薔薇を摘む少年
薔薇を切る。
窓辺の一輪挿しに挿した少年は、薄紅色の花びらを眺めながら、物思いに耽った。
庭の薔薇を、いつか誰かに差し出してみたい。その時の受け取る手や指、その人の容貌、性格などを思い描く。
しかし、薔薇には棘もある。少年はそれを承知だ。摘んだ時の傷を舐め、微笑した。
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