開店準備

数週間が経った


腕時計を見ると日付が変わる0時になる前


店の奥にある両扉式収納庫の前で深呼吸する



「”死は救済”」



扉のロックが解除される


中に目立つは、血塗られた防弾チョッキ

縦に置かれた、M82バレット

上からぶら下がる、6種類のアサルトライフル

下に乱雑した、手榴弾、50口径デザートイーグルに対人用ナイフ



仕事が終わると、どうしても疲れからか仕事道具が整理整頓できない


ティアのババアが見たら「整理しろクソ親父!!」と言ってきそうだが…


独り身だし、ティアのババアにドヤされるなんて最近はない



装備していく


肌から上、上半身は黒のワイシャツ

下半身は黒のスラックス

防弾チョッキを着込み

脚のホルダーに50口径デザートイーグル

背負うアサルトライフルはマルイg36c サンプレッサー

心臓の位置にナイフを仕込み

上から黒のフード付きロングコートで装備を隠す


M28用のガンケースの中に持っていく弾倉や銃弾を押し込めていく

チャックし、閉じてみる


「パンパンで歪な形してんな…いつもの事だが。多いに越したことは無い」


歪に尖った、弾だけのガンケースを背負う


店を出てCLOSEの看板を出してシャッターを降ろし、目的地に向かう






黒い紙の煙草をふかしながら目的地に向かう途中、一台の赤いローライダーが歩道に寄り、止まる


中から茶髪金目の耳長女が話しかけてくる


「”タバコ屋”さーん!そんなところでちんたら歩いてないで一緒に夜過ごそーよ!」


「うるせぇ。てか手前ぇの座席全部、他の野郎たちの出した体液まみれだろうが”急所破壊のリサ”」


「あー!そういう事言うんだ!というか!ちゃんと魔法で毎日洗ってますー!!」


「お前の得意属性は”音”だろうが…まさか店の新入りに洗わせてんじゃねぇだろうな!」


「そ、そんなことしないよ!洗車のところ行ってるから!」


「目が泳いでんぞ…まぁいい、俺はこれから仕事だ。ほかの男と遊んでろ」


「今からぁ?でも今夜は予報通りの豪雨だよ?」


「それがいいんだよ、終わったら洗い流してくれるからな」


「…っ!洗車だけに!」


「黙れ」



そう、予報は当たってくれた


天気まで偽装されたら新聞屋に襲撃してから仕事をこなしてただろう



「近くなら送るよー?」


「458番街のでかい教会だから直ぐだ」


「遠いよ!40キロあるじゃん!…地下鉄で行くとか言わないでよ?」


「地下鉄だが?」


「バカー!乗ってけー!」


リサがフードコートの袖を引っ張る、なんかぬるっとしてたぞ


「離せコラ!なんでヌルッとしてんだ手前ぇ!」


「仕事終わりだから!」


「手前ぇ、床仕事だろうが!ダァ!引っ張んな!!」



と、目の前に音と一緒に割り込む1つの黒闇


魔改造されまくったYAMAHAのV-MAXだ…部品部分が黒の棘でで覆われているが、深夜の今では闇に溶け込んでいる


運転しているのは黒のライダースーツに身を包んだ、腰まである赤髪の女


「え、なんだ先客いたの?早く言ってよ!」


と言い残しそのままエンジンを更かして立ち去ろうとするリサ


「はぁ…また今度、店に顔出すぞリサ」


「んじゃ割引サービスでもしてあげる!うちのカワイイ子達がタバコ屋さんの事待ってるから!」


「宜しく言っててくれ」





赤いローライダーが見えなくなり、黒のV-maxに乗るヘルメットから出た赤髪の運転手に声かける








「んで?何をしている”レディ”」


「子供扱いはやめてって、いつも言ってるでしょ」

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