第37話 諸葛瞻《しょかつせん》:父・諸葛亮ほどの才はなかったが忠義の士であった将

諸葛瞻しょかつせんは字を思遠といいます。

蜀の丞相、諸葛亮の子です。


幼いころから聡明でしたが、諸葛亮は「早熟すぎて大成しないのではないか」と心配し、そのことを兄・諸葛瑾宛ての手紙に書いています。


書画が得意で物覚えもよかったため、諸葛亮亡き後の蜀では多くの人びとからもてはやされていました。

なにか善政があれば、「諸葛瞻がやった(本人がやってなくても)」と伝えられたことから、実力以上に過大評価されました。


魏の鄧艾とうがいが攻め込んできたときには、黄崇こうすうとともに防ぎに向かいます。

しかし県に着くと兵を進めず、鄧艾の侵入を許してしまいました(詳細は黄崇の記事を参照)。


鄧艾は諸葛瞻が弱腰と見て降伏を勧めますが、諸葛瞻は激怒してその使者を斬ります。

これによって両軍がぶつかり、諸葛瞻は前線で戦死。三十七歳でした。


父のようなとびぬけた才能はなく、また優柔不断でいくさの経験もほとんどありませんでした。が、それでも降伏せずに最後まで戦って蜀に忠義を尽くしたのは、やはり諸葛亮の子であったといえるでしょう。

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