頭消すんだろうなと思うと、仲良くしておこうと思った



「“タバコ屋“さんは悪い人じゃないから消さないよ!」


「どういう判断で消すのか不安になるから理由は聞かないでおくぞ」


「悪い人じゃないから消さない!」


「おぅ、聞いてないからな?しかも理由らしい理由じゃないが…まぁ安心したわ、ありがとうな」


「どーいたしまして!」



ない胸を前に出して威張る、前より成長したか?レディ超えるなこりゃ



「一応言っておきますが!女性は相手の視線がどこ向いてるかわかるのよ!」


「女子の間違いだろ?無い乳に興味ねえよ」



スネに衝撃が走る、すんげぇ痛い


「あっ…がっ…!何すんだ!」


「無い乳とか言うからでしょ!これから大きくなるんだから!」


「はいはいそーですね」


「また蹴るわよ!はいは1回!」


「はいよ、ったく…筋力魔法使い慣れてきたな、痛かったぞ今の」


「『ハルバード』国一番強い人に教えてもらったのよ!名前はね!」


「No.1か…いや待て!No.1起こしたのか!」


「今年入ってすぐ誕生日だったてしょ!わたし!その時にお爺様が起こして教えてもらったの!」


「あのジジイ何考えてんだ!ああ、馬鹿なのは知ってるがこんなことになるとは…すまんヒンメル」


今この場にいないNo.1こと“空の支配人“『ヒンメル』に謝る


「それでヒンメルが起きて周りを見て『“黒狼“じゃないの!?なんで!?次こそは起こすって言われてたのに!死ねクソジジイ!』って言った瞬間にお爺様がね!城の窓突き破って、魔の森辺りまで飛ばされていったのよ!凄いよね!」


「飛ばされても…現に今生きて宝剣をダッシュで取りに行ってんだから、この国も安泰だな」


「『ハルバード』は未来永劫不滅よ!宝剣を狙う『サブ』なんてお爺様やヒンメル様で十分よ!」


「そういや、そろそろか。お姫さんも準備しろよ」


「もう終わってるからわたしは大丈夫だけど、タバコ屋さんまだよね?早く着替えたら?」


「は?いやいやあと1時間あんだろ?」


黒のワイシャツにスラックスだけのラフな格好してるが、仕事する時は『サブ』に対抗すべく控え室にある“仕事道具“を取りに行かねばならない


すると広場に入ってくる軽装の兵士が1人、告げる



「姫様、“タバコ屋“様、準備が出来次第、公演の場までお願いします」


「分かったわ!じゃあ“タバコ屋“さん!また後でね!」


「お、おう………」



お姫様と兵士が“城“に戻っていくのを確認し、俺は叫んだ



「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!時間戻すの忘れてたア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」





覚えてたら直しとこ


さぁ仕事仕事



ーーqueenーー

「仕事の時間ね、みんな準備は出来てるかしら?」


質問をする1stの後に続く、人の形をした化物たちが一斉に吼える


「いい返事よ!みんな!」

3rdは吼える獣達を見やり、微笑む


「宝剣は昼零時丁度に出現する!それまでの道のり、準備には遅れるな!」

と仁王立ちしなから注意する2nd


「『ハルバード』直属の討伐部隊がいる!だが恐れるな!私たちは強い!」

4thは吼える獣を遮り、活気立たせる


「だから、みんな、沢山、殺そ?」

5thの質問に、獣たちはより一層大きな雄叫びをする


「初めましょう、『世界崩落』の第49歩目を」



1stが目標を掲げ

皆が皆

行軍とはかけ離れた前進



暴走を始めたのであった

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