第36話 張特《ちょうとく》:呉軍をだまして合肥を守った魏の将軍

張特ちょうとくは字を子産と言います。

劉備りゅうびと同じ涿郡たくぐんの出身です。


魏の牙門将軍で、諸葛誕しょかつたんの配下に所属していました。

諸葛誕は張特を無能だとして追い返そうとしましたが、ちょうど毌丘倹かんきゅうけんと任務を交代したため、毌丘倹はそのまま張特を合肥新城の守りに就かせました。


呉の諸葛恪しょかつかく諸葛瑾しょかつきんの子)が合肥へ攻めこんできたとき、城を守る張特のもとには三千の兵士がいました。

しかし病や戦死によってその半数は失われ、しかも城は呉軍に包囲されてしまいます。


もはや守りきれないといったときに、張特は呉軍にこう伝えます。


「我々は、これ以上戦う気はありません。魏では百日経過しても援軍が来なかった場合、降伏しても家族は罪に問われません。もう90日が過ぎていますので、しばらくお待ちください」


なんだか企業みたいな規則ですが、呉も物分かりがいいのか攻撃を控えてくれました。

そしてその間に張特は城の補修をし、降伏せずに最後まで城を守り抜きました。


この功績によって張特は列侯に封じられ、安豊太守に昇進したのです。

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