生徒と教師の相聞歌

女子生徒が答案の余白に一首書いて寄越した。

「花梅も見る人なくば切なくてせめては君のひと枝となれ」

教師の僕は

「匂ふ梅手折りて散るは惜しむべし野に咲くままに眺めたるかな」

と返す。

ただ、手帳には

「梅の花咲くはいまだに七分なり開きしときは手にもて愛でむ」

と書いた。


~*~


超訳


「花梅も見る人なくば切なくてせめては君のひと枝となれ」

→先生好きです。もらって下さい。


「匂ふ梅手折りて散るは惜しむべし野に咲くままに眺めたるかな」

→ごめんね。


「梅の花咲くはいまだに七分なり開きしときは手にもて愛でむ」

→でも、大人になったらもらうから。

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