十五年くらい前の鉄ODASHを思い出した話


 町中を使った缶蹴りとか、リレーで電車と競争とか、そういう企画をやってたじゃないですか。あれやってた頃僕は小学生だったんですけども、よく真似したいなあって思ってたんですよね。特に缶蹴りの、鬼が近づくと端末が反応して四段階のブザーが鳴るみたいなギミックとタイムアップ直前の緊張感ある攻防に、すごくワクワクドキドキしてました。またテレビでやらないかなあ。



 というわけで、日没である。



 車窓から見える風景真っ暗。スマホの電池一桁。チェックインまであと一時間。某番組ほどではないがハラハラする状況に、僕のテンションは上がっていた。


 終点の駅で下り、そこから宿泊先まではバスかタクシーを使う必要があった。しかし特急列車に乗ったことにより予算が切迫。タクシーを使うと帰りの交通費が足りなくなる可能性を考え、僕はバスを利用することを選択した。


 それによる懸念点は二つ。ひとつはバスが来るまで約二十分ほど立ち往生しなくてはならなくなること。もうひとつはチェックインの時間まで余裕がないこと。


 どちらもタクシーを捕まえれば解消する問題だった。だが前述の特急列車の失敗から軽率な判断をおそれた僕は、金銭的リスクよりも時間的リスクを負うことを決めた。最悪後れそうになったら連絡を入れればいい。


 だがここでスマホの電池一桁が痛烈に効いてくる。もし電話をかける途中で電池切れを起こしてしまったら……宿泊先の徒歩圏内に到着したとき、グー○ルマップが使えないのは非常に厳しい。


 それだけのための残量すら危ぶまれる状況。頼みのモバイルバッテリーも電車内で臨終を迎えた。こうなったら駅隣接のコンビニで電池式充電器を購入するしかないのか……とまた余計な出費に手を染めようとしたそのとき、名案が浮かんだ。


 結果、その案によりスマホは息を吹き返し、チェックインに間に合うことができたのだった。めでたし。



 …………いや、電池やばくなるならツイッター見てんなよ、って話ですけどね?





※スマホとPCとをUSBケーブルで繋いでバッテリー代わりにしました。たぶん現地の人から見たらやべーやつだったかもしれない。

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