復帰③




 ギルバニア山岳地帯での久しぶりの戦闘を行った。相手は【ギラバニア・ホーンビル】LV60。怪鳥のようなモンスターだ。


 機工士の特徴はタレットを設置してソロでも1対1ではなく2対1の状況を作れるところなのだが、久しぶりすぎてタレットの設置がうまくいかない!

 1戦目は気づかなかったが、タレットを召喚を決定後に召喚位置を設定するのだが、その設置位置を示すサークルが【ホーンビル】と重なっていて見えていなかった。

 2戦目以降は問題なく数的有利な状況を作り出せたが、今度はスキル回しが思い出せない。

 むしろ私がプレイしていた当時から何度かのVerUPが入っていることもあり、仮に覚えていたとしても時代遅れなスキル回しになっていただろう。

 とりあえずはクールタイムが終わったものから選択して行き、同レベルと言えど力押しで狩ることができた。


 そしてフィールド上でのボーナスイベントであるFATEが真横で発生し、それはフルトュリーニという蝶のようなモンスターを狩るものだった。

 FATE用として湧いた【フルトュリーニ】のLVは58——狩るのは容易だ。


 そこからは経験値ボーナスが入る連続討伐のチェーンを意識しつつ、狩って狩って狩りまくる。

 途中で【ホーンビル】が二体リンクして死にそうになったが——そこはそれ、勇気ある撤退で仕切り直し、今度は距離間に気をつけつつ【フルトュリーニ】を狩ってクエストクリアである。


 ソロでやっていく上で、フィールドのFATEをいい経験稼ぎになる(微々たるものだが)。それをすぐに思い出せたのは暁光。

 FATEをクリアする頃にはスキル回しも思い出してきた。あとは各スキルの詳細や機工士としての特徴を生かすスキル選択手順を確認しつつ、【アラガーナ】へと到着した。




 さて、解放軍とやらに協力してもらおうとやって来た【アラガーナ】だったが、これ以上若者を連れて行ってたまるかと協力を拒否された。


 というか、久しぶりすぎて鉄仮面って誰だよ? 状態である。


 そして助力を得るためにはどうするのかと思いきや……ここでお使いクエスト連発か……MMORPG定番の流れだが、こういう作業的な一面は正直言って好みではない。

 だがストーリーを進める手段はこれしかないのだから、MAPに表示されたクエスト関連ポイントに向かって移動を開始した。


 道中でFATEを一つクリアし、目につくMOBは片っ端から殲滅していく。小さな経験値の積み重ねが大事なのだ。


 だが、やはり復帰したばかりのソロでは手に負えない——というか、【アラガーナ】へ戻る途中で、村人を山賊から守るFATEに挑戦した。

 しかし、回復手段に乏しく、NPCを守りながら1対複数という戦闘は手元が忙しくなり、HPゲージの監視が疎かになって無残にも死亡。


 【アラガーナ】のエーテライトと交信しておいてよかった……。


 村に戻ってクエストを完了すると、うまく【アラガーナ】の民と交流できたかと思えば、そう簡単にはいかないこともあり——はてさて、どうしたものかと思いきや。


 突発的なストーリーイベントが発生し、村人の一人が先ほどの山賊に捕まっただとか……。


 これは殺された恨みを晴らすチャンスかもわからんね。




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