煙草を買う際は年齢を告げてください
ーータバコ屋ーー
「どーっも!タバコ屋です!教徒になりたいんすけど金の持ち合わせが無いんすよ!」
中央の通路を滑り、足でブレーキをかける
「なんでコレが料金ってことでぇ!」
デブ神父に歩き寄り、喉元を蹴り押し倒す
「ぐぶぇっ!」
「汚ぇ声だなデブ、神父服着飾って偉ぶんなや」
ホルダーから50口径デザートイーグルを取り出し、引き金を引く
床には赤の彼岸花如く、血が染める
「死は救済」
振り向き、大声をあげる
「神父は死んだ!俺の目的はこいつの死だ!復讐したいやつ!怒りに任せて俺を襲いたいやつ!かかって来いよ!」
神父の死を見た教徒たちは騒然とした。
悲鳴とともに逃げ惑うエルフ老婆がいれば、放心したままの欠損ドワーフ青年など
しかし中には、怒りとともに向かってくるヒゲ生やしたオークのオッサンがいた
「無駄な命は散らせねぇが!当たりどころ悪くて死んだらごめんな!」
無責任だが、俺だって死にたくない
オークの拳が振り下ろしてくるが体をそらし避ける
地に拳がたどり着く前に、肘を膝蹴りし破壊する
オークは悶絶し、痛みで気絶する。
ほかの屈強な奴らはその光景を見てたじろぐ
「それでもいいがぁ!さっさと逃げることを勧めるぞ!」
儀式してたところを見やる
魔術師たちは儀式が終わったようで、全員が疲れからか床に寝そべってる
その中で、儀式前とは違った水色の髪、毛先が白の少女が威圧感を出しながら声を発す
「永き眠りだった、感謝の印として我と混ざり合おうぞ」
意識のある魔術師もいたのだろう、その言葉を聞いた瞬間困惑し、声を荒げる
「ち、違う…私は故郷に戻るのだ!貴方の永き眠りからの覚醒は故郷に━━」
言葉が切れると同時に意識が無かった者達を含め魔術師達が衣服だけを残し、消滅する
「…少ない」
「だろうよ、眠りから醒ますために魔力使ったんだ」
「して、貴様は?」
「初めましてだな”破壊姫”、俺は”死がないタバコ屋”だ」
「懐かしい呼ばれ方だ、眠る前を思い出す。して、大きく出たな。死の概念が存在しないのか」
「そういう意味じゃねえが、まぁ死神に嫌われてんだよ」
「妾もだ」
距離は離れているが、眠りから醒めた破壊姫は右腕を振るう
振るった手の先から、縦に三つの衝撃波が出る
咄嗟に横に飛び込み回避する
「っぶね!」
衝撃波は俺の元いた場所を過ぎて教徒を巻き込む
「ふむ?死なぬなら避ける必要もなかろうて…とんだ嘘つきだな」
「死ななくても痛ぇもんは痛ぇからな」
「貴様の言の葉は信用出来ぬ、狼少年…否、狼おっさんめ」
「まだオッサン呼ばれる歳じゃねぇ!今年で30だ!」
「それはオッサンではないのか?」
破壊姫は左腕を振るうと同時に、水飛沫を繰り出す
「これくらいなら当たってもいけるか?」
と思ったが異変を感じ、水しぶきの範囲外を横飛びに避ける
「観察力はある…が、直感で動くタイプか。厄介な」
過ぎていった水しぶきは長く円錐状に伸びていき、徐々に凍りつく
後ろの衝撃波に当たらなかった教徒たちに、長細い氷の円錐が突き刺さり、凍りつく
「おっかねぇな、魔力カスカスでこれかよ」
「全盛期は追尾機能もついとったんじゃが…貴様から吸えばマシになるか?」
「冗談は口だけにしてくれ…っ!ぶね!」
水しぶきの散弾が襲う
避ける俺
「口かっ!?口が気に入らなかったか!?顔って言えばよかったか!?」
「もっと酷くなっておるぞ!」
次々と襲う飛沫と衝撃波。だが見慣れてくるとダンスするが如くステップを踏み、避けていく
「余裕があるな、しかして、なぜ攻撃せんのだ?そのバックの中身はお飾りか?」
「多いに越したことはない故に詰めてきたんだ、消費しないのが一番だ」
「無駄打ちしてた妾をコケにする言い様だな」
「悪かったって、次で決めるから怒んないで」
「何を━━━」
言い切る前に体勢を低くして鼻先が床ギリギリを掠める
クラウチングスタートからのダッシュで一気に”破壊姫”の懐に入る
「な、はや…っ!」
「悪い、寝てくんね?」
左の拳でみぞおちにストレートをぶちかます。
浮いた体を見やり、瞬時に右の銃で両太ももを撃ち抜く
あと右肩もぶち抜く
「ぅぐっ!…肩は余計じゃないかのぅ?」
「いや、つい」
「つい、でやる阿呆なんぞ眠る前以来だ…そいつはフードを被っていたが…」
「悪いが思い出に浸かるのはあとだ。デブ神父め、やっと起きたか」
ぶち抜いた氷使いの魔女とは真逆を見る
そこに立つは5メートルあるかないかの禍々しい灰の巨躯
「随分なご挨拶じゃないか…犬っころォォォォォオオオオ!!!」
「狼だデブ神父」
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