自分の音へ

いとこの横っ面を叩く。

ピアノ教師が「二人の音はそっくりね」と言ったから。

母親が双子のせいでよく似た顔。でも私は爪が割れるほど練習した。

久しぶりに帰る指揮者の父のため。

泣いていたら、いつの間にか父の腕の中だった。

悔しいなら大丈夫。

その意味を知るのは少し未来のこと。

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