よみがえりゆく場所

波に呑まれる夢から醒める。

全身汗ぐっしょりで、細かく震える身体をじっと抱えて、ひたすらに待つ。

8年。未だに夢の中で逃げ続けている。

それでも、この街に戻ってきたのは、ここが故郷だから。

朝日と共に家を出ると、微かに花の香り。春の作物は新芽を見せ始めた。

生きている。

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