昭和二十年三月十日

高台から燃える街を見ていた。私の街が音をたてて崩れゆくのを。

その上を敵機が横切っていく様を。

戦地の父や兄達を思う。本土を守ってくれていたはずではないの?

私は祈る。神風よ、今こそ。

しかし朝日が照らしたのは、燃え尽きた我が家と、赤ん坊を抱いて焼け死んだお隣さんだった。

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