第2話「単純とか言うなよ。」
目が覚めたら異世界にトリップしてた。
ついでに性別も変わっていた。
『うん、やっぱ意味わからん』
神「もっと気楽に考えんかのぅ。」
お 前 が 言 う な 。
うんうん唸りながら考える俺を他所に、寝そべってスマホをいじる
お前は現代っ子か。
神「神様とゆーとるじゃろ」
そう言って呑気に欠伸をする
…もう神様じゃなくて、ジジィでいいのではないのk神「良い訳無いじゃろ」
デスヨネー。
普通に却下された。
あれこれデジャ…なんとかでは。
そんな事考えてるうちに、こんなに真剣に考えてる俺が段々アホらしく思えてきて、思わず溜息が零れる。
神「…そういえば」
『?…なんだ』
神「お主、“名前”はなんというのかの?」
“名前”…
その言葉に身体が凍りつく。
俺の
勿論、意識的に平静を装いながら。
神「…ほうか。んなら、好きに決めたらどうかのぅ?」
お主を呼ぶ時に名前が無いと困るからのぅ。と欠伸しながら言った。
相変わらず簡単に言うよなあ…
呑気ジジィの癖に最もらしい理由を言えるなんて。
神「なんか言ったかの?」
『…イエベツニ。』
そういえば心中が読めるんだったな。
迂闊な事考えてられねぇな。
このジジィは俺の事を「お主」と呼ぶから、別に名前無くてもいいんだが…。
…まあ、あった方がいいに越したことはないか。
…名前を決める、か。
『悪くは、ねぇな。』寧ろ楽しそうだ。
まるでゲームの主人公に名前をつけるかのように心を踊らせてると、何かを思い出したかのように
神「ああ、名前は複数考えるんじゃぞ。」
複数?
1つあれば充分なのではないのか。
『…どういうことだ』
神「そらぁ…お主は
今から“
…なぁ、
色々と唐突すぎねぇか?このジジィ…
説明しよう!
諜者とは、敵の内情…内部の状況や事情等を密かに敵中に忍び込んで探る者の事を謂うのだー。(棒読)
…ん?棒読みになってるって?
気の所為だ、気の所為。
まあ、所謂スパイってやつだな。うん。
…昔少しだけ憧れてたっけなあ。
俺は俗に言う孤児院育ちってやつで、そん時に色々と特訓を受けてある程度の戦闘技術を一応教えて貰ったんだわ。
うん、一応。
そん時に偶々スパイの存在を古本とか書類とかで見て『うわあ…いいなあ。』って、『かっけぇなあ…!』って思ったんだっけ。
…ああ、詳細は面倒いから端折るな。
まあ、あれだ。
とりあえずなんやかんやあって、戦闘技術の基礎は一応身についてる。
…だが、スパイをやれる程の戦闘技術はねぇぞ。
ある訳が無い。
…だって俺、
戦闘とは無縁っつー訳。
そんな気まぐれジジィの設定により、俺は今から諜者になるらしい。
…面倒いからスパイでいいや。
なんかシェフの気まぐれ料理みたいだなとか思った奴、怒らないから出てきなさい。
…と、今はそんなことより名前だ。
んー…どうしようか。
なんにせよ、とりあえず1つだけでも決めておかなければ。
…あ。
そういえば、
方角的には北側にあるらしい。まあ北国なのに南とかにあったら困るんだけど。
どうやら
神「…名前は決まったかの?」
ついに痺れを切らした神様が問いかける。
『…ああ。』
口角を吊り上げて俺は言った。
『…名前は
ノース、だ。』と。
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