第4話「北国-スィルヴィーエ(ノース)」
『…ここか。』
目の前にはいかにも「城です」と言わんばかりの立派なお城が聳え立っていた。
それはまるでお伽噺に出てきそうな、白を基調としたとても美しいお城。
例えるなら…んー、そうだなあ…独国にあるノイ…ノイ…
神(犬)「わん。(ノイシュヴァンシュタイン城じゃ。)」
そう、それに近い。
神(犬)「わんわん。(略すな)」
仕方ねぇだろ、片仮名は苦手なんだ。
…特に長ぇ奴は。
城の中へと歩を進めようと頑丈な城門に近づいた所で見張り兵に止められた。
…んまあ、当たり前だわな。
「おい、お前。どこの国の者だ。」
変な言語じゃなくて良かった。
これなら俺でも分かるわ。
『お…コホンッ…わ、私は…こ、国王陛下へ御挨拶に伺いたいと思いまして、そ、それで、此処へと参りました。
…国王の元に案内して貰えませんか?』
困惑しながらも笑顔で俺は言ってやった。
その方が自然やろ?
ん?咳払いで誤魔化した?
んなアホな。気の所為やろ。
「は、はっ!
わ、分かりました…!」
挙動不審になりながらも見張り兵は
「ど、どうぞこちらへ!」と案内し始める。
『…えぇ。』
なんだこいつ?…照れてんのか?
…まあ、俺可愛いもんな。分かる。
神(犬)「わんわん。(ワシに感謝するんじゃぞ。)」
うるせぇ駄犬。
…んー、にしてもこいつ鼻の下伸ばし過ぎじゃね…?
一応中身男なんですけど。
…普通に気持ち悪ぃ。
…ま、んなこと言えるわけねぇんだけどさ。
そして着いた先は扉。
…見ただけで分かる。重そうやん。
流石国王陛下。金使いまくってんな。
あ、せや。
『ありがとうございます』
忘れんように、確りと笑顔を見せつつ礼を言うと、「は、はひぃ……」という情けない声を上げてそそくさと退散していった。
ちょろいわ。
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